THE ORAL CIGARETTESインタビュー 「ダークサイドでテッペンとってやる」止まらない快進撃を支えるものとは
THE ORAL CIGARETTES 撮影=上山陽介
THE ORAL CIGARETTESの加速が止まらない。
6月には初の日本武道館ワンマンを超満員で完遂し、そのステージ上で大阪城ホールでのワンマン開催を発表、さらに初の映画主題歌(しかも注目作『亜人』)としてシングル「BLACK MEMORY」をリリース、そしてその後の夏フェスシーズンでの全国的な盛況っぷりは今さら語るまでもない――と、これまでも絶えず次の一手を提示し続けてきたオーラルが、ここにきてさらに容赦なく自らを駆り立てスピードアップを果たしているようにみえる。同時に、どんどんシンプルに己の本質へと迫っているようにも。
今回は「BLACK MEMORY」の内容を中心に据えながら、ここまで4人が成し遂げたこと、いま向き合う事象、そして現在の姿勢と精神がいかなるものなのか、快進撃の裏側に迫った。
――少し前の話になりますけど、武道館ワンマン、素晴らしかったです。
一同:ありがとうございます!
――そしてそれを経て迎えた夏フェスシーズンでの様子を見るに、オーラルがより加速しているなと。
あきらかにあきら:あの日はすごく派手やったし、ずっとやりたかった大きいところじゃないとできない演出も盛り込んで、「この先オーラルはどんなバンドになっていくんやろ?」っていうことが見える、期待がもてるライブにできたなと思います。それ以降に関しても、やっぱり僕らなりに自信がついたからなのか、まわりからの見え方が変わったからなのか、その加速してる感っていうのは本当にあって。ライブの平均点も上がってきたし、それは自分たちがステージに立つ感覚に慣れてきたというのもあるし、どんどん先を見ているからなのかなって思います。そういう意味ではひとつ上のモードにいった感覚はありますね。
山中拓也:武道館に関しては、実際にステージに立ってみないとわからないこととか、立ってみて初めて出てくる感情も含めて、自分がイメトレしてた武道館のステージより、自分たち一人ひとりがカッコよくいられたライブやったなって思います。あと、来てくれた親戚のおっちゃんらが「めっちゃMC感動したわぁ」とか言ってくれて(笑)。おっちゃん世代にまで届くようなMCができてるんやって嬉しくなりました。僕ら若手のバンドって、高校生や大学生にしか響かないMC、説得力とか演奏になりがちやと思うんですね。それがしっかりおっちゃんやオカンの世代にまで届いたことで自信もつきましたね。
武道館後に関しては、ちょっとビビってます(笑)。……ちょっと「マジ?」っていうくらい(お客さんが)増えてきている感があって、やっぱり人が増えれば増えるほど賛否の否も増えるし、その否に対して全員を納得させる力は今の僕たちにはまだ無いから。でも今はまだ無理なままでいいなとも思うし、全員を取り込めるバンドなんや!みたいな傲りや勘違いだけは絶対にしないように、今まで通りに。
鈴木重伸:次の目標は大阪城ホールだけど、その先もまだまだあるので、ちゃんとそれに見合うバンドになっていくための知識や経験っていうものが必要で。自分がバンドを始めてからの経験はホンマにライブハウスしかなくて、大きいステージに対しての知識や経験をこれから短いスパンで……6年くらいかけてライブハウスでのノウハウを学んできたバンドが、ここからあと半年や1年くらいで、6年ぶんの濃度で勉強をして、ちゃんとその規模に見合うようになっていかなきゃなっていうことが、すごく焦りでもあり(苦笑)。ほんまに武道館が終わるまでは根拠のない自信があったけど、武道館が終わったからこそ、次はもっとやらないかんっていう気持ちも芽生えてきて。だから、一段上がった先の景色にはまだ壁が続いてるんだなっていう、切りかえられたポイントが武道館でしたね。
中西雅哉:実際にあそこに立ったときには、そこに立てている喜びと凄さを感じて。同時に、武道館にたどり着くまでも「地に足をつけてやっていこう」ってずっと等身大でやってきたバンドなので、活動の規模も大きくなってきてますけど、やっぱり地に足つけた部分は変えずに進んで行かなあかんなって実感もさせられました。規模が大きくなって、知らん間にまわりから持ち上げられているのか、バンドが成長しているのかがわからなくなるのが怖くて。自分たちでちゃんと確認できるメンタルはちゃんと持ち続けなきゃいけないなって、最近すごく感じます。
THE ORAL CIGARETTES 撮影=上山陽介
――みなさん一つ段階が上がった実感はもっていて、そこに一定の達成感はありつつもある種の危機感もいだいている。とはいえオーラルはもっと大きいところを目指すバンドでもあって、そこに向けてはどうアプローチしようと思ってます?
