25回目を迎えた北海道の『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2025 in EZO』を振り返るーー「北の大地で永遠に継承されていく本気の祭だった」2日間・10万歩で観て回った実録レポ

動画
レポート
音楽
2025.9.22
 撮影=SPICE編集部

撮影=SPICE編集部

画像を全て表示(88件)

『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2025 in EZO』8.15(FRI)北海道・石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ

北海道の石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージで、8月15日(金)・16日(土)に『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2025 in EZO』(以下、『RSR』)が開催された。2019年・2022年・2024年とライブレポートを担当しているが、何回来させてもらっても毎年その広大さにおったまげてしまう。

個人的に、その広大さの象徴として感じるのは、入り口付近にそびえ立つ風力発電の巨大な風車。高さは約84m、そして回る扇の直径は約112mの強大な風車が広大な平野にそびえ立つ。事前にJ-WAVE 『GRAND MARQUEE』から依頼を受けて、『RSR』の魅力を生放送で説明させてもらったのだが、『RSR』を始めて訪れた時に、小さな頃から知っていて単なる駄洒落としか思ってなかった「北海道はでっかいどう」という言葉が初めてしっくりきたのだ。地元北海道新聞の記事によると、駐車場や観客がキャンプするスペースを含めると敷地面積は85万6788平方mだという。気が付いたら30分くらい歩いているなんていうことは普通であり、その大地の凄みを知ることになる。

撮影=SPICE編集部

撮影=SPICE編集部

今年も例年通り2日間と日の出までで約10万歩、距離にして約70㎞を歩いたらしい。これは北海道でいうと札幌駅から苫小牧駅、東京でいうと東京駅から横須賀駅、私の地元・関西でいうと甲子園球場から姫路城までの距離。普段だと歩くわけもない距離を2日間で歩いたことになる。今年も、そうやって歩き回って観て回ったという話を書いていきます。さて、毎年のことながら、あくまで私のピックアップ紹介であり、SPICEでの過去3回のライブレポートもそうであったように、全出演者を同じ文字数で書くのは物理的に不可能に近く、基本的には私の観て回りたいルートでしかありません。皆様の読みたいライブについて書いていないこともあるかもですが、個人の勝手な総括・総論、いわゆる”ライター鈴木淳史が覗いた『RSR』”的な文章ということを予めご了承ください。


撮影=SPICE編集部

撮影=SPICE編集部

初日・朝10:00過ぎに到着。テントサイトが各所に点在するのも見どころのひとつであり、キッチンやビールサーバーを設置して、バーベキューを楽しむ姿が今年も多く見受けられる。北海道ではお花見の時など、大人数で野外バーベキューを楽しむ文化が根付いているというが、みんな手慣れており、インドアな私はいつも感心してしまう。フードエリアには、ジンギスカンや石狩鍋、石狩ラーメン、うどん、スープカレー、ザンギ、朝採れ野菜、サッポロビールなどの北海道名物も並ぶ。

撮影=SPICE編集部

撮影=SPICE編集部

撮影=SPICE編集部

撮影=SPICE編集部

それから忘れてはならないのが、入場ゲートで配布されるオリジナルのごみ袋。『RSR』初年度にゴミのポイ捨てを見かけたことがキッカケとなり、2000年に設立されたNPO法人ezorockによるもの。今年は25年に及ぶ環境対策の歴史が年表風にデザインされている。ボランティアスタッフ160名でフェス史上最強のゴミ13分別も実施されているが、会場でもゴミを自発的に拾う人も見かけられ、その意識の高さも知れた。実際に昨年の『RSR』で出た生ゴミの一部を堆肥にリサイクルして育てられたじゃがいもが「おかえりじゃがいも」として入場ゲートで配られてもいる。ezorockスタッフによるSUNSTAGEでの開会挨拶も恒例となっているが、主催のWESSで『RSR』立ち上げから関わってきた若林良三氏による開会挨拶も忘れてはならない。『RSR』25回目であり初回を凄い前のようであり最近のようと振り返りながら、「今日は終戦記念日です」と切り出した。それこそ忘れていたわけではないが、基本は祭であり、その上、私は仕事モードにも入っていたため、その言葉にははっとさせられた。

「平和だから楽しめます。愛と平和の気持ちを持って徹底的に楽しんで帰って下さい!」

こういう誠実で真摯な人が携わっているからこそ、このフェスは心から信用・信頼ができるのだなと再認識した。そして、「僕はあんまり言いたくないんですけど」と真っ直ぐな人間性が受け取れる素敵な注釈を付けた上で、「MR.ラサロ!」とトップバッターのレキシを呼び込む。

