『スイス・アーミー・マン』“ハリー・ポッター”は”オナラで海を渡る人”になった EMILYのゆるふわ映画談 vol.10

2017.9.28
動画
特集
音楽
イベント/レジャー
映画

画像を全て表示(11件)

こんにちは、男女J-POP/フォークデュオHONEBONEのVo.担当高円寺系ハーフEMILYです!

待ってました待ってましたああああああああ!
もう私は一年くらい前から待ってたよ、この映画!やっと公開された…ふう。
日本で公開されることなんかもうないと思ってたから、自分のバンドのトレーラーで相方の川口君を使ってパロったくらいだよ。(画像見てみてね)

死体にふんしたHONEBONE川口

ん?何の話かって?

『スイス・アーミー・マン』さ!!!主演は『ハリー・ポッター』シリーズで一世を風靡した、あの!ダニエル・ラドクリフと…

(C)2016 Ironworks Productions, LLC.

私が個人的に少し気になるポール・ダノ!

(C)2016 Ironworks Productions, LLC.

いんや~「海外ではすでに公開されてるんだってさ~」って、映画好き仲間から動画をYouTubeで見せられた時には興奮したもんよ。それが一年前になるわ。そのときは率直に、「え!?ラドクリフ君が!?オナラするの!?しかも規格外のオナラ!!!」って思ったさ。

【あらすじ】

無人島に流れ着いた男・ハンクは、生きることをあきらめ、絶望の淵で自殺を図ろうとしていた。するとその時、波打ち際に男の死体が横たわっているのを見つける。死体が放つガスの力が強くなっていくことに気づき、ハンクは意を決して死体にまたがった。すると、死体はまるでジェットスキーのように沖に向かって発進する。果たして二人は無事に帰還できるのか…?

(C)2016 Ironworks Productions, LLC.

あらすじだけを読んだら意味不明だよね。うん、わかる。しかも、みんながお熱だったあのラドクリフ君が死体役で、盛大にオナラするわけだからね。「大丈夫なの?」って普通なら思うはずだ。しかし、一年前から待っていた私はみんなより緊張状態で、公開された次の日には有楽町のTOHOシネマズシャンテへと向かった(池袋と有楽町でしか近場ではやってなかった…)。いつもなら通路側の席を確保するんだけど(トイレ近いから)、今回だけは違った。ど真ん中の席に、コーラとポップコーンを抱え座った。うう、緊張するぜ…。

いざ本編が始まると私はすぐに泣いてしまった。その音楽が、その映像美が私には刺激が強すぎた(始まった瞬間サントラを買うことを決めた)。ハンク(ポール・ダノ)が歌う鼻歌が、なぜかとても心にガツンと、それでいて優しく染み込んできたんだ。ラドクリフ演じる死体“メニー”の顔色は、今すぐにでも腐敗しそうなほど悪いのに、世界観(ゴスな感じ)が好きでたまらなかった。彼が着ているスーツもとても格好良くて、「ああ、これだよこれこれ…こんなラドクリフが見たかった」って、私がこの映画を知った時の興奮がすぐに押し寄せてきた。ハンクはメニーを担ぎ、家に帰ることを目指しながら、「人生とは何か」「生きるって何?」「そもそも愛って何?」「感情って何?」と、人間が当たり前に生きている日常に目を向け始める。メニーはその問いかけ役だ。

(C)2016 Ironworks Productions, LLC.

物語が進むにつれて映像に込められた「これでも食らえ!」感満載の驚きのシーンがとめどなく続く。編集がうますぎる。ついていけない、「もっとよく見せて!お願いだからもっと見たい!」と思わせてくれる構成、見ている自分が小学生になった気分だった。ワクワクしすぎてイスに前のめりに座ってたし。

っていうか、この脚本自体が“小学生が出したアイディアを大人が本気で映画化したような作品”に思えた。馬鹿げたアイディアだらけで傑作なのさ。本当に笑っちゃう。本当に心から。愛しくも思える。この世界の住人になりたい。メニーには特殊な力がたくさん備わっているんだけど、その能力のそれぞれが本当にアホで、会場にいたお客さんはみんな笑っていたし、それでいて心が完全に踊らされる映像美に、終始拍子抜けだった(お客さんも次のばかげたシーンを待っている節があったと思う)。一つずつ話していきたいけど、それはネタバレだからやめておく。もったいない。

この物語に“意味”を探すなんてやめたほうがいいと思う。それよりも、メニーとハンクが語り合うセリフがとても詩的で、とらえ方によっては哲学的なところを楽しんだほうがいいと思う。さらに、先ほども言った音楽がものすごい。ほぼ声だけで構成されているような、本当に神秘的な音楽が完全にマッチしている。心に語り掛けてくるような音楽だった。

ラドクリフの出ている映画をあんまり観なかったから、私の中では彼は“ハリー・ポッター”のままだったんだけど、この映画を観て完全に印象が塗り替えられちゃって、“ハリー・ポッター”から“オナラで海を渡るメニー”に変身した。そんな映画だと思ってる(今後はそれでいこう!最高じゃないか!)。

上映時間は97分。私には本当にちょうどいい長さだった。それ以上観て幻滅もしたくなかったし、「もう終わったの!?」と腑に落ちないこともなかったから。エンディングの登場人物の顔の寄りにはぜひ注目していただきたい。笑えるから。

私がSNSでこの映画を観た、とつぶやいたら、かなりの方が「映画館で観たほうがいい!?」「どうだった!?」って聞いてきた。ズバリ言うね! 絶対映画館で観てほしいです。

私はパンフレットも買ったし、

サントラも買ったし、DVDは買う予定だし、メニーと写真も撮りました(期間限定だったとか)。

それほど心に残った作品です!個人的にウケたのが、監督の名前がダニエル・シャイナート、ダニエル・クワンでさ、ダニエル・ラドクリフとあわせて、「ダニエル尽くし」。それはいいや、無視してくれ。私はもう一回映画館に行きます! 面白い発見が絶対にあるから何度も見たくなる映画!

ちなみに、私がやっているバンドHONEBONEの3枚目のアルバム『船出』のトレーラーに、この映画のパロディがあるから探してみてね!

 

『スイス・アーミー・マン』は公開中。

作品情報

映画『スイス・アーミー・マン』

 

(2016年/アメリカ/カラー/デジタル/英語/97分)
原題:Swiss Army Man
映倫区分:G指定
出演:ダニエル・ラドクリフ、ポール・ダノ、メアリー・エリザベス・ウィンステッド
提供:ポニーキャニオン/カルチュア・パブリッシャーズ 
配給:ポニーキャニオン 
宣伝:スキップ 
公式サイト:http://sam-movie.jp/
(C)2016 Ironworks Productions, LLC.
  • イープラス
  • 洋画
  • 『スイス・アーミー・マン』“ハリー・ポッター”は”オナラで海を渡る人”になった EMILYのゆるふわ映画談 vol.10