山中:結局、いい曲を書いていい歌を発信していくことだと思うんですよ。立ち振る舞いがどうこうっていうこともあるかもしれないけど、やっぱり俺らが発信しているものは音楽で、それを受け取ってくれるリスナーがいるっていう、音楽が軸で動いているから。いい曲を書いていい歌を歌っていい演奏をすることが、たぶん一番の正解なんだろうなって、一周も二周もまわって思ったというか。昔からそう思ってたはずなんですけど、でもどっかで「ライブ感でどうにかしよう」とかなりがちで。……今はどうやって100のライブを150にしていくかっていう、いろんな種類の150点を出さなきゃいけないタイミングにきている気がするから、その50点ぶんをプラスアルファするために、ちゃんといい曲を書く、書き続ける。リスナーの心に響く言葉を伝え続けるっていうのが、これから先一番大事になっていくんだろうなと思います。
――本質的なところに向き合うタイミングにきていると。
山中:そうだと思う。そこを忘れるっていうか、ないがしろにされていくことに恐れを感じていて。やっぱりフェスが増えてきた状況とかもあるから「曲がいいよね」より「ライブいいよね」って言いがちなシーンにもなってきている、なんかそれって……まぁいいんやけど。
――まぁ、ライブがダメじゃマズいですからね。
山中:そうそうそう(笑)。でも軸がライブで、それを彩るために楽曲があるっていう時代、その順番っておかしくなってきてるんじゃないかって最近思っていて。やっぱり一番に歌がいいって言われてから、ライブもいいよねっていう順番がオーラルのベストだろうなって思います。
――そういう考えの上、一段上がった状況での最初のリリースとなるのが「BLACK MEMORY」ですけど、ここまでお話しいただいたようなことの意思表示もこのシングルには含まれますか。
山中:武道館で発表したときにも言ったんですけど、新しいことにどんどん挑戦していきたい思いと「やっぱりダークサイドでテッペンとってやるよ、俺らは」っていう気持ちに、映画『亜人』がちょうどすごくハマったんです。これに限らず新しいことにもどんどん挑戦していくし、今までやったことのないようなこと、その先でいえば誰もやったことがないことをどんどん提示していくよっていう、最初の意思表示ですね。同時にオーラルが『亜人』とコラボする意味をちゃんとわかってもらえるような作品にしないといけないなっていうのは、最初に思いました。俺らの一つひとつの行動には絶対に意味があって、その意味を絶対にお客さんが理解できるようにしたいので。
――楽曲はどのように形にしていったんですか?
