3年ぶりの『なにわ淀川花火大会』で夏は花火しか勝たんと再認識、来場者に訊いた「あなたの楽しみ度は?」
●PM 7:30 オープニング 〜 開幕のファンファーレ 〜●
今年の花火のテーマは「Re:start」。迫力あるオープニングテーマ、ロッシーニ「ウィリアム・テル序曲」で『なにわ淀川花火大会』はRe:startした。
カウントダウンと共に空高く打ち上げられた大輪の花に、最初の大きな拍手が湧き上がる。高さや形状、色など、さまざまな花火が目まぐるしく咲き乱れるスターマインは圧巻だった。勢いそのままに緑黄色社会「Mela!」、Mrs. GREEN APPLE「ダンスホール」へと続く。「ダンスホール」では色が変わりながらピカピカと散っていったり、真ん中の球を中心に無数の光が広がって行ったりという演出が多く、曲も相まってミラーボールのように見えた。
●PM 7:43 SMILE ~ 笑顔満開 ~●
色鮮やかな空から一転、青い世界がYOASOBI「群青」とともに繰り広げられていく。リズムにあわせて右から左へ、左から右へと次々に打ち上げられる花火とともに手拍子をしている人もちらほら。最後には、虹がかかったような見事な扇形の水上花火が開く。同じ目線で水上花火を楽しめるのも河川敷で観る魅力のひとつだ。
続いて花火の勢いもよいWANIMA「眩光」、打ち上げられている最中の玉もキラキラと光った藤井 風「きらり」へ。ここではスイカや花、ニコちゃんマークなどの変わり種や、万華鏡のようなもの、ランダムな動きをするものなど、バラエティに富んだ花火を満喫できた。
●PM 7:57 Peace ~ 大阪から平和を叫ぼう ~●
強いメッセージ性を持つONE OK ROCK「Renegades」とともに平和への願いを込めて、大阪から世界へ向けて打ち上げられた。令火薬の正しい使い方を示すかのように、水上、柳、菊、牡丹とさまざまな種類の花火を一度に咲かせる。
そして日常の些細な幸せを歌うTani Yuukiの「W/X/Y」に。頭上を見上げると巨大な花火に包み込まれるような感覚に陥いり、目線を落とすと乱れ打ちされている放射のラインが美しい花火が視界を彩ってくれる。上も下もと、全てを捉えきれないほど当たり一面の花火に、感動なくしてはいられない。
●PM 8:11 LIFE ~ いのち輝く未来へ ~●
静けさを取り戻し、Mr.Childrenの「HANABI」に乗せて、赤く繊細な曲線が日本の花火の魅力を引き出す。歌詞の<もう一回 もう一回>にあわせて二段階で弾けたり、時間と高さを活用して立て続けに大きな花を咲かせたりする演出がたまらない。そして煙火師が大阪発上陸のということで、光が消えかかったところで再びピカピカと輝くものや、代表作「光の宝石」など、初めて観る花火に驚きの声を抑えきれない。
ケツメイシ「友よ 〜 この先もずっと…」では、天にも届きそうなくらい高く大きな花火が力強く打ち上げられ、フィナーレに向けて加速していった。
●PM 8:23 グランドフィナーレ ~ なにわの夜空に大瀑布 ~●
最後はミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』の劇中歌「This Is Me」とエルガー「威風堂々」とともに、全身で花火を浴びていると感じるほど圧倒的なボリュームでたたみかける。曲の盛り上がりに合わせて次から次へと打ち上げられ続け、心から「夏は花火しか勝たん!」と思える壮大なフィナーレを飾った。
コロナ禍での開催について模索し続け、ようやくの思いで再開できた『第34回 なにわ淀川花火大会』。例年よりも屋台は少なく、大きな声出し禁止などの制限はあった中でも、これまで以上に観客の心を震わせたのは、しばらく鳴り止まなかった拍手からも窺える。来年もまたこの場所で、叶うならひとつでも制限なしに、夏の終わりを迎えたい。
取材・文=川井美波 撮影=高村直希
イベント情報
<十三会場>
JR塚本駅 東出口より河川敷中央階段へ徒歩15分
阪急十三駅 西出口より河川敷中央階段へ徒歩15分
サマーベッドエリア:14,000円 ※4枚まで
Aイープラスシート:6,000円 ※8枚まで
Bイープラスシート:6,000円 ※8枚まで
Cイープラスシート:6,000円 ※8枚まで
e+桟敷エリア:18,000円 ※1枚まで