爆笑喜劇『水戸黄門vs銭形平次』、全20曲の『紅白ものまね歌合戦』、夏休みは家族で『コロッケ特別公演』へ
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『コロッケ特別公演』2社合同インタビューにて(撮影/石橋法子)
爆笑ものまね芸人のコロッケがこの夏、大阪の新歌舞伎座で『コロッケ特別公演』を行う。第一部は時代劇のヒーロー&ヒロイン大集合の舞台「爆笑喜劇! 水戸黄門vs銭形平次」、第二部はゲストと共に20曲を歌い継ぐ歌謡ショー「コロッケオンステージ 紅白ものまね歌合戦」。芝居と歌で魅せる爆笑てんこ盛りの本作について、コロッケに話を聞いた。
「普段通りで」のリクエストに応えて…!
「僕が印籠を出して、銭形平次も全盛期ではない……つまりイメージと違うことが起こります(笑)」
ーー第一部は、水戸黄門と銭形平次という二大ヒーローが登場する時代劇です。
僕は半分演出も担っているので、笑いの要素はかなり楽しんで頂けると思います。そこに人情も入ってきますから、大阪で言うと吉本と松竹、ふたつの新喜劇の要素が入っている感じです。
ーー時は元禄。水戸光圀公が世直しの旅に出た、そんな噂を聞き付けた泥棒一味が黄門様一行に成り済まして……というお話です。
僕が演じるのは(泥棒一味の)格蔵で、印籠を出す役。その時点で可笑しいじゃないですか。テレビ版『水戸黄門』で由美かおるさんが演じていた女忍者役は、山田スミ子(吉本新喜劇在団中に初の女座長を務めた)さんが演じるので、お風呂のシーンはカットしました(笑)。そして、銭形平次役はおりも政夫さんです。僕らの世代でおりもさんと言えば、アイドルの中でも一番まっすぐで正義感の強い印象だったので、ぴったりの役柄だと思います。設定としては一番活躍していた頃から少し歳をとった“その後の銭形平次”なので、他では絶対に見られないおりもさんが見られると思います。
ーー泥棒一味に待ち受ける結末が気になります。
誰が善で、誰が悪なのか。銭形平次も全盛期ではないですし、つまりイメージとは違うことが起こったりするわけです。そこにホロっとくるような人情や笑いもあり、最終的にはちゃんと水戸黄門と銭形平次の世界が味わえる。本来なら4時間は必要な内容なのに、そこから良い所だけを取り出して……よく2時間もかからない時間内にまとめられたなと(笑)。しかもちゃんと一つの物語になっている、きっと喜んで頂けると思います。
「淡谷のりこ、アニメのキャラクター、三代目J Soul Brothersまで、親子で歌って笑えます!」
ーー第二部は本領発揮のものまね歌謡ショーです。
ショーの内容もいろいろと企画しています。ひとつは僕が歌う、くまモンプロデュースの「にじ ~熊本応援バージョン」を観客の子供たちと一緒に歌います。これは熊本地震の被災者を勇気づけ、日本に元気を届ける歌として地元熊本では、幼稚園から小学校に通う子供たちはほとんどが歌える歌なんです。それを一緒にステージ上で歌ってくれるお子さんを募集してはどうでしょうかと、新歌舞伎座さんに提案させて頂きました。
今はテレビでも世代別の番組やお笑いが主流で、家族で楽しめるものがほとんど無くなってきている。それがすごく寂しくて。せめてコロッケの公演では、家族で楽しめる笑いを届けたいなと。これからは、しょうもないことを一生懸命にやる面白さとか、そういうことを大人が子供に継承していかないといけない時代だと思うんです。人間の機微ってそういうものじゃないですか。一生懸命だから滑稽で可愛らしかったり、愛着が沸いて見守ってあげたくなったりする。
ーー時代が変わってきているんですね。
今はテレビでも新聞でも責めることが正義になっている、それはおかしいことだなと思っています。粗を見つけて正すことは政治家には必要かもしれない。ただ何もかも責めていくことで何があるんだろう? と。実際、責めることで「やったぜ!」となって、後は知らんぷりな部分も多いと思います。家庭でも外に居場所がない子供が、家でも親から責められていたとしたら、子供がその後、選ぶ方法は一つ二つしかないですよね。僕は、本当の正義は責めることではなく見守ってあげることだと思っているので。そういうことも含めて、親も子供も一緒の目線で笑ったりできるものをお届けしたいなというのが、僕のテーマでもある。ショーでは子供が喜びそうなものも考えています。
岩崎宏美さんバージョン!
ーーアニメのキャラクターのものまねもあるそうですね。
子育て世代には『ワンピース』のルフィーより、まだ『クレヨンしんちゃん』『ちびまる子ちゃん』の方が通じる。それなら、ジブリもいいだろうし。だったらと、全部を融合できるのがものまねの凄いところなんです。例えば“ばいきんまんの桃太郎”とかが居てもいい。いい人なのか、悪い人なのか分からないけど、最後まで見ていくと「こういうことが言いたかったのか!」と大事な気持ちが伝わるように作りたいなと思います。
ーー親が笑っている姿を見るのも、子供にとっては嬉しいことですよね。
実際「お父さん、お母さんが仲良く笑っていました」という手紙を小さいお子さんから頂きます。すごく嬉しいことだったんですね。それぞれの生活の中で、コロッケという名前が出た時に、1年後、5年後、10年後でも会話が残る舞台にしたいですね。
ーー夏休みの家族での観劇に「おとなこどもセット券」はお勧めですね。
今回のために作って頂きました。またお盆前なので、淡谷のり子先生や島倉千代子さんなどは、ちゃんと上演リストに入れようと思います(笑)。自分のコンサートではよく真面目とおふざけ「どっちのバージョンで歌った方がいいですか?」と聞きますが、リクエストによって公演の雰囲気がガラリと変わります。例えば、玉置浩二さんにしても安全地帯の頃はメロディ通りきれいに歌っていましたが、今はメロディよりも気持ち重視で歌います。曲も少しバラードっぽくアレンジしたり、ご本人の変化を僕らものまね芸人も時代と共に追っていかなければいけない。同時に新しい人もどんどん開拓しているので。今回も三代目J Soul Brothers、BIGBANG、EXILEの曲も歌います。グループなのに「ええ~!?」ですよね。三代目の今市隆二さんと登坂広臣さんを一人二役でやったり。「流星」、リメイク版「Choo Choo TRAIN」など色々一人でやりますよ(笑)。
ーー想像もつかないステージに期待が高まります。改めてお客様へメッセージを。
とにかく楽しんでいただける『コロッケ特別公演』です。第二部の歌謡ショーではゲストの君島遼さんも最高ですし、坂本冬休みさんは、名前がふざけてますもん(笑)。ものまねのネタ元が分からない世代のひとにも、”なにか面白いことをやっているおじさん”を観に来て頂ければと思います。
コロッケ