山中:映画の主題歌なので、映画を観たときに自分が感じる方向で作ったほうがいいなと思って、まだ完成していない状態で一度観せていただいたんですね。で、完成してなかったんですけど、世界観はその時点でだいぶ確立されていたので、観ながらもう頭の中でメロディが浮かんで。映画が終わったあとすぐに仮歌を携帯の中に入れて、家に帰ってすぐサウンドを作りました。……『亜人』を観ていて、東宝さんが『亜人』の映画を作るくらいの時代が来たんだなっていうことをすごく思ったんですよ。
――ああいう色の作品をっていうことですね。
山中:そう。一般層には受け入れられにくいはずじゃないですか、やっぱり過激なシーンもあるから。そういう作品がここまでくるのは難しかっただろうな、俺らもそうやったなぁと。歌詞の内容が自殺のことを歌ってるからラジオで流せないって言われたりとか(苦笑)。こういう、ずっと表に出にくかったものが、だんだんメジャーになっていってる感じ――自分たちもありがたいことに武道館でやらせていただくタイミングだったので、この音楽をやってても武道館でできるバンドになれるっていうことと、『亜人』がこうやってメジャーな映画として世に出て行くことに、すごいシンパシーを感じたんです。なので、普段のシングルでは毎回「今回はこういうことをしてみよう」「こういうルーツから作ってみよう」とか、すごく挑戦的なことをするんですけど、今回はそうではなくこれまで挑戦を重ねてきた自分たちがどこまで成長できているかを、生の音で出そうと思って。もうストレートに、映画からのインプットをそのままアウトプットしました。
THE ORAL CIGARETTES 撮影=上山陽介
――各楽器のアプローチに関しては。
鈴木:拓也がデモを投げてくれたとき、会話する以前に感覚としてストレートだなっていう印象を受けて。やっぱり僕たちの曲にはトリッキーなものが多いから、これだけストレートなものをやるのは僕からすればそれはそれで挑戦やなっていう感覚はあったんですね。でも映画のタイアップでもあるし、何よりエンドロールで流れるから、今回はそういうトリッキーさは必要ないよねっていう話をしてから、僕もすごく消化できて。そこからはまっすぐ、疾走感を出せるようにアプローチしていきました。
中西:仮の映画を観させてもらってすぐ、拓也がボイスメモを録りにいったので、「これは早いな」と思って、俺もちょっと考えておこうといろんな映画のエンデイングを観たりとか、アプローチの仕方を勉強しました。デモの時点ですでに拓也の頭の中にはほぼ曲の全体像が完成されていて、あとはそれをどうブラッシュアップしていくかのやりとりだったんですけど、今までの経験上、こういうテンポ感でできる曲ってキラーチューンになる予兆やなって感じていたので、そこは信じました。変に「ストレートすぎるから変えよう」みたいな思考よりも「信じてやってみよう」っていう方が強かったし、迷いがなかったです。
あきら:よりいろんな人に聴いてもらう曲になると思うから、いつもより聴きやすいコード感にこだわったりもしたんですけど、ベースに関しても全体のアレンジに関しても、わりと拓也の中で見えてたものを共有してもらいながらの作業でした。昔から拓也は映画を観て曲を作るのが得意だったからか、すごくスムーズにデモもできたし曲もカッコいいものができたので、このまっすぐなカッコよさを素直にやれている自分もいて。シゲも言ってましたけど、挑戦って言えばそれも一種の挑戦ですよね。でもそれがしっくりきたし、久しぶりにこんなにストレートでカッコいい曲を作れたことが嬉しかったですね。
――確かにすごくストレートで、これだけ奇を衒わずに、かつオーラルの音が出ているのは見事だなと感じたし、すごく軽やかな曲でもありますよね。
山中:映画を観る前の話し合いの段階で、最初に「エンドレス・リピート」っていうテーマがあったんですよ。その“ずっと続いていく”っていう要素をサウンド面にも落とし込んでほしいっていう……本当にそれぐらいしか向こうからいただいたテーマはなかったので、それだけ大事なことなんやなって思って。それをどうやってサウンドで表現するかを考えたときに、あきらがよく言う、“ずっと走ってる感じ”を表現できたらいいなと思って。だったらドラムのビートはこうだよねとか、そこは雅哉がすごく詰めてくれたんですけど。「エンドレス・リピート」をずっと走っている感覚に落とし込んで、ずっと続いていくっていう要素をそのまま音で表現したのが、軽快さにつながっているんだと思います。
――歌に関してはどうですか?
