舞台「ベイビーさん~あるいは笑う曲馬団について~」池田純矢、鈴木勝吾、井澤勇貴にインタビュー!
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(左から)井澤勇貴、池田純矢、鈴木勝吾
急逝した天才・中島らもの伝説の舞台が、2015年に甦る!
11月7日(土)から14日(土)まで、Zeppブルーシアター六本木にて「ベイビーさん~あるいは笑う曲馬団について~」が上演される。本作の舞台は、第2次世界大戦に突入するころの満州の地。軍隊の慰問にきたサーカス団とそれを取り巻く人々の物語。
本作の主演を務める内海少尉役・池田純矢と、ボーズ役・鈴木勝吾、そしてゾウさん役・井澤勇貴にインタビュー!舞台のパンフレット用の撮影をしているスタジオにお邪魔してきた。
――ご自身が演じる役について。
井澤:僕は“ゾウさん”…ゾウの役でなくゾウを手懐けているゾウ係ですね。
鈴木:僕は“ボーズ”。(ボーズの年齢が)11,12歳くらいなので演劇でしかできない役ですね。台本に「キレイな馬だね」という印象的な言葉があるんです。ボーズは戦争孤児。満州の地でいろいろ傷ついていると思うんだけど、その言葉にボーズにも純粋な心がまだ残っていたって思ったんです。台本を読んでいて嬉しかったです。戦時中というこの時代に、ボーズの存在が最後の結末に向けて光を通せる役になれたらと思います。
池田:僕は“内海”という軍人の役なんです。
典型的な日本軍人。当時の人たち、特に軍部の人ってすごく集団意識に縛られていて、自我が芽生えることはよくないことだ、という考えで。自分の意見を発することもはばかられるというか。僕が演じる内海もカタブツです。でもサーカス団と出会い、いろいろな人と出会って自我が芽生え、迷って揺れているんです。セリフはお堅いが、セリフの裏側にある感情を大事にしたいです。上手く表現していかないとな…難しいが素敵な役ですよ。
池田純矢
――三人そろっての競演は「薄桜鬼」以来ですね。3人でいるとどんなことをしているんですか?
池田:井澤をいじることだね。
井澤:なんでいじられキャラなんだろう俺。
鈴木:当時も三人で一つの楽屋だったんです。
――今回も一緒の楽屋になるかも!?みんなで飲んだりもするんですか?
池田:飲みますね。飲んでもキャラ変わらないけど。
あ!しょーちゃん(鈴木)はこんなに落ち着いてないけどね(笑)
――今回G2さんの演出を初めて受けることになると思いますが、いかがですか?
池田:ビビりますよね、正直。初めてこの話を聞いたとき、“主演”と聞いて「マジか!」と。演劇をやってる人間としてはG2さんの舞台は一度は出たいと思いますね…でも、「この話、(途中で)ポシャるんじゃないかなー。公演初日までたどり着かないんじゃないかな。こんなに自分を喜ばせといて…」って。“主演・池田”の名前がちゃんと世に出るまで半信半疑でした(笑)
鈴木:僕はビビったりはしないけどね。26歳なんで。そういうことでいちいちビビっていられない歳になってきたというか。落ち着いてやっていかないとね。…もちろん出演できることは嬉しいし、ビビってもいるんだけど!
鈴木勝吾
――“いじられキャラ”の井澤さんは?
井澤:僕はG2さんにいじられて…
池田:井澤だけ毎日残されてダメ出しが40pあるとか!?
井澤:それ、凹むわ(笑)G2さんとは、一方的に知っていた人…TVとかで小さいころに見ていた司会者に会う感覚です。どれだけ頑張れば会えるんだろう、という感覚と同じです。
池田:G2さんは、エンタテイメントに特化した方なんだろうなあと思います。人の内面を描くのが上手な人なんだろうなって。ミュージカルも翻訳劇も、難しい題材を身近な作品に変える人。お客さんが子どもに戻れるような作品を作る方というイメージです。いち観客としても好きな演出家さんです。
――ところで、この作品に出てくる「ベイビーさん」。人によって違う動物に見えるという設定ですが、自分の役ではなく自分自身ではどんな動物に見えそうですか?
