Homecomings 結成から少しずつ変わってきた意識の変遷について等身大の言葉で語った

インタビュー
2017.8.22
Homecomings 撮影=森好弘

Homecomings 撮影=森好弘

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京都在住のHomecomingsが、7月5日にニューEP「SYMPHONY」をリリース。バンド初となるストリングスアレンジを取り入れた「PLAY YARD SYMPHONY」など全5曲を収録した今作は、これまでと違った広がりを持つ作品に。今回は、福富優樹(Gt)、畳野彩加(Gt&Vo)、福田穂那美(Ba)の3人に、今作に影響を与えた音楽と映画の自主企画『New Neighbors』の取り組みや9月から開催されるリリース記念のワンマンライブについてインタビュー。また、Homecomingsが考える“京都らしさ”や結成から5年を迎えるにあたって、少しずつ変わってきたという意識の変遷についても等身大の言葉で、伸び伸びと語ってくれた。

――EP「SYMPHONY」がリリースされてから少し時間が経ちましたが、反響などいかがですか。

福富:今作は前のアルバム『SALE OF BROKEN DREAMS』から1年空いてのリリースになったんですけど、その間に映画の企画といった音楽以外の活動もやってきた影響が音楽的な広がりにも繋がっているなと感じます。映画が好きな人だったり、多方面での反響が今までと違ってあるんですよね。

畳野:私はEPのキャンペーンで動き回っている、その忙しさこそが“リリースが出来た”と実感というか反響な気がします。忙しくさせてもらっていることはありがたいことなので、それだけ今回のEPにも広がりがあったんだなと体感できている。ほんとに今まで聴いてくれていた人たちだけでなく、初めての人たちからも反応を沢山いただけてるんですよね。

福田:この前よりも取材していただくことが増えたり、福富さんと畳野さんの出身でもある石川県でテレビの取材があったりしたので、そういうところでも聴いてくださっている人が増えてきているのかなと感じたりしましたね。

Homecomings 撮影=森好弘

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――今作のリリースは前作から約1年ぶりとなりますが、振り返ってみてはいかがですか。

福富:やっぱり、さっき少し触れた映画とライブが観られるイベント『New Neighbors』の企画に向けて動いていた時が、一番印象的でしたね。この1年の中では自分たちにとって、とても大きなイベントでした。映画関係の人と知り合ったり、それ以降も映画のイベントに呼んでもらったりしたことは今の活動の広がりにも繋がっているので。

――『New Neighbors』の内容やきっかけというのは。

畳野:『New Neighbors』は、Homecomingsのアコースティックライブと『アメリカン・スリープオーバー』という海外作品の上映を一緒に行ったイベント。そもそもは私がその映画を観たのがきっかけです。Homecomingsのデザインなどを一緒にやっているイラストレーターのサヌキナオヤさんもたまたまその映画を観ていたので、「すごくよかったね!」って話をしていて。それから「これ上映会とかできたら楽しいかもね」なんて話していたのが、本当に形にしていこうとなって。で、劇場に話を持ち込んだら、うまく実現できることに。

――会場は京都にある、ミニシアターのみなみ会館ですよね。

畳野:場所はみなみ会館がいいなって、サヌキさんと最初から決めていて。私たちは京都在住でサヌキさんも京都の出身だったり、京都って映画のイベントがよく開催されているから京都でやろうと。それなら観に行ったりしている、みなみ会館でやりたいなって。

――みなみ会館に話を持ち込んで、それからはスムーズに?

畳野:そうですね。サヌキさんもすごく動いてくれて。

福富:『アメリカン・スリープオーバー』を日本で配給している「Gucchi's Free School」という団体があるんですけど、僕もそこが配給している映画が好きで、メンバー同士で観に行ったりもしていたので話も合ってうまく進められました。

畳野:その「Gucchi's Free School」でデザインをされている佐川まりのさんが、今作のジャケットデザインもしてくれています。なので、イベントを通して今に繋がるいろいろな出会いがあったなと改めて感じていますね。

福富:お客さんも僕たちの音楽を普段から聞いてくれている人たちだけでなくって、映画が好きな人たちも多くて、そういう人たちが一緒に映画もライブも楽しんでくれていたので、やってよかったなと。

――普段から音楽に限らず、バンド間で映画の話も共有したりしているんですね。

福富:なんだったら音楽の話よりも映画の話の方が多いですね。映画は共通の趣味って感じです。それこそ「Gucchi's Free School」が配給していた『スラッカー』という映画が京都で上映していた時も、メンバー同士がたまたま映画館で一緒になったりしたこともあったり。

福田:この前、「これ観て良かったよ!」とか普通にしますね。たまに4人で観にいったりもしていました。だからこそ、これまで普通に観に行ったりしていたみなみ会館で、自分がライブをすることになるなんてという不思議な感じでした。なにより嬉しかったですね。

