『ミュシャ展』が3月8日より開幕 17年間を捧げた超大作《スラヴ叙事詩》全20点をまとめて公開

2017.1.24
ニュース
アート

《スラヴ叙事詩「原故郷のスラヴ民族」》 1912年 プラハ市立美術館 ©Prague City Gallery

画像を全て表示(17件)

『ミュシャ展』が、2017年3月8日(水)~ 6月5日(月)にかけて国立新美術館にて開催される。

アルフォンス・ミュシャ(1860-1939)は、アール・ヌーヴォーを代表するチェコ生まれの芸術家。34歳の時に、舞台『ジスモンダ』のポスターを手がけ、以降、優美で装飾的な作風で多くの人を魅了してきた。一方で、ミュシャは故郷チェコや自身のルーツであるスラヴ民族のアイデンティティをテーマにした作品を数多く手掛ける。その集大成が、晩年の17年間を捧げた画家渾身の作品《スラヴ叙事詩》(1911-28年)だ。およそ縦6メートル、横8メートルに及ぶ巨大なカンヴァスに描かれた20点の油彩画は、古代から近代に至るスラヴ民族の苦難と栄光の歴史を映し出す壮大なスペクタクルといえる。

《スラヴ叙事詩「スラヴ式典礼の導入」》 1912年 プラハ市立美術館 ©Prague City Gallery

《スラヴ叙事詩「東ローマ皇帝として戴冠するセルビア皇帝ステファン・ドゥシャン」》 1923年 プラハ市立美術館 ©Prague City Gallery

《スラヴ叙事詩「スラヴ民族の神格化」》 1926年 プラハ市立美術館 ©Prague City Gallery  

本展はこの《スラヴ叙事詩》をチェコ国外では世界で初めて、全20点まとめて公開するもの。プラハ市のために描かれ、1928年に寄贈された《スラヴ叙事詩》は、1960年代以降、モラヴィアのクルムロフ城にて夏期のみ公開されてはいたものの、ほとんど人の目に触れることはなかった。本展では、ミュシャがこの幻の傑作《スラヴ叙事詩》を描くに至るまでの足跡を、約100点の作品を通じて辿っていく。

《四つの花「カーネーション」》 1897年 堺市

《四つの花「ユリ」》 1897年 堺市

《四つの花「バラ」》 1897年 堺市

《四つの花「アイリス」》 1897年 堺市

会場では、ミュシャのアールヌーヴォー時代を代表する《四つの花》や、宝飾デザインを手がけた《蛇のブレスレットと指輪》も展示。また、それ以降の1900年のパリ万国博覧会のために制作された作品や、チェコの独立運動の影響を受けた作品なども紹介されるとのこと。

《蛇のブレスレットと指輪》 1899年 堺市

《ジスモンダ》 1895年 堺市

《スラヴの連帯》 1910-11年 プラハ市立美術館 ⓒPrague City Gallery

《自力Ⅱ 犠牲と勇気》プラハ市民会館壁画(下絵) 1911年 プラハ市立美術館 ©Prague City Gallery

《ヒヤシンス姫》 1911年 堺市

《第6回ソコル祭》 1912年 堺市

 

イベント情報
国立新美術館開館10周年・チェコ文化年事業
ミュシャ展


会期:2017年3月8日(水)~6月5日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室2E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
開館時間:午前10時~午後6時
※毎週金曜日、4月29日(土)-5月7日(日)は午後8時まで
※入場は閉館の30分前まで 
休館日:毎週火曜日(ただし、5月2日(火)は開館)
主催:国立新美術館、プラハ市、プラハ市立美術館、 NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社
後援:外務省、チェコ共和国大使館、チェコセンター
協賛:伊藤忠商事株式会社、日本写真印刷
特別協力:堺市
お問い合わせ03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://www.mucha2017.jp/