レキシ ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=大峡典人)

レキシ ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=大峡典人)

呼び込まれたレキシの池田貴史こと池ちゃんは『RSR』をラサロと略して、RED STAR FIELDで同じ時間からライブをするド真裏のRIP SLYMEに「行かなくていいの?!」と言いながら、「楽園ベイベー」を歌っている。いつも通りの池ちゃんだが、コロナ禍で大変な時には急遽代打で出演するなど『RSR』との関係性は深い。ふと池ちゃんの鍵盤に「SBD」とデザインされたステッカーが貼ってあるのを発見する。『RSR』では大トリも務めたことがあるハナレグミこと永積崇と組んでいたバンド・SUPER BUTTER DOGのステッカー。解散して17年も経つが、今もレキシ・ハナレグミとして『RSR』に出続けていくれているのは嬉しいし、そんな演者の歴史からも『RSR』自体の長い歴史を感じることもできた。余談だが、エレキコミック・やついいちろうから教えてもらったのだが、RIP SLYMEは「きらきら武士」を流して、「きらきらPES」と歌っていたらしい。ド真裏でありながら、互いにエールではないけど、こういう風にやり合うのはリスペクト+ユーモアがあって本当に微笑ましい。

でかくてまるい。 ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=山下恭子)

でかくてまるい。 ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=山下恭子)

14:30・def garageへと移動。海外の有名ロックバンドたちも初ライブはガレージからスタートという事で名付けられたステージであり、新旧問わずインディペンデントな活動をするミュージシャンにもスポットが当てられている。一般公募枠のRISING★STARとして、『RSR』今年一発目のライブに13:00から出演していたのが地元北海道出身でかくてまるい。北海道のそれも若者のライブから記念すべき25回目が始まるのは粋である。本人も「寝て起きたらバズってるバンドではない」と言って、だから目の前の観客の皆様に観てもらうことの大事さを話していたが、そういう土着的なバンドが多く出演しているイメージが昔からあった。

THE BOYS&GIRLS ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=山下恭子)

THE BOYS&GIRLS ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=山下恭子)

これまた地元北海道出身のTHE BOYS&GIRLS(以下、ボイガル)が続いて舞台に14:30から上がっていたが、彼らもそんなバンドである。結成15周年を迎える2026年3月1日にZepp Sapporoという大舞台に立つ彼らを応援するかの如くボイガルTシャツを着ている観客を、今年の『RSR』2日間で見かけることが多かった。毎年そうではあるが、今年も地元北海道出身のバンドは多く触れていくことになる。

撮影=SPICE編集部

撮影=SPICE編集部

緑に囲まれた道を抜けて辿り着くBOHEMIAN GARDENは少し離れたエリアにあるが、その道中も含めて北海道の自然を感じられるので好きである。翌日出演のSCOOBIE DOのドラム・MOBYに道中ばったり出逢う。スクービーと『RSR』との関係性については2日目で記すが、『RSR』公式InstagramではMOBYが友人のテント設営を手伝う姿が一般観客写真と共に掲載されていたくらいに、『RSR』に馴染みきっている。一般客に混じって何気に出演者が歩いているのも『RSR』の醍醐味のひとつ。

MONO NO AWARE ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=山下聡一朗)

MONO NO AWARE ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=山下聡一朗)

さて、BOHEMIAN GARDENでは初『RSR』のMONO NO AWAREが気持ち良さそうに演奏している。「憧れの」と『RSR』についてボーカルギター・玉置周啓が言っていた通り、ライブする姿からは嬉しさが溢れ出ていた。昔からライブを観ることが多いバンドでも、『RSR』で観ると、いつもと一味違う魅力を発揮するのも『RSR』が持つ地場のパワーがあるのだろう。後程、彼らともMOBY同様に偶然SUN STAGEで出逢えたが、やりきった充実の表情が清々しかった。

撮影=SPICE編集部

撮影=SPICE編集部

16:00過ぎ、PROVOへと向かう。2019年の初『RSR』時に一目惚れ一耳惚れしたPROVOエリアは、札幌で音楽・アート・スパイス料理などを発信するショップ「PROVO」オーナーの吉田龍太氏プロデュースによるエリア。ゴリゴリバキバキのテクノDJも聴こえてくる中、服・雑貨・飲食の販売など古き良きヒッピー文化を感じざるをえない。去年からは北海道沼田町協力のもと巨大な雪の滑り台と雪遊び場が雪だるまと共に突如出現して度肝を抜かれたのも記憶に新しい。大きな大きなシャボン玉の実演なども含めて子供たちも楽しめるエリアであり、去年と同じく子供たちの休憩スペースや子供たちが切り盛りするキッズカフェ「らいじんぐーちょきぱー」も出店されていた。

