氣志團・綾小路翔の懐刀が率いる“錦織激団”座談会 微熱DANJI・錦織純平×野呂拓哉×オダワラジョー

インタビュー
舞台
2017.1.28

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2017年2月1日(水)より、中目黒キンケロ・シアターにて舞台『愛しのジャスティス』が上演される。本作は、氣志團・綾小路 翔の懐刀演出家である微熱DANJI・錦織純平が主宰する錦織激団の7年ぶりとなる本公演である。錦織と劇団発足当初より舞台を共にしている野呂拓哉とオダワラジョーに過去の公演を振り返りながら、今回の公演への意気込みを語ってもらった。

――今回7年ぶりの公演となる錦織激団(※以下オリゲキ)ですが、まずは11年前、劇団が発足した経緯をお聞かせいただけますか?

錦織:そもそもオリゲキ作ろうってなったのは、当時(2006年)氣志團がレコーディングで忙しくて、俺が、三ヶ月くらい休みになっちゃったんですよね。で、これはやばいと思って團長に「ライブハウスでコントでもやっていいですか?」って聞いたら「いいよー」って言ってもらえたんです。それで「よし、じゃあやろう」ってなって、メンバー集めるためにパッと両手を広げてたら5人引っかかって。その中にちょうど大阪から上京してきたばかりのオダがいたんだよね。

オダ:はい。本当、あの時は引っかかったなって思いました(笑)。

錦織:それで、仲の良い友達とライブハウスでコントをやって。それが結構好評だったんです。

野呂:俺それ観に行けなくて。でも好評だったっていうのは耳にしていて、第二回公演があるって聞いた時は、絶対観に行こうと思ってたんです。それで本番の一週間くらい前、純平に「公演観に行くよ、頑張って」ってメールしたんだよね。そしたら電話がかかってきて「拓ちゃん出ない?」って言われて。「いや、俺観にいくって言ったんだよ」って(笑)。

錦織:あの時、役者さんが一人本番前に突然「綺麗な夕日を見つけた」って消えちゃって・・・。俺、役者さんの知りあい全然いないからこれはもう拓ちゃんしかいないと思って。拓ちゃんにはそこから参加してもらってるんだよね。

野呂:ひどい話よね~。

錦織:ひどいと言えば、俺「ライブハウスでコントやりたい」って言ってやらせてもらって、それが好評で、さぁ次!ってなった時には、相談も無く事務所が芝居小屋を取っててさぁ。

オダ:あぁ、新宿SPACE107ですね。

錦織:当時芝居のこと何も知らないから107もライブハウスなのかと思って、みんなにスカスカのコントの台本を配ってて…。

野呂:「なんだかんだある」「ここでなんか言う」くらいしか書いてないやつね(笑)。

錦織:そしたら役者さんに「芝居小屋でこんな小さいことやったら誰もついてこないよ」って言われて、それで初めて107がちゃんとした芝居小屋だってわかって。で、台本全部作り直したんだよねぇ。

――1から全部書き直したんですか?

野呂:とりあえずスカスカの台本で流してやってみて、誰かが面白いこと言うと「今なんて言った? もう一回言って」って手書きでわーっと書いていったりして。

錦織:俺の部屋でね。当時稽古場もなかったんだよね。お芝居知らないから稽古場の概念もなくて。

野呂:ゲネ(リハーサル)もなかったからね。

錦織:会場に行って、照明とか舞台美術仕込んで「はい、本番!」っていうね。

――それはすごく危険な感じがするのですが……。

オダ:そんなんだから本番中みんな一箇所に集まって芝居しちゃってましたよね。

錦織:舞台が思ってたより広くてどうしていいのかわからなくてね。場当たり(舞台上での音響・照明の確認作業等)もしてないから照明も当たらないし。

オダ:自分から当たりにいってましたよね。

錦織:全部本番中に調整するっていう。

野呂:ずっとそんなんだったよね。

錦織:それが普通だと思ってたからね。そんな感じで年に1本公演打ってたんだけど、それぞれ忙しくなってやらなくなっちゃって。それから2、3年舞台から離れてたんだけど、ある時劇団ハーベストさんから俺に出演依頼をいただいて。行ってみたら稽古場あるし、演出家さんもちゃんとしてるし、舞台の仕込み日あるし、音響照明もきちんとしてるし、言うなら全部がおもちゃ箱のようだったよね。

オダ:社会が存在してたんですね。

錦織:そう、それ。ここへきて初めてちゃんとした物作りの現場に来て、こうやって作っていくんだっていうのを知って。今までは外の世界知らないから、自分のやりたいようにその場でああしようこうしようって作っていってたから「演出家って何?」って感じでだったんだよね。

――その経験以降、舞台の作り方になにか変化はありましたか?

