歌川国芳による豪傑が一堂に 『歌川国芳 水滸伝の世界』展が岡崎市美術博物館にて開催

2017.8.17
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アート

《水滸伝豪傑百八人 地煞星七十二員八番内 十二枚之内八》歌川国芳 天保前半(1830~35)頃

歌川国芳 水滸伝の世界』展が、2017年7月29日(土)~9月10日(日)にかけて岡崎市美術博物館にて開催される。

歌川国芳は、江戸時代に武者絵、風景画、美人画、戯画、と様々な分野で活躍した絵師。10代、20代の頃は不遇の時代を過ごしていたが、30代に入り一躍脚光を浴びることとなる。その契機となった作品が、中国の長編伝奇小説『水滸伝』を題材にした《通俗水滸伝豪傑百八人之一個(壹人)》のシリーズだ。本展では、多くの浮世絵師に画題とされた『水滸伝』の魅力、そして国芳が手がけた『水滸伝』を題材とした作品に焦点を当てて紹介する。

『水滸伝』は、北宋(960〜1127)末の混乱を舞台に、108人の豪傑が集結し活躍する物語。その壮大なストーリーは江戸の人々の間で熱狂的なブームとなった。内容の一部が類似した物語が作られるだけでなく、内容に関連がなくともタイトルに『水滸伝』と名を冠した作品が数多く作られる程だったという。こうした文芸界における『水滸伝』ブームに乗じて、文政10年(1827)、《通俗水滸伝豪傑百八人之一個(壹人)》が出版された。国芳はこのシリーズの好評を得て、日本版水滸伝である《本朝水滸伝豪傑(剛勇)八百人一個》など、『水滸伝』の名を冠した様々な作品を制作したことで知られている。

本展では、岡崎市美術博物館が寄託を受けている《通俗水滸伝豪傑百八人之一個(壹人)》74図の他、国芳や他の絵師が描いた『水滸伝』に関連する作品を展示。また、『水滸伝』に大いに示唆を受けたといわれている、江戸後期読本の傑作『南総里見八犬伝』を画題とした国芳の作品も併せて紹介する。ぜひこの機会に、国芳作品の魅力と日本における『水滸伝』の豊かな受容と広がりを実感してみてはいかがだろうか。

イベント情報
歌川国芳 水滸伝の世界

会期:2017年7月29日(土)~9月10日(日)
会場:岡崎市美術博物館
開館時間:午前10時~午後5時(入場は午後4時30分まで)
休館日:毎週月曜日
観覧料:一般[高校生以上]600円(500円)/小中学生300円(250円)
*( )内は20名以上の団体料金
*通常料金の展覧会半券のご提示で会期中2回目の観覧料は半額(1回限り) 
*岡崎市内小中学生は無料(わくわくカードまたは学生証を提示)
*各種障がい者手帳をお持ちの方とその介助者は無料
*展覧会限定フリーパス「リミパス」は900円
http://www.city.okazaki.lg.jp/museum/index.html