プロジェクト第一弾となる『ミュージカル「少女☆歌劇 レヴュースタァライト ―The LIVE―」#1』、公演間近の舞台稽古は見どころたっぷりだった

近年、アニメやゲームが舞台化される「2.5次元ミュージカル」が注目され、様々な人気作品が舞台化されている。

そんななか、ブシロードと、舞台制作会社のネルケプランニングが協力して製作する大型企画を発表。作品の後追いで舞台化するのではなく、最初からアニメーションとミュージカルのメディアミックス展開をする「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」である。

公式サイトで予告編とティザーイラストが発表されているアニメの放映に先駆けて、ミュージカル『「少女☆歌劇 レヴュースタァライト －The LIVE－」#1』が2017年9月22日より上演される。こちらのは、なんと即日完売。初公演前にしてすでに来年1月6日より再演『「少女☆歌劇 レヴュースタァライト －The LIVE－」#1 revival』の開催が決定するなど、いま注目を集めている公演のひとつだ。

まもなく開幕を迎える『「少女☆歌劇 レヴュースタァライト －The LIVE－」#1』だが、9月7日にはマスコミ向けの公開稽古が行われ、謎に包まれていたその内容が少しだけ明らかとなった。

稽古場へ入ると、通し稽古前のウォームアップ真っ最中。控えている出演者はセリフや動きを確認しながら、準備を始めている。普段から練習している稽古場ということもあり、和気あいあいとした和やかな雰囲気だ。

通し稽古開始前、まずは全員と演出家との確認作業が始まる。出演者全員が台本を照らし合わせながら、演出家から各自へ、シーンごとのセリフや感情の動き、前日の稽古からの演出修正など、細かい指示が飛ぶ。出演者からも、前後のセリフとの繋がりについての質問や、舞台での動きについての提案がされるなど、演出家と出演者がお互いに意見交換をしながら、一緒に舞台が作られている様子がうかがえた。

そして、いよいよ通し稽古開始。和やかな雰囲気から一転、スイッチが入ったかのように全員の顔つきが変わった。BGMをバックに空間を存分に使う大きな動きや、かなりの声量で発せられる緩急のメリハリが強いセリフ回しや歌唱パートなど、ミュージカル舞台独特の雰囲気が漂う。

『「少女☆歌劇 レヴュースタァライト －The LIVE－」#1』は、レヴューを制したただ一人のトップスタァの座をめぐり、舞台上で少女たちのバトルロイヤルが繰り広げられるというストーリー。演劇学校が舞台であり、友情もライバル心もあり、また、レヴュー自体の謎もありと、見どころたっぷりの作品だ。

そんな作品の通し稽古は、少しでも気になるシーンがあると、演出家からストップがかかり、動きについて指示が出される。その間にも手が空いている出演者は、互いの立ち回りを確認したり、アクション担当の演出家が出演者のもとに駆け寄り、細かい指示を出すなど、リアルタイムに舞台が修正されていく。

今回、公開されたのは、1部の序盤だったが、重要な伏線と思われる過去のシーンに始まり、各キャラクターの相関関係がわかる日常シーンから、出演者全員が舞台を所狭しと動き回る殺陣シーンなど、スピード感あふれる展開。ストーリーは概要しか発表されていないこともあり、全体の構成を含め、続きが非常に気になる公開稽古だった。

本作の主人公、「愛城華恋」は、おっちょこちょいだが、素直な性格と、周囲との交流を大切にするやさしさを持つキャラクター。演じるのは声優の小山百代。子役で舞台やCMを中心にした活動から、声優の道に入った舞台女優。アニメの出演経験はほとんどないなか、本作の主役に抜擢された。若手ながら、舞台活動は10年以上のベテランで、今作のコンセプトである「ミュージカル」と「アニメーション」の2軸展開にはピッタリの配役と言えるだろう。喜怒哀楽がわかりやすく、明るく素直な王道の主人公らしい、何事にも全力で真っすぐな演技を見せてくれる。

もう一人の主人公、「神楽ひかり」は、海外の一流演劇学校から転校してきた天才で、華恋の幼馴染。華恋と共に幼いころ「スタァライト」の舞台に魅せられ、「いつか必ず、ふたりであの舞台に立とうね」と誓った仲だ。しかし、転校してきたひかりは全く周りとの繋がり持たず、久しぶりの再会を懐かしがる華恋も意に介さない。いったい海外でどのような経験があったのか、多くの謎をもつキャラクターだ。

演じるのは声優の三森すずこ。彼女もミュージカルや舞台を中心に活動していた経歴を持つ。現在は、様々なアニメーションに出演する大人気声優なのは言うまでもない。華恋を演じる小山百代とは対照的に、ひかりを演じる三森は感情を見せず、クールで影のある演技。発散するミステリアスな魅力に惹きつけられた。

