ミセス、DISH//、窪田正孝・間宮祥太朗ら凡下高の4人も熱唱! 『真夏の僕やりNight~“そこそこ”じゃ終わらない、夏~』をレポート
真夏の僕やりNight~“そこそこ”じゃ終わらない、夏~
真夏の僕やりNight~“そこそこ”じゃ終わらない、夏~
2017.8.14(Mon) 豊洲PIT
9月19日に最終回を迎えた、カンテレ・フジテレビ系ドラマ『僕たちがやりました』のスペシャルイベント『真夏の僕やりNight~“そこそこ”じゃ終わらない、夏~』が8月14日、東京・豊洲PITで開催された。SNS連動と音楽から視聴者へアプローチするという点にも特徴があった本ドラマのオープニング曲を歌うMrs.GREEN APPLEと主題歌を歌うDISH//のほか、ドラマ出演者である窪田正孝、間宮祥太朗、葉山奨之、今野浩喜が登場。同イベントでは、2バンドによるライブに加え、スペシャルユニット“DISH//と凡下高がやりました”が歌う主題歌もライブ初披露。イベント前に行われた囲み会見で窪田は、「普段の役者の仕事で、音楽の世界に触れることがあまりない。その刺激をリハーサルから感じたので、ミセスさんとDISH//さんの邪魔しないように、全力で盛り上げたいと思います」と意気込みを語っていた。ライブのほかに、キャストによるトークセッションなども行なわれ、この日集まった約3000人のファンとの時間を楽しんだ。そんな一夜限りのスペシャル公演を改めてレポートしたい。
毎週火曜日の21時より放送されている『僕たちがやりました』は、累計発行部数120万部を突破する人気漫画が原作。凡下高校に通う主人公のトビオ(窪田)は、友人の伊佐美(間宮)、マル(葉山)、パイセン(今野)と日常を送るなかで、“そこそこで生きられればいいと”思っていた。だが、ある事件をきっかけにそんな生活が激変。もがき苦しみ、必死に生きる若者たちの青春逃亡劇を描いた作品だ。
<僕らは逃げている/僕らの行く先は――?>
彼らの気持ちを代弁したようなストレートな歌詞をオープニングで歌うMrs.GREEN APPLEが、イベントのトップバッターでライブを披露した。
SEが流れ、ミセスのメンバーが登場。「僕やりNight! Mrs. GREEN APPLEです。よろしく!」という大森元貴(Vo/Gt)のひと声でライブがスタートした。最初に披露されたのは、彼らのメジャーシングルであり、代表曲の「StaRt」。本番前の囲み取材で、「昨日からずっと緊張している」と語っていた大森だったが、1曲目から堂々としたパフォーマンスを見せつけた。若井滉斗(Gt)のギターソロが熱気を加速させ、藤澤涼架(Key)がクラップを促すと、会場は一体感に包まれる。
「Speaking」のあとに披露されたのは、インディーズ時代から歌われている楽曲「VIP」。当時の大森の反骨精神を描いたこの楽曲は、<たまに殺意が芽生えるわ/おかしなもんでしょ/僕らは>などの攻撃的なリリックが、どことなく『僕たちがやりました』の登場人物たちの心情を思い浮かばせる。その後、エレクトロなサウンドが印象的な「WHOO WHOOWHOO」を投下し、最後はオープニングソングである「WanteD!WanteD!」を披露。曲中には凡下高の4人がタオルを振り回しながらサプライズで登場し、ミセスのメンバーとともにステージを盛り上げた。
真夏の僕やりNight~“そこそこ”じゃ終わらない、夏~
イベント中盤には、凡下高の4人によるトークセッションが行われた。テーマは事前にアンケート調査を行った『4人のなかで誰に共感できるか』というもの。約13万人から寄せられた回答のなかで、最も共感できると答えられたのはトビオだ。<そこそこ平凡な毎日を送れることが一番良いと思う><若いときに困難なことにぶち当たるとトビオのようになってしまう>といった意見に対し、窪田は「逆にいえば、トビオはすごく表面的な人間。いつも仮面被っているからある種、一番残酷だと思う。ただきれいに生きているだけで、人に何かをしたら見返りを求めたりするし。そう考えると、マルやパイセンのような本能のままに生きている人って逆に少ないと思う」と持論を展開。
続いて投票数が多かった伊佐美に対して、<本能のままに生きている><周りをできるだけ巻き込まないようにする姿がかっこいい>という意見が読み上げられると、間宮は「原作のなかで一番好きなキャラクター。背伸びをしている姿が、男子高校生らしくて気に入っている」とコメントした。
そして、役柄と近しい意見を述べたのはマル役の葉山だ。「ヒトって大金を持つと人格変わると思うんですよ。生きるためにはお金は大事。お金を持ったら人は変わるという意味で、僕も演じている」と話すように、アンケートでも<すぐにお金で解決したりする人は実際多いんじゃないか>という共感意見が多かった。
最後に紹介されたのはパイセン役の今野。投票数は少なかったものの、今野は自身の役柄について「仲間を絶対に売らない。それはパイセンのすごいところ。あとは年中タンクトップに短パンと、僕に似た服装をしているところですね」と共感する部分を明かしていた。その後も4人で独自のトークを展開し、会場を大いに盛り上げた。