撮影=SPICE編集部

撮影=SPICE編集部

リアルキッザニアみたいな風景に仰天してしまうが、美味しそうな甘いポップコーンが売られている。野外フェスでしんどそうな子供の顔を見る度に辛くなってしまうんだが、PROVOを始めとして『RSR』はキッズケアも徹底されている。いわゆる元気いっぱいヤングフェスキッズは思う存分に各ステージの最前でエンジョイできるし、ゆっくりじっくりフェスを味わいたい私みたいな大人世代やリアルキッズ世代は、こういったスペース、ステージでものんびりエンジョイできるのは誠に有り難い。出演者のKenKenも普通に友人たちと談笑していて、その場に自然に馴染んでいる。

特に2019年訪れた際には、360度観客が囲めて四方にスピーカーが設置されたステージに驚嘆させられた。現在は普通のステージ形式だが、メインステージなどの本格ステージではないのに、有り得ない音の良さはずっと健在。去年はPAスペースがある2階建ての櫓に目を丸くさせられたのだが、今年はなんと3階建てで、音響設備もパワーアップしているという。で、見た目は完全に立派な城……。去年、吉田龍太氏に挨拶する機会があり、今年も挨拶をすると、その城へと案内をしてくれた。最上階からの景色が四方どれも素晴らしく、SUN STAGEなどのステージや綺麗なお月様まで眺められる絶景。全てを自分たちの手で設営しているということだが、『RSR』の基本理念「Do It Yourself ~自分のことは自分で~」そのもの。

撮影=編集部

撮影=編集部

さて、そんなPROVOには去年の特別企画「WEEKEND LOVERS 2024 “with You”」にも出演していた地元北海道出身の中野ミホが立っている。同郷で同世代の元爆弾ジョニーのロマンチック安田が鍵盤を弾いている。道民手作りのステージで道民がライブをしている姿には胸を打つものがある。ライブが始まる前に中野と安田にとっては、北海道バンド大先輩のbloodthirsty butchers「7月/July」が流れていたのもたまらなかった。夜には同じ北海道出身で20代のLAUSBUBも出演するなど、地元北海道のバトンは繋がっている。

撮影=SPICE編集部

撮影=SPICE編集部

greentopeでも、中野と安田の少し年下になるNOT WONK・加藤修平がSADFRANK名義として弾き語りをするというので移動する。北海道出身者のライブが続く。greentopeも北海道の自然の匂いに包まれた落ち着く空間。フード・お酒・コーヒーから雑貨からワークショップ・ライブペインティング・ライブ・DJなどが楽しめる。大人は椅子に座りお酒を呑みながら楽しみ、子供たちはブランコなどの遊具で遊んでいる。牧草で作られた大きな俵型のロールには、老若男女問わず登ってくつろいでいる。PROVOと同じ雰囲気を持ちながらも、また違う自由な場所。加藤はCarole King「So Far Away」や同郷の大大大先輩である中島みゆき「悪女」などを歌う。今年は例年以上に暑かったが、涼しげに過ごせた時間帯であった。

撮影=SPICE編集部

撮影=SPICE編集部

SADFRANK ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=山下恭子)

SADFRANK ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=山下恭子)

『RSR』は初日も深夜1:00過ぎまでライブがあり、2日目はオールナイトでもあるからこそ、まったりくつろいで落ち着ける俗に言うチルアウトができる場所も重要になってくる。色鮮やかなデコレーションやアートが楽しめ、夜になるとライトアップが美しいチルアウトスペースがあるのも『RSR』の良きところ。そんなコンパクトステージからメインステージまで、全ての世代の要望に応えられるのは、やはり広大な北海道の大地で展開される『RSR』だからこそである。

マカロニえんぴつ ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=かわどう)

マカロニえんぴつ ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=かわどう)

17:30・SUN STAGE。一昨年の大トリを務めたマカロニえんぴつ。ボーカルはっとりは「oasis」とデザインされた真っ赤なTシャツを着ている。よくよく考えてみれば登場SEはThe Beatlesで、紛れもない正統派ブリティッシュロックの後継者じゃないかと、ひとり膝を打つ。そして、何よりも威風堂々としていたが、「気持ちが変わるキッカケになった」と一昨年の大トリについて話していたように、『RSR』大トリの経験は本当に大きかったのだろう。マカロニえんぴつは若き新世代も大トリを務められるということを証明してくれたように思う。