山中:歌に関してもより軽快にっていうのがキーワードになっていて、いつもよりクセを抜きました。一番最初は自分のいつもの歌い方で歌わせてもらったんですけど、イメージと全く合わなかったので歌い方変えてみようと、いつもよりロー成分をカットして、よりビートに寄り添っていく歌い方とというか。
歌詞はしっかり練っていて、元々は『亜人』の作品のことを歌ってる歌詞だったんですけど、映画サイドのスタッフの方から、「サウンドだけで充分『亜人』を表現できてるので歌詞まで寄せてくれなくて大丈夫ですよ」「歌詞は好きなように書いてください」って言ってもらえて。コラボっていうこともあるから、いつもほどは自由には書いていないけど、『亜人』を観た上で自分がいま伝えたいものを絞って、そこに「5150」とか「ONE’S AGAIN」とかでやってきたような、思いを直接的に伝える歌詞を書いていきました。
――カップリングには今回「Flower」と「接触」という2曲が収録されていますけど、これって冒頭でお話があった“賛否”の“賛”と“否”が根底にあるような印象だったんですよ。同時に、どっちも表題曲レベルにいい曲だなとも思いました。
山中:お! 嬉しい。
THE ORAL CIGARETTES 撮影=上山陽介
――まず「Flower」は、オーラルが今置かれている状況の中で感じる、ポジティヴな感情が歌われている気がして。
山中:「FLOWER」と「BLACK MEMORY」って、歌詞にはすごく通じている部分があって。「BLACK MEMORY」には僕がいま人生の中で何を思って何を伝えたいかを込めて、「Flower」ではそれがバンドとしてのものになっているんです。自分は感情の起伏が激しいので、その中で感じることを歌詞に落とし込むことが多いんですけど、ここではバンドとして4人がこれから上がっていくぞっていう部分を、歌詞としてどうにかして表現できへんかなって。バンドの過去から今に至るまで、バンドとしての感情がどうだったのか、歩みがどうあったのかを描きました。
だからすごく希望みたいなものが見えるのは、そこなんだと思います。2016年まではバンドとして本当に我慢の年でずっと縮めていたバネを、2017年から思いっきり伸ばしていきましょうっていう、大きな船が動いていくタイミングをうまく表現したいと思ったときに、“つぼみの状態から花が咲いていく”イメージをバンド目線で歌うのがピッタリだったんですよ。
――じゃあ、この曲に関しては周りがどうこうとかより、自分たちに目線を向けている曲なんですね。
山中:そうですね。これ、“あなた”とか出てくるので、人によってはもしかしたら恋愛に見えなくもない歌詞じゃないですか。でもそうじゃなくて、“あなた”はメンバーのことだし、バンドのことを描いてる。そういう視点で聴いてもらえたら、昔からずっとオーラルを好きやった人も感じることはたくさんあると思うし、最近好きになった人も「こういうことがあったんやな」とか、バンド自体を感じてもらえる楽曲になったらいいなって思います。
――それと逆に、僕が賛否の“否”と捉えた「接触」に関してはどうでしょう。
山中:僕、これを表題曲っぽいって思ってもらえるとは、正直思っていなかったです。
――え、そうですか?……ああ、でも詞を見たらまぁ……。
一同:(笑)。
山中:音としても、もう4人ともが好き勝手やった楽曲ですね。僕の中では「BLACK MEMORY」と「Flower」である程度完結していたので、その2曲だけでもいいくらいやったんですけど、そこを3曲入りで出す理由は何やろな?って考えたときに、やっぱり僕らがどんどんステップアップしていく中で……なんやろな、僕らはバンドマンに向けて曲を書いているわけでも、業界の人に向けて書いているわけでもなくて、自分たちを好きになってくれるファン、リスナーに向けて書くから、そのために分かりやすさや伝わりやすさの部分でバランスをとりながら、これまで楽曲を作ってきたんですね。で、それが少しずつやけど認めてもらえるにつれて反比例して出てくる、アーティスト性やクリエイティヴに欠けるよねとか、アレンジださくね?とか……そういう声に対しての「いや、俺らはできるからな」っていう意思表示を、カップリングの3曲目だからこそできました。メンバーにも自由にやっていいよって言って作りましたね。
――それが僕にはすごくオーラルだなと感じられたんですよ。自由にやってくれと言われたみなさんは、どうアプローチしていきました?
