ゴジゲン新作公演『くれなずめ』稽古場レポート~ クセは強いが中毒性も高い
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ゴジゲン新作公演『くれなずめ』の稽古場の様子
若手映画監督としても注目を集める松居大悟が主宰する劇団、ゴジゲンの新作公演『くれなずめ』が2017年10月19日から、下北沢の駅前劇場で上演される(その後、京都、北九州を巡演)。開幕を前に、都内で行なわれている稽古を見学した。
ゴジゲン新作公演『くれなずめ』の稽古場の様子
ゴジゲン新作公演『くれなずめ』の稽古場の様子
登場人物は29~30歳の男たち。高校の帰宅部仲間で、久しぶりに東京の友達の結婚式で再会するという設定。役者陣の年齢も28~34歳だから、ほぼほぼ等身大の演劇と言える。都内にある稽古場に入ると、出演者が全員男性ということもあるだろうが、何というか、"男子校"っぽい雰囲気が漂う。ノリツッコミと下ネタが入り混じり、わちゃわちゃしているあの感じ。正直、"女子校"育ちの私にとってはちょっと入りづらい(笑)。
ゴジゲン新作公演『くれなずめ』の稽古場の様子
ゴジゲン新作公演『くれなずめ』の稽古場の様子
松居が主宰するゴジゲンだが、松居と劇団員の関係性はあくまで対等だ。この日も、「ここで高校のノリっぽいことをしたいんだけど、どう?」。そんなことを松居が問いかけると、劇団員たちは車座になって意見を出し合ったり、実際にやってみたり。およそ1時間半の稽古場見学のうち、いわゆるシーンの練習は計40分ほどで、残りのほとんどの時間はこうしたブレストの時間に費やされていた。「みんなで創っていこう」という劇団の姿勢が良く分かる。
ゴジゲン新作公演『くれなずめ』の稽古場の様子
ゴジゲン新作公演『くれなずめ』の稽古場の様子
ゴジゲンは、2008年、慶應義塾大学公認演劇サークル"創像工房 in front of."内で結成。2011年から3年間の休止期間を経たものの、来年でついに10周年を迎える。筆者自身、大学生の頃からゴジゲンを見てきたが、一貫して思うゴジゲンの魅力は、何よりも彼ら自身が楽しそうなこと。学生時代からここまで、長くて濃密な時間を共有しあっているからこその表現や彼らなりのメソッドがあると思っている。確かに"クセ"も強いのだが、その分"中毒性"も高い。
ゴジゲン新作公演『くれなずめ』の稽古場の様子
ゴジゲン新作公演『くれなずめ』の稽古場の様子
活動再開まもなくのドキュメントタッチの演劇から脱して、今回は6年ぶりの“物語”芝居。おなじみのメンバーながら、全員が劇団員として迎える初めての公演でもある。どんな様相になるのだろう。長年劇団を見続けてきた人も、初見の人も。彼らの新作をぜひ生で体感してほしい。
ゴジゲン新作公演『くれなずめ』の稽古場の様子
ゴジゲン新作公演『くれなずめ』の稽古場の様子
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・本折最強さとし×善雄善雄が語る、ゴジゲンの新作公演『くれなずめ』
取材・文・撮影=五月女菜穂
【東京公演】
下北沢 駅前劇場
2017年10月19日(木)~29日(日)
【京都公演】
KAIKA
2017年11月4日(土)~5日(日)
【北九州公演】
北九州芸術劇場 小劇場
2017年11月11日(土)~12日(日)
作・演出:松居大悟
★10/26(木)14:00 アフタートーク
登壇:松居大悟、目次立樹、本折最強さとし/ゲスト:玉置玲央(柿喰う客)