凰稀かなめが宝塚退団後初主演、伝説の美女・虞美人を演じる『花・虞美人』製作発表
(左から)ユナク(超新星)、岡本貴也、凰稀かなめ、清水良太郎
宝塚歌劇団宙組6代目トップスター凰稀かなめが退団後初主演を飾るミュージカル『花・虞美人』の製作発表が8月24日(水)都内にて行われた。
本作は、紀元前3世紀、中国の楚漢戦争を舞台に繰り広げられる、岡本貴也完全書き下ろしのオリジナル作品。劉邦と項羽の男の戦いには偉大なる女・虞姫(ぐき)の存在があり、虞姫との別れ、恨み、愛を惜しみなく描く物語となっている。
会見には、主人公虞姫を演じる凰稀のほか、劉邦(りゅうほう)を演じるユナク(超新星)、項羽(こうう)を演じる清水良太郎、さらに岡田亮輔(樊噌/はんかい)、石橋直也(韓信/かんしん)、小野健斗(懐王/かいおう)、そして作・演出の岡本が顔を揃えた。
「虞姫(ぐき)は歴史上で一行出てくるかどうかという謎の美女。その美女を現代によみがえらせ、心の葛藤を見せる、どストレートなミュージカルを作りたい。中国の歴史を韓国のキャストと共に日本で上演する――アジアのパワーを持った良いミュージカルになれば」と意気込む岡本。凰稀が演じる虞姫について、「生きることに執念を燃やすキャラクターにしたい。女性らしい中での生き様、力強さを演じていただきたい」と語る。
岡本貴也
この言葉を受けて凰稀は、「虞姫の資料が全くないので、作品の中でどう生きていこうか、脚本ができてから(岡本)先生とぶつかり合いながら虞姫を作っていきたい」と答えていた。
凰稀かなめ
清水は自身が演じる項羽について「モノマネするのが得意なので、いろいろな資料を見ながら盗んでいけたらと思います」と語りつつも、ふと会見場の雰囲気を察し、「どうも僕がマイクを持つとモノマネをするんじゃないか、と思われがちですが、今日は控えます」と笑わせていた。
清水良太郎
小野は「懐王は頼りがいのない王というイメージが強い。僕は華奢なのでぴったりかも。所作は勉強して臨みたい」、岡田は「樊噌は、親友として劉邦のことをわかっていると思う。これからどう生きなきゃいけないのかを何も言わなくても感じられるようになれたら」と役どころについて想いを述べ、今年春上演されたスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』でトニートニーチョッパーを演じ大好評だった石橋は、「軍師と言われたら、風林火山の山本勘助を想いだす。時代劇で得た所作などを使って演じていけたら。そしてミュージカルですけど、歌さえなければ…」と苦しそうに言葉にすると、「ない訳ないじゃないですか!」と岡本に返され、苦笑していた。
小野健斗、岡田亮輔
小野健斗、岡田亮輔
石橋直也
項羽と劉邦といえば、三国志の物語、そして数々の合戦が繰り広げられるイメージがあるが、本作の中でも「(合戦シーンを)やらない訳にはいかないじゃないですか!」と岡本。石橋は「おそらくこの時代ですと、両刃の直刀だと思うので、侍の所作とは違ってくる、武道に近い身のこなしになるんじゃないかなと思う」とコメント。それを聴いていた清水が「石橋さんが何を言っているかさっぱりわからない(笑)。殺陣とか得意でないんですが、さっき石橋さんが『歌さえなければ…』とおっしゃっていましたが、僕は『殺陣がなければ…』ってことにはなりませんか?」と助けを求めると「(名将・項羽なのに殺陣が)ない訳ないじゃないですか!」とあっさり岡本に返され、「人一倍、練習しようと思います」としぶしぶ目標を立てていた。
凰稀かなめ、清水良太郎
また、ユナクも「(殺陣は)ちょっと自信はないけど、昔、剣道をやっていたし、今ボクシングもやっているので…上半身は大丈夫だけど、下半身が動かない」と独特な視点で答えると思わず共演者たちから笑いが起きていた。
ユナク(超新星)
そんな男性陣のやりとりをずっと眺めていた凰稀は「宝塚時代には和物から洋物まで、剣も槍もすべて、たくさんの立ち回りをやってきましたけど…虞姫に立ち回りはあるのでしょうか?(ないですね、と岡本)わかりました!男性陣のカッコイイ立ち回りを楽しみにしています♪」と余裕の笑顔で返していた。
ちなみに衣装について、凰稀が「宝塚だと(衣装の重さが)30~40kgが当たり前だったので今回(ポスター撮影時の)衣装が軽く感じました」と平然と語ると、男性キャストが驚きざわついていた。
凰稀かなめ
もしかしたらこの舞台、いちばん男らしいのは凰稀かもしれない…!?
ミュージカル『花・虞美人』製作発表
ミュージカル『花・虞美人』製作発表
ミュージカル『花・虞美人』製作発表
ミュージカル『花・虞美人』製作発表