向井秀徳アコースティック&エレクトリック ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=山下聡一朗)

向井秀徳アコースティック&エレクトリック ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=山下聡一朗)

若き新世代が台頭する中、1999年の初年度から出演し続ける者が毎年多く出演するのも『RSR』の凄みであり核心を突く点でもある。当時、ナンバーガールで出演した向井秀徳は、17:50・BOHEMIAN GARDENに登場。舞台でビールを呑むだけでも沸くほどの実力派大物になっているにも関わらず、「主催者WESSに成り代わりまして御礼を申し上げます」と観客に感謝したり、そのWESS自体にも「WESSの皆様、呼んで頂きありがとうございます」と感謝したりと、その丁寧謙虚な姿勢も素敵すぎる。

©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=山下聡一朗)

©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=山下聡一朗)

19:00・RED STAR FIELD。『RSR』27年目25回目の歴史をも超える45周年を迎えた日本ロック界の宝である佐野元春が佐野元春 & THE COYOTE BANDとして舞台に上がる。出演者のキャリアの振れ幅にも目を見張るし、実力さえあれば誰でも舞台へと上がるチャンスがあるのも『RSR』の格好良いところ。観客も待ち切れないのがハンドクラップで、今か今かと佐野の登場を待ちわびる。2019年に4年ぶりの2回目だったはずが、台風で出演キャンセルとなり、今年10年ぶりに2回目の登場を果たす。「みんなでロックしよ!」の言葉通りロックを体感させてくれるが、終盤、何気なく、こう切り出した。

「そう言えば、今日は終戦記念日です。今もどこかで戦争が起こっています」

佐野元春 & THE COYOTE BAND ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=堤 瑛史)

佐野元春 & THE COYOTE BAND ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=堤 瑛史)

誰かが誰かの権利を勝手に侵害しないようにと言葉を添えて、「良ければ一緒に歌って下さい!」と大名曲「SOMEDAY」へ。強いメッセージを踏まえた上なのに軽やかに歌う姿には痺れるしかない……。それも東京スカパラダイスオーケストラのスカパラホーンズこと北原雅彦・NARGO・GAMO・谷中敦と共に鳴らされるのだから、もう無上の幸せである。極めつけはファンファーレのように高らかに始まりを告げて始まった「約束の橋」。ただただ歌の力に圧倒されて涙が滲む。「君は行く」と歌われた瞬間の肯定感は衝撃的すぎた。ラストナンバーはデビュー曲でもある「アンジェリーナ」。今思い出しても、この3曲畳みかけは凄すぎた、圧巻のライブ……。とんでもない大御所の凄みに魅せつけられた時間。

©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=堤 瑛史)

©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=堤 瑛史)

9mm Parabellum Bullet ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=藤川正典)

9mm Parabellum Bullet ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=藤川正典)

佐野が終わり、RED STAR FIELDから歩いているとEARTH TENTから 9mm Parabellum Bulletの歌が耳に飛び込んでくる。昨年は空港トラブルにより、現地には着いたものの時間が間に合わずライブはキャンセルに……。2019年も台風による出演キャンセルがあったので、2度の雪辱を果たす気合いの音が轟きまくっている。どの方向へと移動していても聴こえたくらいに強烈であった。その頃、PROVOからはテクノサウンドが聴こえてきていたが、他のフェスならば音被りという言葉でマイナスに受け止められることもあるはずなのに、ここ『RSR』では、どこからも音が聴こえてくる祝祭という風に心から思える。これも自然の大地ならではの現象なのか。『RSR』のとてつもない魅力である。

山中さわお ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=山下恭子)

山中さわお ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=山下恭子)

20:20・def garage。今年頭にthe pillowsを解散したばかりなので、勝手に緊張感を持って、山中さわおのライブへと向かったが、何も気にすることがない硬派でストロングスタイルなロックライブ。山中さわお名義ながらも一緒に演奏するバンドに名前をつけるあたりは、今観てきたばかりの佐野元春を彷彿とさせたし、硬派でストロングスタイルなロックということ自体も佐野元春を彷彿とさせる。考えてみれば山中は佐野を敬愛しているのだから、そう思うのも当たり前である。解散直後なので『RSR』から呼んでもらえないと思っていたと打ち明け、北海道のバンドマンたちが集う特別企画「EZOIST」に呼びたいからソロとしても呼ばれたと自虐ジョーク的に話していたが、言うまでもないが、ソロも素晴らしいから呼ばれたことがよくわかるライブであった。来年以降も呼んでもらうため云々とも話していたが、そんなことは何の心配もいらないライブ。the pillows時代の代表曲「Funny Bunny」とかはやらないとも告げた上での「俺たち音楽を真剣に、いい曲をやるから仲良くしてくれよ」という言葉も潔かった。

