石丸幹二が応援サポーターに就任、ミュージカル『ヨセフと不思議なテクニカラー・ドリームコート』
石丸幹二
2016年7月13日から24日まで東京・東急シアターオーブで上演されるミュージカル『ヨセフと不思議なテクニカラー・ドリームコート』。 アンドリュー・ロイド=ウェバー(作曲)とティム・ライス(作詞)という二大天才による黄金コンビのデビュー作品を、今ブロードウェイで最も注目を浴びる振付家アンディ・ブランケンビューラーが新たな演出&振付で蘇らせた必見のミュージカルだ。その応援サポーターに、ミュージカルやテレビドラマなどで活躍する俳優・石丸幹二が就任することが決定した。4月12日にメディアに向けた就任イベントが都内でおこなわれた。司会として登場したテレビ朝日の小松靖アナウンサーが、石丸に話を聞くというスタイルでイベントは進められた。
司会: 今日のネクタイの柄は?
石丸: 迷彩柄をカラフルに彩色したものなんです。「不思議なテクニカラー…」という題名にぴったりかと思いまして。
司会: “テクニカラー”という言葉には、あまり馴染みがないのですが…。
石丸: 映画が白黒からカラーになった時に、“テクニカラー”と呼ばれたんですって。
司会: ところで石丸さんは、アンドリュー・ロイド=ウェバー作品でデビューされたんですね。
石丸: そうなんです。『オペラ座の怪人』のラウル子爵という役で舞台にデビューしました。劇団四季に在籍中は、再演するたびにその役を、かなりいい年齢になるまでやってましたね(笑)。ですから、ロイド=ウェバーにはとても馴染みがあるんです。
司会: 石丸さんにとって、ロイド=ウェバーという人はどういう存在ですか。
石丸: 初めて出演したミュージカルの作曲家がロイド=ウェバーだったことは大きいですね。また、『オペラ座の怪人』はクラシックに近い作風でしたので、東京藝大でクラシックを勉強してきた私は、勉強してきたものをすべて使うことができたんです。その意味で、演じる側にとっては歌い甲斐のある曲を書いてくれる人でした。なおかつ、聴いた人の耳に残る音楽を書く作曲家でもありますよね。どの作品でもそうです。見終った帰りに、出口の扉に向かいながら、思わず口づさんでしまう、そんな曲を作る人です。
司会: ロイド=ウェバー作品をやるときは特別な心構えが要りますか。
石丸: 歌い手としては難しいんですよ。テクニックが要求される。音の幅が広い。でもそれを歌いこなせるようになれば、本当に聴きごたえのある歌になるんですよね。だから、歌い手泣かせではあるけれど、聴き手にはとても優しい作曲家だと思います。
司会: 『ヨセフと不思議なテクニカラー・ドリームコート』はご覧になられたことがあるそうですね。
石丸: 1991年、私が初めてロンドンに行った時、ちょうど再演をやっていました。まず、誰が見ても楽しめる作品だと思いました。そして、カラフルなコートをまとったヨセフに対して、他の出演者のコスチュームもけっして負けてはいなかったことに驚かされました。「本物を観たなっ」と思いましたね。
司会: この作品、客席はとても盛り上がるそうですね。
石丸: もともと聖書の話だから、あちらの人たちはよく知っているんです。ファッションを見るという意味でも非常に楽しめますし。
司会: 今回、ダンスの振付も楽しいものになりそうですよね。
石丸: 現在のブロードウェイの最先端技術を駆使しているダンスは、見どころの一つでしょうね。おそらく、客席に坐っている皆さまが立ち上がりたくなるようなショーになるはずです。
司会: 今回の演出・振付が、アンディ・ブランケンビューラーさんという人です。
石丸: 今ブロードウェイで大人気の『ハミルトン』を振付したので、今年のトニー賞(振付賞)を受賞するかもしれないですね。そんな最も旬な人の演出・振付作品を、日本にいながらにして観ることができるというのは本当に貴重です。
司会: 『ヨセフと…』の音楽についてはいかがですか。
石丸: しっとりとしたバラードから、エルヴィス・プレスリーが歌うような曲、さらにカリプソ(カリブ海音楽)風のものまで、まるで音楽の百科事典のように、いろんなジャンルの曲がでてきます。中でも、ぼくが特に好きな曲は、これです(…と“Any Dream Will Do”をスキャット風に口づさむ)。皆さん、きっと劇場から帰るときに、これを歌いたくなると思いますよ。
司会: これはロイド=ウェバーの初期の作品だそうでね。
石丸: そうなんです。ティム・ライスという作詞家と組んで作った、ほぼ一番最初のミュージカル作品ですね。だから、ロイド=ウェバーの原型を見出すことができるんです。ロイド=ウェバーらしさがとても強く感じられる作品といえますね。
司会: 石丸さんご自身の経験の中で、特に思い入れのあるロイド=ウェバーの作品や歌は何ですか。
石丸: 劇団四季時代にやった『アスペクツ・オブ・ラブ』ですね。不倫を描いたミュージカルで、私はアレックス・ディリンガムという青年の役を演じました。「Love Changes Everything」という曲がいいんです(と、口づさむ)
司会: 私も学生の時からミュージカルが好きで、とくに『アスペクツ・オブ・ラブ』は英語のサントラCDをよく聴いていました。その頃は上演されていない時期で舞台は観られなかったのですが、本当に見事な音楽だと感動していました。
石丸: ロイド=ウェバーの作品はドラマに満ち溢れているんです。劇的な題材を選んで作品にしていますね。そして、普遍的な、家族や兄弟の話も扱いますね。『ヨセフと…』もそうです。だから共感を得られるんです。1991年にロンドンで観た時、お客さんも歓声を上げながら一緒になって歌い踊っていた。『ヨセフと…』は参加していい作品、参加型ミュージカルだなと思いました。
司会: 『ヨセフと…』は全編が歌なのですか。
石丸: そうです。オペラのように、歌だけで綴られてゆきます。とにかくユニークな作品なので、日本公演の初日にはぜひ駆け付けたいと思っています。
司会: そんな石丸さんは、この秋、ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』に主演されることが決まりましたね。
石丸: ありがとうございます。こちらは、フランク・ワイルドホーンの作品なのですが、日本では宝塚歌劇団の上演でよく知られています。しかし、男性俳優が入る形では今回が日本では初めてとなります。バロネス・オルツィという作家の書いた「紅はこべ」という小説を原作とするミュージカルで、わたしは(実年齢よりも)少し若い役設定で、パーシー・ブレイクニーという「スカーレット・ピンパーネル」団のリーダーを演じさせていただきます。ぜひ、楽しみにしていてください。
その後、記者たちとの質疑応答があり、「もし『ヨセフと…』に出演できることになったら、どの役を演りたいか」との質問に対して、「そりゃぁヨゼフでしょう」と即答する石丸であった。
■日程:2016年7月13日(水)~24日(日)
■会場:東急シアターオーブ
■作曲:アンドリュー・ロイド=ウェバー
■作詞:ティム・ライス
■演出・振付:アンディ・ブランケンビューラー
■出演:アメリカ・カンパニー ※生演奏/英語上演/日本語字幕付
■特設ページ:http://theatre-orb.com/lineup/16_joseph/top.html