あきら:言葉にするのは難しいですけど、でも楽しかったよな?
一同:うん。
中西:インディーズの頃から、展開やリズムをどんどん変化させていくのがすごく好きな集まりなので。歌に寄り添うためにそこを削ってバランスをとってきたんですけど、「好きにやっていい」って言われたときには、バイキングで好きなものを取って寄せて集めるけど、それを一つにしたときにちゃんとディナーになるみたいな(笑)。そういう遊び方に近いかもしれないです。
鈴木:僕はもう150%の自分を出しただけですね。一番肌に合う感じで、考えることも何もなく、ほんまに自分の中ではこの曲が僕の名刺代わりくらいの気持ちです。
あきら:これだけ一般受けを狙わないで作る曲って、けっこう久しぶりだったなって。
THE ORAL CIGARETTES 撮影=上山陽介
――言い方が正しいかどうかわからないですけど、この曲はメンバーそれぞれのプレイヤーとしてのガス抜きでもあったんですかね?
山中:うん、はけ口ですね(笑)。やっぱり表題曲にはみんなの手グセとかより新しい挑戦を詰めていったりしてきたので、そこにバランス感覚や迷いもあるんですけど。「接触」に関しては、みんなの手グセがしっかりハマるなっていうことを、作っている段階から思っていたので。「シゲとか、もうどエラいフレーズつけてくるやろな」ってニヤニヤしながら作ってた(笑)。
――そしたら案の定150%で来た(笑)。
山中:150でしたねぇ。めっちゃ気持ちよかったですもん。お前、手グセ出まくってるけどマジで気持ちいい!っていう。
鈴木:はははは!
――これ、ライブでも聴きたいです。で、最後になりますけどこれからの展望をそれぞれから聞いていいですか。
中西:オーラルを知ってくれる人がどんどん増えていく中で、ちゃんと地に足をつけたままどこまでもスケールを大きくしていくことや、やったことのないことに挑戦していくことを、ちゃんと自分たちでやっていくっていうのが一番のテーマなので、変に浮かれることなくやっていかなきゃいけないなって思います。その中で新しい景色をお客さんと共有したり、次のステージやビジョンを提示しするための挑戦は、これからもずっと続いていくので。
秋のツアーも今までで一番大きいものになるし、そこでしっかり「オーラルはこの規模でも全然まわれるな」「まだまだ広いところで観れるな」っていうバンドのスケールを、お客さんが実感できるツアーにしたいです。それがあってこそ次の大阪城ホールに向けて安心して付いてこられるし、大阪城ホールが終わったときにまた「次は何するんやろ」「どこを目指していくんやろ」「必死について行かなあかんな」って、そう思わせられるバンドであり続けたいなって。いろいろ不安やビビることもあるんですけど、それも踏まえて自分ららしく……ファンに寄り添いたい気持ちもありつつ、常に2、3歩先を走っていきたいですね。
鈴木:今後自分たちがどう進んでいくのか、どうなっていくのかがすごく試される向こう半年になるだろうなと思うので、より自分たちを理解したいです。最近ちょくちょく「シンプルになっていくよね」って言ってもらえるんですけど、もっと自分たちの曲を理解してライブをやっていけば、よりシンプルになっていける気がするんですよね。そこがまだ自分の中では足りてないところだと思っているので、自分が上手ギターを弾いてる意味をもっと理解していかなきゃいけないっていうのが、いま見えてる目標ですね。その答え合わせを、もし良かったら城ホールに観に来ていただいて、そこで正解を提示できるようにしたいと思います。