くるり ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=大峡典人)

くるり ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=大峡典人)

そのままRED STAR FIELDへと戻り、くるり。サウンドチェックから「潮風のアリア」が聴けて、本編は「California Coconuts」から「琥珀色の街、上海蟹の朝」で始まるというのも珠玉でしかなかったのだが、何が最高かって、その観客の多さという集まり具合。良い表現には多くの人が集まることを信じているが、フェスでは真裏で他のアーティストと重なることもあるので簡単なことではない。そんなことを考えた時に不意を突かれたように鳴り響いたのが「惑星づくり」。フェスで初めて観る可能性もある観客のことを考えると、代表曲・人気曲で手堅くいくこともできる中、25年前に発表されたエレクトロニカインストナンバーは攻めすぎていて、嬉しすぎてクラクラときた。

でも、そんなのはこっちの勝手な感想であり、実際は、ただ自分たちがやりたいから、ただ観客に聴かしたいからに過ぎないわけで。それは聴くと直感で伝わったし、何よりも気持ち良すぎて踊れた。昔からフェスに関しては、大自然で心身を委ねるのみを理想的に思っていたが、そんな理想の音が現代で鳴らされていて、踊れているのは理想中の理想でしかなかった。そこから「ワールズエンド・スーパーノヴァ」へと繋ぐ流れは卒倒しそうになった……。心身も脳も全てがとろけそうになりながら、ゆっくりと揺れながら踊るのみ。これぞ真のチルアウトダンスミュージック……。とどめは「Liberty&Gravity」からの「ワンダーフォーゲル」。「ワンダーフォーゲル」はエレクトロニカ要素もあるが、何よりもポップでアップテンポナンバーなだけに、一段と心身と脳を解放して楽しく踊れる。〆はシンプルにグッドメロディーなスローナンバー「奇跡」。興奮しきっていたところを、そっと包み込んでくれた……。

LOSALIOS ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=山下聡一朗)

LOSALIOS ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=山下聡一朗)

21:30過ぎ・BOHEMIAN GARDENのLOSALIOS 。ドラマーの中村達也が率いて、メンバーは TOKIE(Ba)・堀江博久(Key.Gt)・加藤隆志(Gt)・會田茂一(Gt)という凄腕しか在籍していないドエライ集団である。中村達也はBLANKEY JET CITYで初年度から出演しているが、ずっとキレキレのドエライ激しいドラムを叩き続けている。インストであり、この面子がずっとドカドカうるさいロックをクールに鳴らしまくっているだけで、ずっと永遠に踊りながら聴き続けられる。秋には北関東ツアーといういかしたスケジュールを切り、現在22年ぶりのフルアルバムを制作中とのことで、未発表曲も鳴らされたが、やはり凶暴な音であり、格好良いという言葉しか出ない。

ラストはスカパラからNARGOが登場して、トランペットを吹き鳴らす。超絶であり壮絶なセッションであり、前述のくるりインストナンバーでも感じたが、観る側としては音に没頭できる幸せでしかない。硬派とかストロングスタイルとかといった言葉を使う度に、どういう意味合いだろうと自分でも考え直すが、無駄なものが削ぎ落されて格好良いものでしか成立してないということなのだろうなと想い直している。

©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=山下聡一朗)

©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=山下聡一朗)

そうそう21:00からはSUPER BEAVERがSUN STAGEの初日のトリを務めた。私は行けなかったのだが、じっくりと最初から最後まで観れたSPICE編集者に話をゆっくり聞いてみた。

「数多のロックバンドの先輩や、数多のロックバンドの後輩。今日1日お疲れ様でした。あなたたちじゃできないポップミュージックをやらせていただきます。よろしくどうぞ!」という、渋谷龍太(Vo)の言葉が特に印象に残ったという。2022年の同じくSUN STAGEで初日トップバッターを務めた時、WESS若林氏から「『RISING SUN ROCK FESTIVAL』というくらいなので、このロックバンドから!」と紹介されたのが凄く印象的だった。主催者お墨付きのロックバンドが敢えてポップミュージックと言い切るのには、相当の勇気がいったのではと思う。目の前で観れてなくて、伝言で聞いただけなのに相当重い言葉であった。フェスは祭でありながら戦だと思い込んでいる私みたいな人間は、目の前で観れなかったのは大変申し訳なく思いつつ、戦に対しての本気の覚悟は尋常じゃなく感じ取れた。

