ブロードウェイの実力派俳優&ダンサーが極上のパフォーマンスを魅せる!『ソング&ダンス・オブ・ブロードウェイ』会見レポート

2017.10.7
レポート
舞台

『ソング&ダンス・オブ・ブロードウェイ』


2017年10月7日(土)から9日(月・祝)まで、東京・東急シアターオーブにて、ワールド・ミュージカル・コンサート『ソング&ダンス・オブ・ブロードウェイ』 が上演される。本公演は、東急シアターオーブ5周年を記念して催されるコンサート。本劇場が世界で活躍するミュージカル・スターを日本に招聘し、名曲の数々を披露する貴重な機会となっている。今年の公演のリハーサルの模様が一部公開され、併せてキャストによる取材会が行われた。

今回来日した俳優は、アール・カーペンター(『レ・ミゼラブル』ジャベール役ほか)、シボーン・ディロン(『サンセット大通り』ベティー役ほか)、ウィレマイン・フェルカイック(『ウィキッド』エルファバ役ほか)、エリック・クーンジー(『ミス・サイゴン』クリス役ほか)の4人。

『ソング&ダンス・オブ・ブロードウェイ』

リハーサルでは、ミュージカル『スモーキー・ジョーズ・カフェ』のナンバーから「オン・ブロードウェイ」が披露された。生バンドの伴奏にあわせ、シボーンとウィレマインが主旋律を歌い始めると、アールとエリックがコーラス部分を歌う。そのうち、男性陣が主旋律、女性陣がコーラスへと入れ替わり、徐々に4人が入り乱れてサビではまるでミニライブのような盛り上がりとなった。伸びのある高音、そして安定感のある中低音を駆使しながら、身体全体を使って伸びやかに歌い上げる4人の姿は、たった一曲だけでもその実力の高さを窺い知れるものだった。

『ソング&ダンス・オブ・ブロードウェイ』

『ソング&ダンス・オブ・ブロードウェイ』

リハーサルの後に行われた取材会では、シンガーの4人に加え、ダンサーのジェイミー・ヴェレイジン、ダニエル・ゲイモン、ミシェル・カマヤ、コルビー・リンデマンも出席して行われた。

初顔合わせのメンバーによるリハーサルの様子を伺うと、ウィレマインは「本当にすばらしいキャストたちなんです。歌いだすと瞬時に綺麗なハーモニーに入れるんです。本当に天にも昇るような気持ちです」と真っ先に感想を述べた。

ウィレマイン・フェルカイック

シボーンは「今回声域が近いメンバーと共演するんです。音域が近いと本当は音を取るのが難しくなるのですが、逆にうまくハマるとものすごく美しいハーモニーを作ることができるんです。今回のコンサートは短期間での準備となりいろいろ大変ですが、ステージに立ったら私たち自身が興奮状態になるような素晴らしいものが作れると確認しています」と胸を張った。

シボーン・ディロン

エリックも4人のハーモニーについて、「難しいハーモニーを集中して作り上げていますが、これを本番で歌うのが本当に楽しみですね」とコメント。

エリック・クーンジー

アールは「普段、プリンシパルとして一人で歌うことが多いので、こうやって大勢で歌うことが楽しいです」と話した出したが、「一人で歌ってないから少しくらいミスしてもごまかせるかな?(笑)」と冗談を口にすると、すかさず他のメンバーから「こらこら!」と笑いながら突っ込まれていた。

アール・カーペンター

今回はブロードウェイで活躍中、2017年4月に開幕した新作『バンドスタンド』のアソシエーション・コリオグラファーを務めるマーク・スチュアートを演出・振付に招き、これまで以上にショーアップしたコンサートを作るという。

ダンサーチームのジェイミーはこのことにも触れ、「最高中の最高よ!アメリカでもトップレベルのダンサー、パフォーマー、シンガーが集まっているんですから!さらにマークや日本の一流のスタッフも加わっているし、遊びのような楽しい時間となるでしょう」と興奮気味に語った。

ジェイミー・ヴェレイジン

同じくダンサーのダニエルは「今回いろんなジャンルのダンスをお見せできるのが自分にとっても嬉しいですね。スウィング、タンゴ……などなど。素晴らしいものをお見せできると思います。あと、マークにすばらしい振付をつけてもらえるのも嬉しいです。多様性は大事。人生でもね。それが詰まっているコンサートとなるでしょう」と見どころに触れた。

ダニエル・ゲイモン

今回のコンサートに日本からのスペシャルゲストとして、中川晃教、石井一孝、龍真咲が日替わりで出演する。3人の印象について、ウィレマインは「大好きです!素晴らしい方々です。皆さんとリハーサルをしましたが、美しい魅力的な歌い方で、人柄もよくて。この共演が素晴らしい経験となると思います。観にいらっしゃるお客様の反応も楽しみですね」と語った。この言葉に続いてアールも「このコンサートは、文化の融合の場であることも重要だなと感じています。違う文化を持つお互いが学び合うことも多いんじゃないかな?」と口を揃えて日本のアーティストたちとの“競演”を楽しみにしていた。

ちなみに、初めて日本に来たメンバーに日本の感想を伺うと、エリックは「東京という街は狭くて密度が高いのにも関わらず、こんなに秩序が守られているのが驚きでした。別世界に来たようです」、ダニエルは「いろいろなところにケアが行き届いているし、皆さんとても親切。質問したらすぐ答えてくれるし。あと、日本から発信される“想像力”……子どもの頃、よくTVアニメを観ていたんですが、それはこの国、この都市から生まれたんだなあ、と実感しましたね」と語った。

この取材会では比較的言葉少なめだったコルビーは、同じ質問を振られると突然「僕は(犬の)コーギーの大ファンなんですが、日本の方もコーギーが好きだということが嬉しかったです!」と力説し他メンバーが大笑いする一幕も。「それはさておき(笑)、お互いを尊重し合って暮らしているのが心あたたまりますね」と改めて笑顔で日本の印象をコメントしていた。

コルビー・リンデマン

なお、2回目の来日となるミシェルは「ショーを作ることが最優先ですが、それが落ち着いたらキュートな街・原宿にでも行こうかな?初めて日本に来たダニエルとコルビーを連れて私がツアーガイドになっていきたいと思います。そう言いつつ私が道に迷わないように気を付けますね」と両脇のダニエルとコルビーの腕をつかんでいた。

ミシェル・カマヤ

最後に取材会の様子を眺めていたマークが呼び込まれ、一言ご挨拶。「素晴らしいキャストが集結し、個々のパフォーマンスが融合し、その相乗効果で今まで見たことのないステージになると思います。そしてそれをお見せできると確信しています」と力強く語っていた。

マーク・スチュアート

取材・文・撮影=こむらさき

公演情報
ワールド・ミュージカル・コンサート『ソング&ダンス・オブ・ブロードウェイ』
日時:2017年10月7日(土)18時、8日(日)14時、9日(月・祝)14時
会場:東急シアターオーブ
演出・振付:マーク・スチュアート
出演:
アール・カーペンター、シボーン・ディロン、ウィレマイン・フェルカイック、エリック・クーンジー
ダンサー:MARK STUART DANCE THEATRE(ジェイミー・ヴェレイジン、ダニエル・ゲイモン、ミシェル・カマヤ、コルビー・リンデマン)

スペシャルゲスト:10月7日(土)中川晃教/8日(日)石井一孝/9日(月・祝)龍真咲

■公式サイト:http://theatre-orb.com/lineup/wmcs/​

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