新国立劇場オペラ 楽劇『ニーベルングの指環』第1日『ワルキューレ』演出コンセプト説明会レポート【シリーズ『ワルキューレ』#2】
新国立劇場オペラ『ワルキューレ』演出コンセプト説明会
10月2日より開幕する新国立劇場オペラ 楽劇『ニーベルングの指環(通称:リング)』第1日『ワルキューレ』は、故ゲッツ・フリードリヒ氏の演出版で上演されるプロダクションだ。その演出コンセプトを公演の関係者たちと共有するための説明会が、9月5日、新国立劇場リハーサル室で行われた。この説明会には、来日キャストのメイン歌手、ワルキューレたち、カバー歌手が勢ぞろいし、指揮の飯守泰次郎氏も参加。演出監修のアンナ・ケロ氏が舞台写真を貼ったホワイトボードの前に立ち「再び日本で懐かしい顔と再会できて嬉しいです」と、フレンドリーにトークをスタートさせた。
新国立劇場オペラ『ワルキューレ』演出コンセプト説明会
新国立劇場オペラ『ワルキューレ』演出コンセプト説明会
「ゲッツ・フリードリヒ氏が生前に手掛けた『リング4部作』の演出は3つで、今回のヴァージョンは一番最後のものです。前回の序夜『ラインの黄金』の後には何が起こったのでしょうか……これから神々は何をしていくのでしょう。ヴォータンはたくさんの子供たちを作り、娘であるワルキューレたち、ブリュンヒルデが生まれます。そして人間とも交わって、ジークムントとジークリンデが生まれます……」
アンナ・ケロの説明の中には「セックス」という言葉が頻繁に現れ、フリードリヒ版『ワルキューレ』の隠れたキーワードが「性」であることを強く暗示させた。
新国立劇場オペラ『ワルキューレ』演出コンセプト説明会
新国立劇場オペラ『ワルキューレ』演出コンセプト説明会
「一幕に登場する家は傾いていて、何かがおかしいことを表しています。状況としてうまくいっていない……まるでホラーのようです。二幕では、さらに状況は混乱していきます。ここでの舞台の形は、ヴォータンの槍の形を表しています」
舞台装置の説明と、登場人物の心理の変化をユーモア混じりに語るケロ氏。歌手たちの寛いだ笑い声も飛び出した演出のコンセプト説明は30分ほどで終了。その後休憩をはさんで、本格的な稽古がスタートした。
新国立劇場オペラ『ワルキューレ』演出コンセプト説明会
新国立劇場オペラ『ワルキューレ』演出コンセプト説明会
(取材・文:小田島久恵 | 写真&動画撮影:大野要介)
リヒャルト・ワーグナー 楽劇『ニーベルングの指環』第1日『ワルキューレ』
<新制作>(全3幕/ドイツ語上演/字幕付)
2016年10月02日(日)14:00
2016年10月05日(水)17:00
2016年10月08日(土)14:00
2016年10月12日(水)14:00
2016年10月15日(土)14:00
2016年10月18日(火)17:00
【演出】ゲッツ・フリードリヒ
【美術・衣裳】ゴットフリート・ピルツ
【照明】キンモ・ルスケラ
【フンディング】アルベルト・ペーゼンドルファー
【ヴォータン】グリア・グリムスレイ
【ジークリンデ】ジョゼフィーネ・ウェーバー
【ブリュンヒルデ】イレーネ・テオリン
【フリッカ】エレナ・ツィトコーワ
【ゲルヒルデ】佐藤 路子
【オルトリンデ】増田 のり子
【ヴァルトラウテ】増田 弥生
【シュヴェルトライテ】小野美咲
【ヘルムヴィーゲ】日比野 幸
【ジークルーネ】松浦 麗
【グリムゲルデ】金子 美香
【ロスヴァイセ】田村由貴絵
本公演は、フィンランド国立歌劇場(ヘルシンキ)の協力により上演されます
■公式サイト:http://www.nntt.jac.go.jp/opera/walkure/index.html