angelaが選ぶ”ベストアニソン”とは?二人が選ぶまさかの選曲と「忘れてはいけないこと」

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2017.8.18
angela 撮影:大塚正明

angela 撮影:大塚正明

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2003年のデビュー以来、『蒼穹のファフナー』『K』『シドニアの騎士』『亜人』など数々のヒットアニメの主題歌を歌い続けている男女2人組ユニット・angela。卓越した歌唱力とスケールの大きなソングメイキングでファンを増やし、今年3月には、初の日本武道館ワンマンライブを成功。海外でのライブも多く、日本を代表するアニソンアーティストとして今なお進化を続けている。そんな長年、アニソンに接してきたangelaのボーカリスト・atsukoとソングライターであるKATSUに、心に残る“ベストアニソン”を選んでもらった。そこから見えてきた、彼らがアニソンを愛する理由、アニソンに求めるものとは?

――今回、おふたりに“ベストアニソン”を選んでいただきましたが、おふたりで選んだangelaセレクトの筆頭に挙がったのはどの曲でしたか?

KATSU:相当悩んで真剣に考えた結果、まずアニソンのトップ・オブ・トップはコレだろうというのは、『新世紀エヴァンゲリオン』の「残酷な天使のテーゼ」(高橋洋子)ですね。angelaは海外でライブをやることが多いんですが、初めて行く土地では必ずこの曲をカバーさせてもらっていて。すると世界中、どの国でも大変な盛り上がりようなんですよ。

atsuko:すごいんです、みなさんの興奮ぶりが。私が歌わなくても、全員が大合唱してくれますから!

KATSU:海外で人気の日本アニメは、『ONE PIECE』や『ドラゴンボール』、『NARUTO』とたくさんありますが、『マジンガーZ』の主題歌と「残酷な天使のテーゼ」は別格ですね。

atsuko:私にとっても、大人になってアニソンの魅力を再発見させてくれた曲なんです。たまたま夕方にテレビをつけたら、『エヴァンゲリオン』の初回放送の第1話が始まっていて、オープニングで「この曲ものすごくカッコいい!」と感動しまして。心に響いた、リスペクトすべき楽曲ですね。

KATSU:楽曲の構成は非常に王道なんですが、だからこそ響くものがある。

atsuko:歌詞も世界観をすごく映し出していて。「パトス」という哲学的な言葉も、これで初めて知りました。私みたいな人、絶対たくさんいますよね!(笑)

――そして、KATSUさんが挙げてくださったのは、菅野よう子さん作曲の『カウボーイ・ビバップ』主題歌「Tank!」(シートベルツ)と、『ジョジョの奇妙な冒険』第1期主題歌「ジョジョ~その血の運命~」(富永TOMMY弘明)です。

KATSU 撮影:大塚正明

KATSU 撮影:大塚正明

KATSU:まず「Tank!」は、作曲家・菅野よう子さんの天才具合に感服した楽曲です。宇宙を舞台にしたアニメで、ビッグバンドジャズのインストゥルメンタルを主題歌にしたというアイディアがすごいですし、すごくオシャレ。楽器の構成や録音方法にもすごくこわだっているのが、聴いているだけでも分かります。しかも、約20年前の曲なのに古さをまったく感じさせない。素晴らしいですね。

――菅野よう子さんもアニメ業界の枠を超えて日本を代表する作曲家ですが、「ジョジョ~その血の運命~」の作曲家・田中公平さんも大変なビッグネームです。

KATSU:ベストアニソンを選ぶのに、田中公平先生の楽曲は外せないですからね。中でもいちばん好きなのがこの曲です。日本のアニソンは音楽的にも進化を続けていますけど、タイトルや曲中に主人公の名前を曲に入れるなど、「これぞアニソン!」というルールを今に伝えているのがこの曲。歌詞もとてもカッコいいですし、まさにあっぱれな楽曲ですね。

atsuko:私もイベントでカバーさせていただきましたが……歌もすごく難しいんですよ。とくに最後のロングトーンなど、キメどころがたくさんあって。

KATSU:でも歌いたい!と思わせるのが、またすごいところです。

atsuko:2曲ともそうですけど、KATSUさんは、ブラスの入った曲が好きなんだよね?(笑)

KATSU:そう、僕、吹奏楽部出身なので、ブラスが入ったり、パーカッシヴなサウンドが大好きで。angelaの曲でもつい、ブラス入れちゃいますよね(笑)。

――そしてatsukoさんに選んでいただいたのは、1981年のTVアニメ『最強ロボ ダイオージャ』の同名OPテーマとEDテーマ「ヨカッタネ宇宙」の2曲。どちらも、たいらいさおさんが歌われていますが……とても意外でした!

atsuko 撮影:大塚正明

atsuko 撮影:大塚正明

atsuko:あはは、そうですね!(笑) 正直、子ども時代に作品を観ていたわけではなくて、今年4月の『スーパーロボット魂 2017 "春の陣"』というライブイベントでたいらいさおさんとご一緒させていただき、リハーサルで聴いて「なんだ、この素晴らしい曲は!」と感動しまして!

