小林賢太郎も絶賛、 MONO・土田英生の処女小説『プログラム』発売中

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日本の運命的な一日を描く、土田のエッセンスが詰まった連作短編。

本公演『ハテノウタ』で、現在全国各地を巡演している京都の劇団・MONO。その主宰で作・演出家の土田英生の初めての小説『プログラム』が、2月28日から発売されている。

参照記事土田英生のコメント付き! MONO初の音楽劇『ハテノウタ』初日レポート

物語の主な舞台となるのは、日本の古き良き文化を体感できるテーマパーク兼ニュータウンの人工島・日本村。そこで普通に暮らす人々や、島に出入りする老若男女にまつわるショートストーリーが、ある一日の早朝から夕方までの時間ごとに区切られて語られていく。そしてそれらの物語は、日本村の上空に現れた謎の赤い物体によって一つの線で結ばれ、誰も想像しなかった一日の終わりへと向かっていく…。

痛みを分かち合おうとしていたのに、いつの間にか仲間割れの方向へと逆流していく会話。自らのプライドを保つため、必死で思考をフル回転させる男の心の声。そしてなかなか一線を超えられない男女の関係に、勝手にヤキモキする周囲の人々の行動etc…。土田の脚本やブログの文章などでなじみの深い、人間の自意識や関係性のズレから生じる「あー、この状況わかるわかる」な笑いの連続だ。と同時に、この時代の日本に蔓延している潜在的な排他主義や、新世代のエネルギーをめぐる目に見えない脅威など、現代の日本と重なる風刺や批判もさり気なく描かれている。

MONO『ハテノウタ』の1シーン。右から二番目が土田英生。 [撮影]井上嘉和

MONO『ハテノウタ』の1シーン。右から二番目が土田英生。 [撮影]井上嘉和

ラーメンズ小林賢太郎が推薦文で「怖い怖い。僕は読了後、空の色を一応確認しました」と述べている通り、確かにフィクションのはずなのに「今、そこにある危機」のようなリアリティも感じさせる、笑ってゾッとする一冊だ。また全編書き下ろしではあるが、「嵐」の相葉雅紀主演でも上演された『燕のいる駅』を始め、土田の舞台作品に出てきたシチュエーションや会話が反映された話もあるので、それを探してみるのも面白いだろう。本書は各書店で販売されている他、『ハテノウタ』の公演会場でも購入できる。

書籍情報
土田英生『プログラム』
 
発行:河出書房新社
定価:1,620円(本体価格1,500円)
公式サイト:http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309025384/
 
公演情報
MONO『ハテノウタ』
 
《大阪公演》※公演終了
■日程:2017年3月3日(金)~7日(火)
■会場:ABCホール
 
《北九州公演》※公演終了
■日程:2017年3月11日(土)・12日(日)
■会場:北九州芸術劇場 小劇場
 
《四日市公演》
■日程:2017年3月18日(土)・19日(日)
■会場:四日市市文化会館 第1ホール舞台上特設ステージ
 
《東京公演》
■日程:2017年3月24日(金)~29日(水)
■会場:東京芸術劇場 シアターウエスト
 
■作・演出・出演:土田英生
■出演:水沼健、奥村泰彦、尾方宣久、金替康博(以上、MONO)/高橋明日香、松永渚、松原由希子/浦嶋りんこ 
■公演特設サイト:http://www.c-mono.com/hatenouta/

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