SUPER-BEAVER ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=堤 瑛史)

SUPER-BEAVER ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=堤 瑛史)

「20年もオンステージしてきたバンドマンがあろうことか、持ち時間を5分も余らせてしまった……」のこの言葉には笑いが起こっていたみたいだが、急遽1曲増やし、その前にはコンプライアンスの厳しい御時世でも何故中指を立て続けるのかということを、観客に愛を持って語ったという。ポップミュージックと言い切りながらも、カウンターカルチャーの精神を持ち続けて戦っているということも伝わってきた。基本5つもステージがあると全部を観ることは物理的に不可能である。でも、心に訴えかけるライブであれば、誰かを通じて、絶対に伝播する。ネットやSNSも使い方によっては悲惨でしかないが、心根の方向性さえ調整できるならば、それは感激へと真逆に変えることができる。目で観ることが一番良いに決まっているが、心で感じることも秀でていることに変わりないと思わせてくれた。

FRIDAY NIGHT SESSION 2025 ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

FRIDAY NIGHT SESSION 2025 ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

23:00。本日最後のRED STAR FIELD。FRIDAY NIGHT SESSION「ギターとTシャツと祭」。モトネタがあるっちゃあるタイトルながら、モトネタを逸脱しまくりの愉快なタイトル。出演は奥田民生・伊藤大地・鈴木正人、ゲストで岸田繁(くるり)・はっとり(マカロニえんぴつ)・後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)・喜多建介(ASIAN KUNG-FU GENERATION)・渡辺シュンスケと事前に発表されていた。いざ始まると舞台には白衣を着た奥田・岸田・伊藤という3人の姿。つまりはカイ・ギョーイ(奥田)・ジューイ・ラモーン(岸田)・ケン・シューイ(伊藤)ことサンフジンズ。RED STAR FIELDに向かうまでに歩いていると、「サンフジンズやらないのかな!? 3人いるんだからやって欲しいよね!」なんていう観客の声が聞こえてきて、確かにそうだけど、さすがにやらないわなと思っていたら、まさかのサンフジンズ! 民生いわく「すみません。誰も求めてないでしょ?」とのことだが、求めまくられているし、岸田に至っては「(サンフジンズは)書いてなかったんですか?」とのんびりしていたが、事前にアナウンスされていなかったから観客全員が喜んでいるわけで。「いい曲いっぱいあるんで!」と民生も言っていたが、1曲目「さっさっサンフジンズ」 が鳴った時の観客大喜び具合は凄かったし、「じょじょ」まで聴けて大満足。2曲終えて白衣を脱ぎ、鈴木が入り鍵盤を弾き、「ばらの花」へ。セッション企画とはいえ初っ端から贅沢すぎるでしょ。で、民生が抜け、はっとり・渡辺が入り、岸田が「めっちゃ難しい」と思わずボヤいたのは、CMソングでもお馴染みグッドメロディーでしかないマカロニえんぴつ「poole」へ。

FRIDAY NIGHT SESSION 2025 ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

FRIDAY NIGHT SESSION 2025 ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

岸田・ワタナベが抜け、はっとりはホストとなり緊張しまくりだが、後藤と喜多を呼び込む。はっとり本日のトレードマークである「oasis」とデザインされたTシャツに合わせ、後藤はリアム・ギャラガーっぽいジャケットを羽織り、リアム的に後ろで手を組み傾きながらのマカロニえんぴつ「ペパーミント」。そして、「さっきあっちで歌ってきたばかり。何回やるんだ! やれと言われたらやりますよ。アジカンでわりと歌えるやつ。消したりリライトするやつ」と敢えて雑に説明する後藤だったが、観客は何回聴いても嬉しそうだった「リライト」。はっとりが去り、後藤は憧れで本も学生時代に買っていたという民生を呼び込む。引き続きアジカンナンバー「君という花」へ。民生が歌う貴重な場面を拝みながら、続いては、はっとり・渡辺と予定には無かったらしい岸田も参加して、「愛のために」→「イージュー★ライダー」とたまらない流れ。いつも通りのらりくらりと話す民生だが、ちゃんと大事なことをさらっと言うのもニクイところで。

FRIDAY NIGHT SESSION 2025 ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

FRIDAY NIGHT SESSION 2025 ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

「今日は全員トリをやった人たちなんだって」

あっほんまやと改めてラインナップを見直すが、確かに2001年度の民生を始めとして大トリをやった人ばかり。最新で大トリを務めたのは2023年度のマカロニということで、ちょっとした『RSR』の年表を目撃していることになる。

「こういうセットを作ってくれるとこも『ライジング』のいいとこ」

こっちが思っていることを、ちゃんと口にしてくれる民生。本当におっしゃる通りです。こんないいことを言いながら、照れ隠しなのか、本当に帰りたいのか(笑)、「バババっとやって、バババっと飯食って帰りますから!」なんて言うのも茶目っ気があって良い。ラストくるり「ロックンロール」で舞台袖にはけるも、アンコールが起きる前に出てきて、アンコールへ! 