池田:うーん。どう思う?
井澤:僕がそもそも見つけたんだけどね、ベイビーさんを。そういう台本なんです。僕自身では、架空の動物かな。
池田:麒麟とか、ユニコーンとか?
井澤:そう。すでに確認されている動物ではないんだろう。と思います。
井澤勇貴
――舞台で「ベイビーさん」をどう表現していくのかも見どころですしね。
池田:リリパットアーミーでやった表現でいくのか、違う形でいくのか。僕自身にはまだベイビーさんが見えてないです。
鈴木:なんだろう…理由はないけど、直観で…仔鹿!変な色の仔鹿!(笑)
――これで心理テストがあったら面白いですね。
井澤:「仔鹿に見えるあなたはこんな性格で…」
鈴木:そういえば、動物占いで俺、仔鹿だったわ(笑)
――マジメな話も。ご自分にとっての演劇・舞台とはどういうものですか?
池田:僕は「仕事」だと思ってます。いい意味でプロ意識をもって。1円でも人からお金をいただく仕事なので。自分が役者として演じるときは「自分が観客になる」ことを忘れないようにしています。自分がどういうものを観たら面白いのか…自分が観たい作品を作りたいです。自分がおもしろいと思えないと人におもしろいって言えないし。
鈴木:僕は絵本の中にダイブしていくイメージ。ヒーローになったり、空手家になったり、魔法を使ったり、剣を使ったり鬼になったりロボットになったり…そういうのが好きなんです。自分ってどういう人間かいまいちわからないので、台本読んで何かになっていたときのほうが安心していられるんです。芝居や役とは自分にとっての「指針」かな。芝居をやっているときの時間は鈴木勝吾でありつつも役としてこう生きていけばいいんだって「指針」…俺、役者やめたらヤバイかも!廃人になるかも!
池田:ずっと“鈴木勝吾”でいなきゃいけない(笑)
鈴木:ツラい(笑)鈴木勝吾でいるときはこれいうべきか言わないべきかとか悩むじゃん。でも役があればその間はどう生きていけばいいか、わかる訳だし。だから「指針」かな。
井澤:僕は子どものころに見ていた夢がかなう仕事。消防士になりたいとか、警察官になりたいとか。役を通して経験させてもらえる訳で、子どものころに描いていたことが少しでも実現する仕事。この業界長いんで、物心ついたころから歌やダンスなど経験させていただいた。だから僕の中の軸は芝居や歌、ダンスなんです。自分が感じてみんなに表現すること…勝吾くんもいってたけど役者でなかったら僕もどうなっていたか。
井澤:楽しみにしていることは先輩方の芝居。どれだけ食い下がれるか。戦って吸収していけるか。
井澤勇貴、池田純矢、鈴木勝吾
――最後に、今回の舞台で楽しみにしていることは?
井澤:これまでやったことのない初めての役なので、ただ吸収したい。自分の役がベイビーさんがどう見えるかを考えるためのスパイスとなればいいかな。
鈴木:楽しみにしているのは、また新しい演劇に会えるってこと。この前やった西田シャトナーさんの演劇とも違う、らもさんの演劇、G2さんの演劇。また一つ新しい演劇に会えるのが本当にうれしいですね。
池田:…二人に全部言われちゃった(笑)
鈴木:“玉ちゃん”は?
※玉ちゃんとは内海少尉の心を揺らすキャラクター。
池田:ああ!玉ちゃんとは仲良くやりたい。この物語は恋愛も描かれているんだけど、大正ロマンスみたいな“描かない”美しさがある。大人なのに甘酸っぱいんです。そういう恋愛モノは演じたことがないので楽しみですね!
日時:2015年11月7日(土)~11月14日(土)
会場:Zeppブルーシアター六本木
作:中島らも
演出:G2
出演:池田純矢、鈴木勝吾、井澤勇貴、入来茉里/久保酎吉、植本潤、木下政治、林 希、坂元健児/小須田康人/松尾貴史 ほか
公式サイト:http://baby-san.com/
お問い合わせ:セガ・ライブクリエイション 03-6871-7680(平日10:00~18:00)