――みなみ会館って、歴史ある映画館なんですけど攻めた企画上映だったりお客さんの層も若い人が多いのが特徴的な劇場ですよね。

福富:そうなんですよね。オールナイト上映だったり、僕たちも含めて若い人たちが好きそうな企画がたくさんある劇場なんです。だからこそ、自分たちの企画がすんなりと実現させてもらえたのかなとは思います。実は東京でやろうともしていたんですけど、難しい部分があって叶わず……。今も東京での開催を諦めてはいないですけど、そういう面では京都でやれて良かったなと思うところもあります。

――若者向けなイベントだったり、若者の活動に寛容なのって京都は大学が多くある“学生の町”という背景もありますよね。

福富:そうですね。『New Neighbors』のような企画もすんなりと受け入れてもらえるような体制がすでにできているところはありますね。

Homecomings 撮影=森好弘

Homecomings 撮影=森好弘

――京都在住で活動されてきた中で、音楽面でも“京都らしさ”みたいなものを感じることってありますか?

畳野:正直、あんまりないですね。というのも、京都にもいろいろな音楽のジャンルがあって、いろいろなバンドがたくさんいますから“京都らしい”ってひと言でまとめられる音楽のジャンルは特にない。なんとなく、京都のバンドに共通する部分があるっちゃあるんですけ、無いっちゃ無い。

福富:あえて、いろいろなジャンルをまとめて“京都”だったり“大阪”というくくりで俯瞰的に見てみたら、やっぱり京都には“京都らしさ”があるのは確かなんですよね。だけど、それが何なのかはよく分からない。大阪とはまた全然違っていはいるはずです。一体、何なんでしょうね。

畳野:ひとつ言えるのは、『マイペースだね』ってよく言われるところですかね。そのニュアンスを私もなんとなく分かり始めてはきてはいるんですよ。“周りに流されていないマイペースな感じ”というのは、東京じゃないから出せる雰囲気かもしれないです。情報量が多いと考えてできないことも自然とできているのかなとは思います。別に、そういう風にしようとか意識はしていないんですけど、私たちはマイペースにやりたいことが、ゆっくりとやれてこれたなとは思いますね。

――今では京都を代表するバンドとして全国のフェスに参加されていますよね。最近では、「FUJI ROCK FESTIVAL」にも出演されていました。

畳野:今回、“平賀さちえとホームカミングス”として出演したんですけど、昨年に続いて2年連続で出られたというのがなによりもまず嬉しかったですね。で、今年は木道亭というWHITE STAGE から FIELD OF HEAVENへと向かう道中にある小さなステージでやらせてもらったんです。小雨も降っていたのにすごい沢山の人が集まってくれて、あの木道亭ならではの雰囲気の中でやれたのはよかったなと思います。

福田:去年のフジはすごく緊張してしまったんですけど、今年はステージの雰囲気もあってかほんとに楽しくできました。

福富:去年に出演したRED MARQUEEとは全然違いましたね。ライブ後に手売りでCDを売ったら全部売り切れたりして、それは木道亭の距離感だからこその反響だったのかなと思います。2年連続で雰囲気の違うステージに出られたのは本当に良かったですね。なんとかこれからも毎年出たいんですけどね……。

畳野:来年はHomecomingsとして出たいね!

福富:そうだね、来年はHomecomingsとして出たい。

――結成から来年で5年になりますが、振り返ってみていかがですか。

畳野:早かったですね。リリースもライブもたくさんさせてもらっていて、それをほぼ4年間いいペースで続けられたので、思っていたより大変だったなんてこともなく、ほんとあっという間にここまで来たなと。

――結成した頃は、今のHomecomingsのような状況って想像できていましたか?

福富:組んだ時は何にも考えていなかったですね。音楽業界のこともあんまり分かっていなかったし、2013年に初めてフジロックの『ROOKIE A GO-GO』に出ることが決まった時もそのまま1000万円ぐらい稼げるバンドになるのかなとか思っていましたから。ほんと、普通の大学生で何にも分かってなかったですね(笑)。

畳野:その時、その時のライブとかレコーディングを必死にやるだけでしたからね。なのでその先の想像とかはできず、目の前にあることをがむしゃらにやっていただけなんです。

福富:こういうバンドになりたいとかもあんまりなかったしね。

――それでも在学中と今とでは、全然気持ちも違うんじゃないのかなと思うのですが?

福富:それもそんなに変わらなかったですかね。

畳野:ダメだと思うんですけどね(笑)。

福富:京都のダメなところだよね(笑)。伸び伸びしすぎていて。

畳野:今までは本当に、何も考えてなかったんです。

――今は違う?

