V6坂本昌行・長野博・井ノ原快彦が13年ぶりにオリジナル舞台、『TWENTIETH TRIANGLE TOUR 戸惑いの惑星』開幕!ゲネプロレポート

2017.1.22
レポート
舞台

ステージ。2階に設置されている生バンドにもご注目ください!


V6の坂本昌行、長野博、井ノ原快彦によるユニット「20th Century」(以下、トニセン)が主演を務める舞台『TWENTIETH TRIANGLE TOUR 戸惑いの惑星』(作・演出:G2)が、1月21日(土)東京グローブ座にて初日を迎えた。

トニセン3人の舞台共演は、ブロードウェイ・ミュージカル『ON THE TOWN』から2年ぶり、オリジナル作品では『SAY YOU KIDS』からなんと13年ぶりとなる。登場人物はトニセンのみ。演者が3人だけの上演は初めてだという。

画家を目指した三池(坂本)、子ども時代に目にした「奇跡」を研究しようとした由利(長野)、そして作家を目指した長谷川(井ノ原)。世知辛いこの世の中に抗うように「夢」を追い続けていた3人の男たちだったが、終わりのない闘いは、彼らを徐々にすり減らしていく。

三池のイーゼルと画材セット

長谷っちこと、長谷川のベッドにはこんな表示が!

そんなときに突然再会した3人。そこには懐かしいメロディが流れていた。あふれ出した記憶は、3人が心に蓋をしていた様々な想いを呼び起こしながら、大きなうねりとなってほとばしり、やがてそれぞれに大切な一人の人物を浮かび上がらせるのだった…。

初日の日中から同劇場にて行われたゲネプロでは、この舞台のために作られたオリジナル曲『Change your destiny』はじめ、これまでにシングルやアルバムの形でリリースされたトニセンの楽曲がまるでオーダーメイドのように物語の世界感にしっくりハマるものとなっていた。演劇作品における楽曲の使い方が特に上手なG2ならではの心地よさだ。

目の前にすっと現れたトニセンは、雑談のようなやりとりをしながら物語の中に観客を誘い込んでいく。様々な場面が展開されるが、それが「過去」なのか「未来」なのか、3人と共に不思議な時空の狭間を彷徨いながら、思い通りにならない人生や、切り離せない「本当の自分」に気づいていく。「四十にして惑わず」という言葉があるが、むしろ、人はいくつになっても惑わずにはいられないものではないか。そんなことを考えさせられる2時間の旅だった。

何度となく使われる螺旋階段。まるで人生のようです。

さて、ゲネプロ後、劇場内で行われた囲み取材では、「三人だけの舞台は大変」と井ノ原が口火を切る。メンバーが他のキャラクターにも扮する場面が多々あるため、舞台裏は「メイクさんに助けてもらってます」と長野。

この舞台の内容を自分自身の言葉で説明してほしい、というリクエストに対し、坂本は「皆さんが今までに見たことがないであろう舞台」、長野は「あらゆるいろんな要素が組み込まれている舞台」、そして井ノ原は「二人と同じ」と言いつつ、本作ができるきっかけについて話を進めた。「自分たちの曲を使って新しい物語を作る、というのをやりたいと思っていて。一年半前くらいからそういう話をしていた。やっと実現しましたね」と振り返る。

公演のタイトルにある『TWENTIETH TRIANGLE TOUR』略して『TTT』は「困ったときのジャニー喜多川」と、井ノ原が事務所社長・ジャニー氏に考えてもらったとのこと。案をもらえるまでは何度も話をかわされたが、詰め寄った末、ついに「イノッチ、『TTT』だ!」と案を出してもらったという。「『3人のトライアングルで公演を続けていくんだよ。このトライアングルは壊すことなく続けていくって意味だよ』と言われた」そんなジャニー氏について長野が「天才ですね」といえば、坂本は「井ノ原から『TTT』と聴いたときに、やじろべえが三つ並んで支えあっている感じに見えて『ああ、こういうのもいいな』って思いました。嬉しかったですね」と語る。だが「トライアングルを調べたら、一つ1000円くらいなんだよ。お客さんみんなに配っちゃいなよ!」というジャニー氏からの提案は「間に合わないので採用しませんでした」と笑う井ノ原だった。

今回舞台上で金管楽器にも挑戦している3人。坂本はトロンボーン、長野はホルン、井ノ原はフリューゲルホルンを担当する。「一時期、全然音が出なくてノイローゼみたいになっていた」という長野は、「僕、稽古場にホルンを持って行くの忘れて自宅に帰った。戸惑っていましたね」とタイトルにひっかけて苦笑い。ちなみに、三人でどの楽器を担当するか、という際に、「最初、なんとなく奇跡的に音が出た楽器をそのまま自分の担当にしたけど、次の日から全く音が出なくなりました。まだ戸惑っています」と井ノ原。

何かが起きそうなバーカウンター

本作のポスター写真についても話が及ぶ。「ポスター自体から『何やるの?訳わからないんだけど』というものをやりたかった」と語る井ノ原は、「デコルテを出させていただきました。デザイナーさんがもう脱いじゃいましょうって」デコルテだけでなく、鍛え抜かれた上半身を見せたいのでは?という問いには、「できれば下半身も見せたかったんですけど、事務所NGが出ちゃいまして(笑)」と、井ノ原。

先日結婚を発表した長野の話に触れつつ、「坂本くんは寂しいよね?」「戸惑いがあるのは坂本くんだけ?」といった質問が飛ぶと、「誰か!助~けて~!!」とミュージカルで鍛えたよく響く声で叫び、笑いを取る坂本。ひとしきり笑ったあと、「井ノ原が結婚して長野が結婚して…という報告を受けると僕も幸せになります。できればこの幸せを皆さんにも味わっていただけるように僕もがんばり…がんばることか?」と文字通り戸惑いを見せる。なお、結婚の報告を受けるときの坂本は「(マンションの)管理人みたいですね。腕組んで『はいはい、わかりました』って」と井ノ原が表現すると、坂本も「次の理事会にかけます!」と乗っかり、最後には「いいんです。僕には相方がいますから。(TOKIOの)城島茂という相方といつまでも手をつないで」井ノ原「二人で戸惑いながら」坂本「歩いていきます!」と両グループの最年長かつ独身同士の絆を主張していた。

何かが起きるかもしれません!

これまでV6としての活動と並行して、個別に舞台活動も続けてきたトニセン。全員が40代となった今だからこそできる、等身大の物語。これまでにしてきたすべての経験を形に成した舞台は2月14日(火)までの東京公演のあと、福岡、大阪でも上演される。

公演情報

TWENTIETH TRIANGLE TOUR『戸惑いの惑星』

■日程・会場:

【東京】
2017年1月21日(土)~2月14日(火)
東京グローブ座

【福岡】
2017年2月18日(土)、19日(日)
キャナルシティ劇場

【大阪】
2017年2月24日(金)~26日(日)
梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

■作・演出:G2
■出演:坂本昌行、長野博、井ノ原快彦

■公式サイト:http://www.20th-ttt.com/1
※当日券情報あり

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