KATSU:先ほどの田中公平先生の曲と同じく、まさにアニソンらしいアニソンですよね。

atsuko:このアニメは水戸黄門を題材にしていて、ちゃんと曲の中で「ここにおわすお方こそ おそれおおくもミト王子」と内容の説明もしますし、そこから、「カモン!カモン!カモン!ダイオージャ!」とロボット名を連呼して、技の名前まで歌われる。私の求めている、本来のアニメソングとはこうなくてはいけないという、全てがここにあるのが衝撃でした。

KATSU:この曲に出会って、かなり熱く語ってましたからね、atsukoさんは(笑)。

atsuko:私たちも『シドニアの騎士』では、angela史上初めて、主題歌に「シドニア」という作品に直結するタイトルを付けたんですけど、それも『スーパーロボット魂』に出て、王道のアニメソングの原点にもう一度立ち戻ろうと感じたから。そんなときに「最強ロボ ダイオージャ」に出会い、いつか私もこういう完璧なアニメソングを作りたい!と思うようになりました。

KATSU:その意味では、EDテーマの「ヨカッタネ宇宙」も作品に対して完璧ですよね。OPテーマで作品の世界にリスナーを迎え入れ、EDでは本編で平和を守れた余韻に浸れる。

atsuko:「ヨカッタネ宇宙」ですからね! 童謡風の安らかな曲調にも癒されますし、次も「また観ないと!」と思わせて、気持ちを送り出してくれる。本当に素晴らしい!

――まさか、2017年に『最強ロボ ダイオージャ』を熱く語っていただけるとは、思いませんでした(笑)。 そしてベストアニソンの1曲として、angelaさんご自身のナンバーも選んでいただきました。TVアニメ『アホガール』のOPテーマ「全力⭐Summer!」です。

撮影:大塚正明

撮影:大塚正明

KATSU:今までの中でもお話ししましたが、OPテーマの大切な役割は、作品に視聴者を迎え入れること。『アホガール』はコミカルで遊びが多い作品なので、そこで僕らは「アホとは何か?」を突き詰めまして(笑)。

――突き詰めましたか(笑)。

KATSU:はい(笑)。「アホ」とはつまり、予測不可能で予定調和にならないこと。なので、曲の途中に演歌調のパートがあったり、間奏でいきなり盆踊りが始まったり、奇想天外な要素を楽曲としてまとめていきました。今までのangelaの主題歌はシリアスな楽曲が圧倒的に多かったので、そこでも意外性を楽しんでいただきたいなと。CDとテレビサイズでは歌詞も替えていたりしますしね。

atsuko:MVも今までやってこなかった、コミカルなお芝居にも挑戦しました。おかげさまで、angelaファン以外の方にもとても好評で、動画サイトの「踊ってみた」や「演奏してみた」でもたくさんいじっていただけて、嬉しいです(笑)。

――angelaの最新シングルである「全力⭐Summer!」は、ある意味、アニソンの最新型を体現した楽曲でもありますが、最近のアニソン事情については、どう感じていますか?

KATSU:とにかく情報量がすごいですよね。アニメの内容も昔のように勧善懲悪ではなくなっているので、どうしても本編自体の情報量も増えますし、同じことは楽曲にも言えますよね。お客さんがそういったものを好むようになっている。それに合わせていくと、テンポが速くてノリやすいとか、譜割りを細かくして歌詞の情報量を増やすとか、そういう工夫をみなさんがするようになっていると思います。

atsuko:でも、私は絶対に『ダイオージャ』の時代のアニソンの良さを忘れたくない。KATSUさんも同じです。

KATSU:なので僕らは、主題歌を作る場合は必ず制作者の方からじっくりお話を聞いて、作品に込めた愛情をたっぷりと受け取り、意を汲んだ上で楽曲を形にしていこうと。時間をかけて取り組ませていただいています。

撮影:大塚正明

撮影:大塚正明

――そこから育まれたおふたりの作品愛、楽曲愛が、体感できる場所はやはりライブかなと思います。先ほど、atsukoさんがライブで「ダイオージャ」に出会ったように、angelaのライブで楽曲に感動し、作品と新たに出会う方も多いことでしょう。9月と10月に東京、名古屋で行われる『全力☆Live!2017』がまさにその場かと。

KATSU:そうあってくれたら、作り手としても嬉しいですね。僕らのワンマンは、今年3月にやった日本武道館のような、コントなども採りいれショーアップした『ミュージック・ワンダー・大サーカス』というシリーズと、楽曲をじっくり聴いてもらうワンマンの2種類を交互にやっていますが、今回は演奏がメイン。とはいえ、初めてライブに来る方にも、まさに“全力”で楽しんでいただける内容になっています。

atsuko:新曲としても「全力☆Summer!」とカップリングの「あんぢぇら音頭」の2曲があり……さあ、こんなに今までと違うテイストの曲を、どう聴いていただこうかなと、私たちも楽しみです(笑)。

KATSU:みなさんがアニメでご存じの僕らの代表曲はもちろん、武道館で演奏できなかった曲も用意しますので、ぜひ遊びに来てもらいたいです。

atsuko:久々のライブハウスなので、熱く楽しみたいですね!

撮影:大塚正明

撮影:大塚正明

インタビュー・文:阿部 美香 撮影:大塚正明

 

イベント情報
angela『全力☆Live!2017』

2017年9月9日 東京 studio coast
2017年10月1日 愛知 THE BOTTOM LINE

 

 

製品情報
angelaのミュージック・ワンダー★特大サーカスin日本武道館~僕等は目指したShangri-La~​

2017年8月30日発売
 


≪収録内容≫
◆「 angelaのミュージック・ワンダー★特大サーカス in 日本武道館 ~僕等は目指したShangri-La~ 」 公演
( 2017年3月4日開催 )
◆映像特典
・日本武道館公演メイキング映像 / 「 デビュー13周年記念☆拡大版 全部が主題歌ライヴ ! ! 」 公演
( 2016年5月21日開催 )
◆音声特典
・angelaによる日本武道館公演オーディオコメンタリー
◆アイドルあっちゃん 「 お願い ! シャングリラ 」
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