畳野:今はちゃんと考えています!先のビジョンもなんとなくですけどね。

福田:最近やっとそういう先の話もするようになったかな。

畳野:スタッフの方とか、いろいろな人たちがバンドに関わってもらえるようになって、私たち4人だけではできないこともできるようになってきました。そうすると、たくさん協力してもらえているからこそ、今こうやって動けているんだということがようやく分かってきたんです。だからこそ、いい意味でですけど、先の事を考えずにはいられなくなったというか……。ありがたいなって、すごく思っているんです。

Homecomings 撮影=森好弘

Homecomings 撮影=森好弘

――先のことを考える中で、やりたいこととかも出てきましたか?

畳野:今はライブと制作を早くやりたいなとずっと思っています。

福富:これまでもずっと、僕たちはアルバムを基点に活動してきてるんですよね。アルバムに向けてどうするかとか、このアルバムを作ったから次はどうするのかとか。それが今回のEPを出したことで、次のアルバムに向けてどうするのかも1年経ってようやく考えるようになれたという感じです。今まではコンセプトありきでアルバムを作ってきたんですけど、今度はコンセプトも決めずに、とにかく良い曲がいっぱい入ってる作品にしたいなという考えだけはありますね。コンセプトが無いというのが、コンセプトにできたらなって。

――コンセプトでくくらないということは、これまでと違ったアプローチにはなるということですね。

福富:そうですね。まぁ、ポローンと浮かんだままにできちゃうこともあれば、じっくり作ることもあったり。あんまり縛られずに、その時にやりたいこととか状況に合ったことを積極的に取り入れてはきたので、いつも作り方が全然変わってはいたんですけど。そういうところも含めて、今回はどうなるのかまだ分からないけれど、今までとは変わった形にはなると思います。

畳野:今までアルバムで十数曲収録されるなら、プラス2曲か3曲ぐらい多めに作ってきたんですけど、今回は20曲から30曲ぐらい作ってみようかなとは思っています。

――どんどんアイディアが今は生まれている状況なんですね。

畳野:そうですね。ため込んで、バッと解放していきたいなと。いろんなバンドの音楽を聴いたりライブを観たり、映画を観ている時に浮かぶこともありますし、日々の蓄積が割と曲に流れ込むという感じですね。

――いろいろなバンドを聴いたりフェスなんかで一緒になるケースも多い中で、同世代のシーンを意識したりすることは?

畳野:意識せざるをえないですけど、音楽的に『やられた!』とかはあんまり思わないですね。

福富:売れててすごいなとか思うぐらい。

畳野:良いアルバムだとか、良い曲だとかは普通に思いますけどね。

福富:先輩のシャムキャッツやミツメとかは、個人的に影響をそのまま受けちゃいそうなぐらいめっちゃ聴いたりしていて、『うわぁ…』って複雑な気持ちになったりしますよ。だけど、同世代ってあんまりそういうのないかもね。

畳野:音楽性というよりかは、バンドの進め方だったりライブの見せ方という点で、こういう考え方もあるのかとか参考にしたりすることはあります。

福富:それこそ、東京に行ったら同世代のシーンや流行に、否が応でも巻き込まれたりするのかもしれないけれど……、今はそんなにね。

畳野:巻き込まれてはいないけど、一応は見ているので気にしつつ。だけど、そこまで気にはならずにいられています。

福富:関係ないこととは思っていないからね。

Homecomings 撮影=森好弘

Homecomings 撮影=森好弘

――9月からはリリース記念のワンマンツアーが東京、名古屋、大阪に加えて広島、福岡でも開催されますがライブのイメージはすでにありますか?

福富:個人的には、新曲をいくらかやれたら面白いなとは思っています。

畳野:まだこれから作っていく段階ですけどね。

福田:新曲やれるのは楽しみです。

福富:作るってなると早いんですけど、そういうモードにならなかったら全然できないんですよね。ワンマンだとかのきっかけが何もなかったら、ずっと新曲ができないかもしれない。

畳野:先に「ワンマンで新曲をやりたい!」という気持ちがあるから作れたり、アルバムを出すから作るとか、そういう感じなんです。最近は無理やり、日々何もなくても作れるようにはしているんですけど……。

福富:とはいえワンマン自体が1年ぶりぐらいなので楽しみですね。今まではなんとなくセットリストも決まっていたんですけど、曲も増えたのでそれぞれの楽曲に合わせた、ワンマンならではの演出もできたらなと思っています。なので、楽しみに来ていただけたらと思います!

取材・文=大西健斗 撮影=森 好弘

イベント情報
Homecomings presents “BOWLER’S DELIGHT”
8月27日(日) 石川・金沢 vanvan V4 w/ COMEBACK MY DAUGHTERS
 
Homecomings “PLAY YARD SYMPHONY” TOUR
9月7日(木) 愛知・名古屋 TOKUZO ※ワンマン
9月8日(金) 大阪・梅田 シャングリラ ※ワンマン
9月9日(土) 東京・渋谷 WWW ※ワンマン
9月15日(金) 福岡・天神 the voodoo lounge ※ワンマン
9月16日(土) 広島・広島 BANQUET (SPACEO92) ※ワンマン

 

 

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