あきら:今年の前半はすごい濃かったんですけど、縮めていたバネを伸ばす行動がすごい面白くて、楽しくて。新しい挑戦をこの4人でできてることにすごく喜びを感じたんですよ。だから規模が大きくなることは嬉しいし、それによってできることが増えていったり、達成感も得られるので、バンドやっていて良かったなと思うんですけど、もっともっと先を見るためにはいい曲を作らないといけないし、それをちゃんと上手に届けないといけない、伝え切らないといけない。これからよりそういうところに頭を使って、みんなで作戦を考えて、当たり前のように大阪城ホールでできるバンドになりたいですね。
――最後、拓也さんお願いします。
山中:いつまでも悩んでるバンドでいいんやろなって思っているので、次のツアーでも僕らはいろんなものを探して見つけていく。……完成形なんて出ないと思うんですね。でもその完成に向かっていく姿をお客さんと共有することの大事さも、これまでたくさん感じてきたので。迷ったり探したりする姿すらお客さんに見せられるバンドとして、お客さんたちと一緒に上がっていって、歳をとっていきたいとも思うから、ツアーはそういう未完成な状態で成長していく過程をどれだけ共有できるかがキーワードになるし、何かを見つけた感動をみんなで味わいたいです。その集大成としてとりあえず大阪城ホール……大阪城ホールも俺らが求めている最高ではないと思うんですね。でも現状の、ツアーで見つけたものも全部ぶつけた大阪城ホール公演が、どれだけレベルアップしたものになるかっていうことが自分たちでも楽しみだし、お客さんにも楽しみにしてほしい。それを観に来てほしい。地元・関西やし。
――それだけに思い入れも。
山中:うん、やっぱりありますね。
――武道館以上の景色、期待しています。……僕、個人的に城ホール行ったことないんですけど。
鈴木:お、じゃあ来てくださいよ! 平日ですけど。
――初めてを捧げに行こうかなと。
山中:っしゃあ!!(一同笑) 頑張ります!
取材・文=風間大洋 撮影=上山陽介
THE ORAL CIGARETTES 撮影=上山陽介
発売中
初回盤(AZZS-68):¥1,800(tax out)
通常盤(AZCS-2069):¥1,200(tax out)
M1:BLACK MEMORY(映画「亜人」主題歌)
M2:Flower
M3:接触
今年の春に開催された「唇ワンマンツアー UNOFFICIAL DINING TOUR 2017」の4月6日岡山CRAZYMAMA KINGDOM初日公演から5月12日大阪Zepp Osaka Bayside公演までの全公演に密着したドキュメンタリーを収録。
11月1日(水)大阪・Zepp Osaka Bayside
11月8日(水)名古屋・Zepp Nagoya
11月9日(木)名古屋・Zepp Nagoya
11月17日(金)北海道・Zepp Sapporo
11月24日(金)広島・LIVE BLUE HIROSHIMA
12月5日(火)東京・STUDIO COAST
12月6日(水)東京・STUDIO COAST
11月13日(月)富山 MAIRO 18:30/19:00
11月15日(水)福島 HIPSHOT JAPAN 18:30/19:00
11月27日(月)愛媛 niihama JEANDORE 18:30/19:00
11月29日(水)熊本 熊本 B.9 V1 18:15/19:00
前売:¥4,500
一般発売日:10月21日(土)
2018年2月15日(木)大阪城ホール
開場 17:30 開演 18:30 アリーナスタンディング(ブロック指定)/ スタンド指定席 5500円(税込)