「最高でした!」UNISON SQUARE GARDENツアー、NHKホールで終了

レポート
音楽
2016.2.1
UNISON SQUARE GARDEN(撮影:堀田芳香)

UNISON SQUARE GARDEN(撮影:堀田芳香)

UNISON SQUARE GARDENの全国ツアー「UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2015-2016『プログラムcontinued』」のファイナル公演が、1月28日に東京・NHKホールにて行われた。

昨年11月2日の岡山・CRAZYMAMA KINGDOM公演でスタートしたこのツアーでは全25公演が実施された。すべての公演のがソールドアウトし、最終日のNHKホールにも満員のオーディエンスが詰めかけた。

大きな拍手に迎えられて斎藤宏介(Vo, G)、田淵智也(B)、鈴木貴雄(Dr)の3人がステージに登場し、最初に披露したのは斎藤のアカペラから始まる「さわれない歌」。ホールに温かな空気が満ちていき、観客は心地よさそうに身体を揺らす。そして「ようこそ!」という斎藤の挨拶から「kid, I like quartet」「コーヒーカップシンドローム」へ。アッパーなサウンドに乗せて場内のテンションも急上昇する。続く「天国と地獄」ではイントロから田淵がステージ狭しと暴れ回り、オーディエンスから大歓声を浴びていた。

満員の客席を見渡しながら斎藤は「楽しいー! NHKホールいいですね!」と笑顔を浮かべ、「多くは語りません。自分だけの場所を有効に使って、自由に楽しんでください」と呼びかける。優しくも切ない世界を作り上げた「きみのもとへ」「流星のスコール」に続き、斎藤の「新曲を持ってきました」という言葉のあとに未発表の新曲が披露された。この曲は前半では畳み掛けるようなボーカルと複雑な展開が繰り広げられ、後半は爽快なサウンドへと変化していくアッパーチューン。彼らのさらなる進化を感じさせるナンバーで観客を魅了した。

キラーチューン「桜のあと (all quartets lead to the?)」に続く「オリオンをなぞる」では田淵、斎藤、鈴木がそれぞれソロ演奏を披露して会場を盛り上げる。その後のMCでは、斎藤が前回NHKホールでワンマンライブを開催した3年前を振り返った。DVD化されたこのライブの映像をチェックした際、最初のほうに泣きそうな顔で耳をふさいでいた幼い女の子が映っていたと語った斎藤。「そのときは微笑ましい気持ちで見たんだけど、次にそのあたりの客席が映ったらその子と隣にいたお母さんの席が空席になってて(笑)。結局最後までいなかったんですよ。よっぽど音がうるさかったのか、田淵がトラウマになるぐらい怖かったのか……」と申し訳なさそうに話し、オーディエンスの爆笑を誘っていた。

「どうしても音がうるさいという人は、ミュージシャン用の音を小さくする耳栓を売っているのでそれを買ってもらえれば。音楽の楽しみ方は人それぞれですし、僕らは音が小さくなってもつまんなくなるバンドじゃないですから」という斎藤の言葉に場内から喝采が起こったあと、ライブは後半戦へ。田淵のベースリフが独特の空気を生み出す「チャイルドフッド・スーパーノヴァ」、オレンジの照明の中で演奏された「夕凪、アンサンブル」と、幅広い楽曲が披露される。「シャンデリア・ワルツ」では斎藤がステージ前方に進み出てイントロのギターを奏で、サビの華やかなサウンドに乗せて観客が一斉にジャンプを繰り返した。

鈴木のドラムソロが会場に響いたあとは「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」へ。鈴木が刻むダンサブルなリズムと田淵が激しく脚を振り上げながら奏でるベース、斎藤のエモーショナルなボーカルとギターが場内の熱気を最高潮へと導く。さらに「シュガーソングとビターステップ」が披露され、軽快なサウンドに乗せてオーディエンスは笑顔で身体を揺らしていた。「場違いハミングバード」が熱く激しくパフォーマンスされたあと、本編最後を飾った曲はツアータイトルにもなっている「プログラムcontinued」。演奏を終えると斎藤は「また会いましょう!」と挨拶し、田淵と鈴木とともにステージを去っていった。

アンコールの声に応えて再びステージに現れた3人は、最初に「黄昏インザスパイ」を演奏。柔らかくも力強く響く3人のアンサンブルが、歌詞のメッセージをオーディエンスに届けていった。曲が終わると斎藤は「11月頭からずっとツアーが続いていて、今日でファイナルです。全国各地でしょうもないことをしゃべってしょうもないことをやってきたけど……(笑)」とツアーを振り返る。そして「UNISON SQUARE GARDENのライブは極力余計なことはやらない、いい曲をいい演奏でみんなの目の届くところでやるだけのライブなので。これからもまた飽きもせずやっていくと思うので、こんな感じでよければまた遊びに来てください」と呼びかけ、オーディエンスから拍手を浴びた。

最後は「箱庭ロック・ショー」と「ガリレオのショーケース」を連続で披露し、場内のテンションを再び急上昇させる。熱狂のうちにアンコールが終了すると、斎藤は「最高でした! バイバイ!」と笑顔で感謝を述べ、田淵と鈴木もそれぞれ客席に手を振り、ツアーファイナルのステージを後にした。

ツアーを終えたUNISON SQUARE GARDENは、3月に3本のライブイベントに出演。5月29日には埼玉・さいたまスーパーアリーナにて開催されるロックフェス「VIVA LA ROCK 2016」に出演する。

UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2015-2016「プログラムcontinued」
2016年1月28日 NHKホール セットリスト

01. さわれない歌
02. kid, I like quartet
03. コーヒーカップシンドローム
04. 天国と地獄
05. きみのもとへ
06. 流星のスコール
07. 新曲
08. シューゲイザースピーカー
09. 桜のあと (all quartets lead to the?)
10. オリオンをなぞる
11. チャイルドフッド・スーパーノヴァ
12. 夕凪、アンサンブル
13. 誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと
14. シャンデリア・ワルツ
15. 新曲
16. 徹頭徹尾夜な夜なドライブ
17. シュガーソングとビターステップ
18. 場違いハミングバード
19. プログラムcontinued
<アンコール>
20. 黄昏インザスパイ
21. 箱庭ロック・ショー
22. ガリレオのショーケース

音楽ナタリー
シェア / 保存先を選択