舞台オリジナルキャラとして登場する「走駝紗羽」は、主人公たちが通う演劇学校の教師。学校のOGでもあり、過酷な訓練を課し、舞台女優の厳しさを問い、主人公たちの前に立ちはだかる壁となるキャラクターだ。演じるのは声優の椎名へきる。ミュージシャンやラジオDJなど、マルチに活動を続ける大人気ベテラン声優で、近年は舞台への出演も果たしている。圧倒的で重厚な力強さと、高い歌唱力。有無を言わせない強烈な存在感を放つ演技が光る。

2017年9月20日には、今回の公演に合わせて1stシングルCD「プロローグ -Star Divine-」が発売。こちらの収録楽曲が、公演の2部に行われるライブパートで披露される予定となっている。CDには、1月の再演の最速先行販売申込券も封入されているので、忘れずにチェックしておくことをお勧めしたい。

「少女☆歌劇 レヴュースタァライト －The LIVE－」は、1部はミュージカル、2部は観客参加型のライブステージとなっており、観客は芝居とライブで完全燃焼できる構成になっている。これもファンの感覚に寄り添ったチャレンジングな試みと言えるだろう。

レポート・文＝東 響希
 

メインキャストよりコメントが到着

愛城華恋役  小山百代
お稽古も残りわずかとなり、まだまだな部分もありますが、日常のほんわかした学生の舞台少女たちと、凛々しく戦う舞台少女のギャップを見せられるように頑張りたいと思います。来年１月の再演も決まっていますが、まずは９月の公演を楽しみにしていただけたら嬉しいです！

神楽ひかり役   三森すずこ
本番までにしっかりと「神楽ひかり」になれるように日々頑張っています！　女の子ばかりの和気あいあいとした女子校みたいな雰囲気で、毎日「登校」するのが楽しいです。とにかく本番に向けて頑張りますので、是非観に来ていただけたら嬉しいです！

天堂真矢役   富田麻帆
バラバラになっている９人が一つになっていくというお話でもあるので、そういう個性の強さや、一つになったときの力はスゴイんだぞ！というのをお客様に届けられたら、と思います！　そしてライブでは、ノリの良い曲が沢山あるので、ぜひ一緒に盛り上がってください！

星見純那役   佐藤日向
セリフの中で過去に自分が思っていた言葉もあって、女性の方には「こういうことあるよね」という部分を感じてもらえるような作品になっていると思います。ダンス、殺陣の激しさなど、魅力が満載の舞台となっていますので、ダンスが可愛い２部のライブも含めて、ぜひぜひ！　皆さんに観ていただきたいです！

露崎まひる役   岩田陽葵
私はミュージカル初挑戦ですが、毎日がとても新鮮で刺激的で、座組の皆さんも尊敬できる方たちばかりで、とても勉強になっています。作品の中では、９人の舞台少女たちが目指すものは一緒だけど、その想いは一人ずつ違います。９ 人が秘めている想い、女の子にしか出せない「情熱」「キラキラ」が出せるように頑張ります！

大場なな役   小泉萌香
踊ったり殺陣をしながら歌うということは初めてで苦戦していますが、周りの経験者の皆さんに教えていただきながら、日々成長しているな、と感じています。カンパニーの団結力はとても高まってきています。作中では戦いもあったりして、それでも舞台少女たちの絆は切れないと思うので、ワクワクドキドキしながら観ていただけると嬉しいです！

西條クロディーヌ役   相羽あいな
西條クロディーヌはフランス出身ですが、私は日本人なので（笑）、フランスと日本のハーフってどう演じよう……というのが私にとっての課題です！　ダンス、歌、お芝居、殺陣と課題が沢山あって、皆に助けてもらいながら一つ一つクリアしていった時の喜びは大きいですね。女子高生の感じを舞台でもお届けしたいのですが、戦いもあるので、そこがどう表現されるのかを楽しんでいただきたいです！　そして、２部のライブは私たちと一緒に盛り上がってください！

石動双葉役   生田 輝
歌いながら踊る、殺陣をしながら歌うことに苦戦しています……！　が、本番舞台上では苦戦したの？と思っていただけるような表情をお見せするとともに、双葉はボーイッシュなので、かっこかわいい感じが出せたらいいなと思います。キャスト、スタッフ一同、全身全霊で良い作品にしようとしているので、お客様にも五感全てを使って、全力で観ていただけたら嬉しいです！

花柳香子役   伊藤彩沙
ミュージカル初挑戦なのですが、毎日色々なことが挑戦で戦いながら青春を過ごしています！　お話の中で「キラめき」がテーマとなってくるのですが、観ていただくお客様の「キラめき」も湧き出てくるような作品になればいいなと思います。個人的には“お扇子”の使い方に苦戦しているので、本番までに扇子を使いこなす素敵な「和」な女子になれるよう頑張ります！