錦織:それからは全部劇団ハーベストの真似してるよね。台本の読み合わせなんかしちゃったりさ。

野呂:オリゲキで読み合わせなんて今まで一度もやったことなかったよね。

錦織:本なんてあってないようなものだったからね。筋書きは一応俺が書いてたけど。

野呂:それを元にみんなで話の肉付けをしていくんだよね。気分が乗らないときは「今日は飲まない?」って、お酒持ってきたりして。

錦織:で、飲みながら「それいいね」って書いて、次の日全部捨てるんだよね。「なんだこれ。クソつまんねーな」って。

野呂:あと、本番一週間くらい前に必ず煮詰まって、みんな無言の時間がやってくるんだよね。「どうも話がわからないな」って。それで台本を一回パズルみたいにバラして、「最後のオチをこう組み替えたらこうなるけどどう?」っていうプレゼン大会が行われて、最終的に多数決で決めてたよね。

――物語の展開を多数決で決めていたんですか?!

錦織:俺、民主主義だからさ。でもそんな作り方だから主張がぶつかり合って、ピリピリする時はすごいあったよね。やばい時とかずっと無言。

野呂:その間オダは何も書いてない台本をただただ握りしめてるっていうね。

オダ:ほんとそうでした。頭の中真っ白で。

野呂:「もうそれ見なくていいよ」って言っても見てたよね。今回は大丈夫? オリゲキだとお前必ず無になる時間ができるけど。

オダ:大丈夫です、ならないように頑張ります。

――過去にどんなことをやらかしてくれましたか?

錦織:舞台が暗転して、明転したら俺らの間にオダが手を挙げて立っててビックリするっていうのがあったんだけど、明転したらいなかったりね。

野呂:いないから探したんだよね。

錦織:そしたら袖にいて。

野呂:袖の真っ暗なカーテンの裏で、一人で手挙げてたよね。

オダ:挙げてましたね。

野呂:「挙げてましたね」じゃないよ(笑)。

錦織:まあ、でもこうやって日常を笑っていきたいよね。

オダ:はい。

――約7年ぶりの錦織激団、どんな舞台になるのかとても楽しみです。

錦織:ありがとうございます。

野呂:オリゲキは制約とかそういうのがないから、やりたいことをやれるっていう強みはあるよね。

純平:その結果ダメだった場合は全部俺の責任。その怖さみたいなのも全部ひっくるめて、ワクワクするよね。緊張とワクワクっていうのはたぶん比例してるからね。

野呂:これを機に錦織激団として確立していこうよ。

錦織:そうそう、だから俺としてはこの公演外せないわけよ。

――最後に、皆さんの今回の舞台に対する意気込みを聞かせてください。

錦織:7年ぶりのオリゲキ。気合い充分でございます。是非遊びに来て下さいー。

野呂:7年間の沈黙を経て再始動したオリゲキを堪能してもらうべく、俺たちはこの期間なにもしてなかった訳では無いぞ、という言い訳にも似た気持ちです。とにかくお世辞抜きで、また観たい!面白かった!と言われる様に頑張ります!

オダ:僕は、毎回出演させて頂ける事がまず有難いと思ってます。その中で、自分の立ち位置と言いますか演出家さんから求められてる事を越えていけたらいいなと思ってます。今回も更に磨きをかけれるよう頑張りたいです。


取材・文=益永あずみ

公演情報
錦織激団 第6回公演 『愛しのジャスティス』
脚本・演出:錦織純平(微熱DANJI)
出演:錦織純平(微熱DANJI)・野呂拓哉・オダワラジョー・ヒロキチ・岩田有弘(銀岩塩/大人の麦茶/秘密兵器)・まちゃまちゃ・高橋紗良(劇団ハーベスト)
企画・制作:ソニー・ミュージックアーティスツ
協力:劇団ハーベスト/銀岩塩/大人の麦茶/秘密兵器/外組/theクレイジークライマーショー
 
~あらすじ~
小説の中の五人組ヒーロー「ジャスティス」。
彼らに憧れる少女が、父の死をきっかけに「ジャスティス」になる事を決意する。 
彼女のモットーは「死ぬ気になれば何でも出来る」。 
そんな彼女が考えたメンバー探しとは…
 
【日程】2017年2月1日(水)~5日(日)
2/1(水) ①19:00開演
2/2(木) ①19:00開演
2/3(金) ①15:30開演 ②19:00開演
2/4(土) ①14:30開演 ②18:00開演
2/5(日) ①13:30開演 ②17:00開演
(計8公演)
※開場は開演時間の30分前
 
【会場】中目黒キンケロ・シアター (URL:http://kinkero-theater.com/
料金】¥4,500(税込・全席指定)

 

 

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