南青山・千駄ヶ谷エリアで23組の作家による企画展開催

ニュース
アート
2016.2.6


栃木県益子市と茨城県笠間市に住む、陶芸など23組の作家の作品を展示する企画展「Trace of Hands(トレース・オブ・ハンズ)」が2月7日(日)まで開催される。同展は、東京・南青山から千駄ヶ谷にかけて点在する5つの店舗で同時に行うというもの。開催の経緯や器選びの魅力について、参加作家の1人である笠間市在住の陶芸家・額賀章夫氏と、会場の「うつわ楓」店主の島田洋子氏に話を聞いた。

■ 数百人の作り手が暮らす益子と笠間

茨城・栃木の県境に近い笠間と益子には、陶芸をはじめ、木工やガラス、鍛冶屋といった、約800人の作家が集まり“手作りの街”とも言えるコミュニティを形成している。

その2つのエリアの作家たちが、合同展示会を開いた理由について額賀氏は「きっかけは2011年の大地震。益子も笠間も家屋や陶器を作る窯が被害に遭いました。普段は個人作業が多い作家たちですが、SNSで震災の情報を共有することで強い連帯感が育ち、同じ年の11月には伊勢丹新宿店で合同展示会『KASAMA∞MASHIKO』を開くまでになりました」と語る。展示会は大きな反響を呼び、2013年には19組の作家が参加する第1回目の「Trace of Hands KASAMA & MASHIKO」へと発展していったという。

「東京の近くに、手仕事で生きている人が多く暮らす笠間や益子という場所があるということを、皆さんにきちんと知ってもらいたかった。2回目となる今回、展示する作品は価格も手ごろで、日々の暮らしに活用できる実用性の高いものばかり。展示店舗は5軒、参加作家は23組に増えました」と額賀氏。

■ 器選びのコツは“実物に触れること”

第1回の開催に続き会場となった「うつわ楓」の島田洋子氏は器選びについて、「人の手から生み出された作品の魅力は、使い手が直に触れて初めて理解できるもの。知らない陶器店に入るには勇気が必要ですが、実物を見ないことには始まらないので、心に響くものに出会うまでは買わずにゆっくり見学してほしい。この展示会をきっかけに、お気に入りが見つかればうれしい」と話してくれた。

南青山と千駄ヶ谷に点在する5店舗を歩いて回っても2時間程度。会期は7日までとなっているので、散歩がてら作品を手にとってみてはいかがだろうか。【東京ウォーカー/取材・文=杉山元洋】
 

Walkerplus
シェア / 保存先を選択