FRIDAY NIGHT SESSION 2025 ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

FRIDAY NIGHT SESSION 2025 ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

2019年の『RSR』で出張レコーディング企画として楽屋に特設されたレコーディングブースで制作されて、観客の前で初披露された「ライジングサン」。まさにタイトル通り『RSR』主題歌みたいなナンバーでアンコールを〆る。大トリ経験者であるBRAHMANのTOSHI-LOWが最後の最後にゲストで登場もした。

FRIDAY NIGHT SESSION 2025 ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

FRIDAY NIGHT SESSION 2025 ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

FRIDAY NIGHT SESSION 2025 ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

FRIDAY NIGHT SESSION 2025 ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

ちなみにBRAHMANとしての出番は、翌日深夜2:00すなわち翌々日明け方2:00というハードな時間帯。本日もRED STAR FIELDの『RSR』オフィシャルカフェ「RED STAR CAFE」における深夜営業スナック「レッドスター」(ママはモリマン&まちゃまちゃ・マスターは怒髪天の坂詰克彦)で歌ってきたばかりのTOSHI-LOW。加藤鷹がユニコーン「大迷惑」を歌っていたというプチ情報も教えてくれたが、てか、普通のフェスライブレポートでは登場しない面子を書いているが、伝説のAV男優も出演するなんて『RSR』自体が伝説じゃないかと思った深夜1:00頃。まだまだ今年の伝説は続く。

FRIDAY NIGHT SESSION 2025 ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

FRIDAY NIGHT SESSION 2025 ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

24:10、本日最後のBOHEMIAN GARDENにて、特別企画「EZOIST」。北海道出身バンドマンが北海道出身ミュージシャンの楽曲のみを歌うというトンデモ企画だが、なんせタイトルが良い。エゴイストならぬエゾイストって。思いついた人は天才です。今年は12年ぶりの復活であり、若手ボーカリストを迎えるのが見所ということ。

EZOIST ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

EZOIST ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

で、メンバーは、増子直純(Vo/怒髪天)・山中さわお(Vo.Gt)・ワタナベシンゴ(Vo.Gt/THE BOYS&GIRLS)・中野ミホ(Vo.Gt)・加藤修平(Vo.Gt/NOT WONK・SADFRANK)・吉田崇展(Vo.Gt/ズーカラデル)・上原子友康(Gt/怒髪天)・JIRO(Ba/GLAY)・坂詰克彦(Dr/怒髪天)・高野勲(Key)と、これでもかとばかりに北海道100%な面子。

EZOIST ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

EZOIST ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

細川たかし「北酒場」から始まったらしいが、こちらはRED STAR FIELD「FRIDAY NIGHT SESSION」から向かう道中で、怒髪天「オトナノススメ」を熱唱するシンゴの声を聴きながら必死に早足で移動する。サカナクション「新宝島」終わりに、増子が山口一郎にメールで今回の報告をしたという話になり、来年は出るのか?!的な流れにもなったが、そう考えると誠に夢のある企画である。

「私、the pillowsを解散して、恥ずかしながらRISING SUNに戻って参りました!」

自身のライブでは少し緊張感もあったが、気心知れた同郷仲間に囲まれてホッとするのか、こんな挨拶を繰り出したのは山中。その上で「物凄い勇気を出して、まさかのJIROのいるとこでGLAY歌います!」と「BELOVED」へ。ファンとしては楽しそうな山中を観れるのが一番であり、一晩の内に本人と企画とで2回もライブを観れるのも幸せである。

EZOIST ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

EZOIST ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

増子が本来の首謀者であるクハラカズユキ(Dr/The BIRTHDAY)が、大阪出身のシンガー・うつみようこの還暦祝いライブで欠席を説明したりするが、わかってはいたけれども本当に北海道出身者が集う企画なのだなと噛み締める。山中は札幌で約50年の歴史があり、中島みゆきが曲にしたことでも知られるコーヒーハウス ミルク&STUDIO MILKについて中野と話していく。ある程度は全国各地のカルチャー聖地について知っているつもりだったが、恥ずかしながら知らなかったため、興味津々で話を聞く。北海道出身で音楽を志す者ならば誰もが通る登竜門であるようであり、その流れから中島みゆき「ファイト」が山中と中野で歌われる。余談ではあるが、札幌駅へと向かう帰りしなの車の窓から「コーヒーハウスミルク」の看板が偶然にも観られたのはラッキーでしかなかった。次は必ず聖地巡礼をしたい。