真夏の僕やりNight~“そこそこ”じゃ終わらない、夏~
いよいよイベントも終盤へ。最後に登場するのはダンスロックバンドDISH//だ。ドラマ主題歌である「僕たちがやりました」から勢いよくライブがスタート。橘柊生(DJ)が「なんでもいいから、持っているもの回してー!」との煽りで始まったのは、「東京VIBRATION」。会場にいる全員でタオルやペンライトを回すと、あっという間に会場全体が熱気に包まれる。
「虹のカケラ」の終了後、DISH//から4年連続の日本武道館公演が決定したことがサプライズ発表され、会場から歓声が上がる。そんななか、「この2曲が盛り上がれば、ドラマも盛り上がること間違いなし」の宣言で披露されたのは「It's alright」。楽器を演奏しながら軽快なダンスを披露するという、彼らならではのパフォーマンスに会場も釘付け。ラストの「愛の導火線」でステージを締めくくると思いきや、北村匠海(Vo/Gt)が「凡下校のみなさん、カモーン!」のかけ声で、窪田ら4人が登場。一夜限りのスペシャルユニット“DISH//と凡下高がやりました”で「僕たちがやりました(DISH//と凡下高がやりましたver.)」が披露されると、悲鳴にも似た歓声とともに会場のボルテージは最高潮に。全員で<生きろ>と力強く歌い叫ぶ声が、会場の端まで響き渡っていた。
エンディングではミセスのメンバーも登場し、出演者全員から同イベントに対する感謝が伝えられた。そして最後に窪田は「ドラマの出演者はもちろん、ミセスさんやDISH//さん、そして今日来てくださった皆さんとの出会いがあり、改めてこの仕事を続けていてよかったなと思います。日常のなかでイヤなことがあっても、『僕やり』を見て、『僕やり』の音楽を聞いて、明日の活力にしてもらえたら嬉しいです。本当に今日はありがとうございました!」とコメント。一夜限りの特別なステージは、大盛況のなか幕を閉じた。
なお、『僕たちがやりました』のDVD&Blu-rayが12月6日に発売することが決定し、『真夏の僕やりNight』の一部を含めた様々な特典映像も収録予定とのこと。『僕たちがやりました』への熱量を詰め込んだ作品になるであろうDVD&Blu-rayの発売を楽しみに待とう。
この夏を文字通り「そこそこ」では終わらない形で駆け抜けた『僕たちがやりました』。改めてプロデューサーの米田孝氏にこのイベントを振り返ってもらった。
(同イベントの意義)
若者たちに、「テレビがまだまだ面白いことをやっている!」と思ってもらいたい、というのが、ドラマ企画段階から根幹にありました。その流れから、若者を熱狂させるパワーのある2バンドと、ドラマのキャストを掛け合わせたら、大きな「うねり」みたいなものが生まれるんじゃないか、と単純に考えたのがこのイベントの始まりでした。できるだけ「やったことがないこと」をやろうと考えていたので、俳優陣に歌ってもらったり、LINE LIVEなどSNSを多用したりと、様々なチャレンジをすることができました。結果、券売や会場の熱狂だけにとどまらず、多数の媒体に取り上げてもいただくこともでき、ドラマだけでも、イベントだけでも生まれなかった「熱」を作れたことには意義があったかなと思います。
(エンターテイメントの在り方)
ライブのステージで役者が歌い、そのステージにいたバンドのメンバーがドラマに出演(第9話)し、まさにコラボ感を出すことができたなと感じています。窪田さんが「新しいエンターテインメントを感じた」とコメントしてくれた通り、これからのエンターテインメントに境界線はないのだなと実感しています。ミュージシャンがお芝居をすることも当たり前になってきているし、そもそもパイセン役の今野さんは、本来は芸人さんですし。後になって気づいたことですが、ただドラマを作っているのではなく、『僕たちがやりました』という一つのエンターテインメントを作っていくという感覚が重要なのかなと感じました。SNSと言いつつも、まだまだテレビにパワーがある。テレビを起点としたエンターテインメントの広がりを、どこまで最大化させられるのか、ということが課題でもあり、無限の可能性があってワクワクすることでもあるなと思っています。
(若い人へのアプローチ方法)
若い人たちに限らず、情報やエンタメへの接触方法が、無限に広がってきているので、どう発信していくかは、難しいと感じます。WebやSNSによって、昔のように一つの流行をみんながこぞって追いかけるという構図になりにくく、それぞれの趣味嗜好にマッチした小規模で熱の高いコミュニティが数限りなくできているのが、今のエンタメ界のあり方なので、そのコミュニティの数々を、一つに束ねるような構図を作れれば、すごく大きな盛り上がりになります。そういう意味で、今回のイベントは、『僕たちがやりました』という作品を軸に、アーティスト、役者、ドラマそのものや原作に至るまで、それぞれに熱量高く興味を持った人々を束ねることができたのは、一つの成功の形になったのではないかと思います。
取材・文=日野綾(イベント本編)
真夏の僕やりNight~“そこそこ”じゃ終わらない、夏~