EZOIST ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

EZOIST ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

中野が歌う大黒摩季「ら・ら・ら」と宴は続くが、本当に今は深夜1:00前なのか驚愕するほど人が多い。「EZOIST」Tシャツを着ている人もとても多かった。こんな深夜に、それも素晴らしいとはいえ、あくまで企画物に、ここまで多くの人が集まるというのは、「FRIDAY NIGHT SESSION」でも感じたが、観客たちが『RSR』の本気の遊び心をくみ取っているからだろう。それは、この後の増子の言葉にも通じるものがあった。加藤を呼び込んで、こう言った。

「今年のテーマは継承だから。(ドラマの)『北の国』みたい!」

伝えたいと思うことは丁寧に継承していかないといけない。伝説だって、すぐに伝説になったわけじゃなく、言葉の通り人から人へと伝え説かれていったから伝説になったわけで。『RSR』は主催者が、出演者が、その丁寧な継承を伝え説き続けているから、他のフェスとは一味も二味も違う独自性・オリジナリティーを持っているのだ。そう強く思えたのは、加藤がギターを弾き歌う曲がbloodthirsty butchers「JACK NICOLSON」と増子から発表された時。冗談交じりに「お盆だから、そのへんにいるかも! 見かけたら、もう1回殺して下さい!」なんて増子は笑っていたが、ブッチャーズの吉村秀樹は12年前に亡くなっている。『RSR』にも初年度から出演していた日本ロック界における大切な人。

EZOIST ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

EZOIST ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

「吉村さんはじめまして、聴いておられましたでしょうか。『ライジングサン』で怒髪天とJack Nicholsonをやった!」

翌日、加藤はXにこう投稿した。増子も「ブッチャーズの再来かと思った……。鼓膜破れるかと…!」と舞台上で感想を伝えていたが、吉村でしか鳴らせないギターの歪みを、確かに加藤は継承していた。観れて良かった……と、心からそう思う。加藤は玉置浩二「メロディー」も歌い、舞台上には吉田が上がる。

「いい曲演奏させて下さい! eastern youth「夏の日の午後」!」

bloodthirsty butchersとeastern youthを同郷の後輩・NOT WONKとズーカラデルが継承として演奏して歌う。こんな美しい継承があるだろうか。1998年の曲だが、当時まだ生まれてなかったはずのロックキッズたちが歌って踊っている。1998年に青春時代を過ごしていた私たちの世代は、butchers「JACK NICOLSON」の時から涙目のまま……。

EZOIST ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

EZOIST ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

山中は吉田に「eastern youthとthe pillowsどっちが人気あった?」的なことを子供のように話しかけていたが、eastern youthの吉野寿と同じ1968年生まれで18歳の頃から知り合いだから言える台詞であり、ほんの4時間前には「やらない」と断言していたthe pillows「FUNNY BUNNY」を吉田と共に歌ったことには感涙。しつこく曲中も「eastern youthより人気ある!」と悪ガキみたいに言い張っていたが、怒髪天・bloodthirsty butchers・eastern youth、そしてもちろんthe pillowsを1990年代に我々は聴いたことで、北海道ロックンロールバンドが凄まじいことを体感ができたし、その魂を2025年現在の若き北海道ロックンロールバンドが継承して歌い続けている。

EZOIST ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

EZOIST ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

「いい曲だね。これが北海道の財産になって代々受け継がれていく」

増子も「FUNNY BUNNY」終わりに、そう言った。モーニング娘。を例えに出してEZOISTを受け継いでいくという説明は御愛嬌だとしても、私のような関西の人間にとっても北海道ロックンロールバンドは宝物なので、この夜を本当に観られて良かった。

最後は増子が御本人の前でモノマネまじりに歌ったことがあるという松山千春「長い夜」。増子のモノマネを堪能しながら深夜1:00を迎える頃、初日という大宴は終わりを告げた。 宿に戻った頃には深夜2:30を過ぎていたが、興奮でなかなか寝付けなかった。

EZOIST ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

EZOIST ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

EZOIST ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=原田直樹)

EZOIST ©️RISING SUN ROCK FESTIVAL(撮影=原田直樹)

2日目へつづく。

シェア / 保存先を選択