ミュージカル『ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~』大阪上陸! 5人のビリー&吉田鋼太郎お父さんが会見

インタビュー
舞台
2017.10.19
ミュージカル『ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~』囲み会見にて(撮影/石橋法子)

ミュージカル『ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~』囲み会見にて(撮影/石橋法子)


05年、ロンドンを皮切りに世界5大陸で上演され、トニー賞をはじめ世界各国で80以上の演劇賞を獲得した感動のミュージカル 『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』。舞台の原作となった映画「リトル・ダンサー」のスティーヴン・ダルトリー監督が自ら演出を手掛け、『ライオン・キング』『アイーダ』のエルトン・ジョンが作曲を務めた超話題作だ。熱狂の内に幕を閉じた東京公演に次いで10月15日、待望の大阪公演が梅田芸術劇場メインホールにて開幕した。初日前日には囲み会見が行われ、1,346人の中からオーディションで主役を射止めた加藤航世木村咲哉前田晴翔未来和樹山城力5人のビリーと、お父さん役の吉田鋼太郎(益岡徹とダブルキャスト)が顔を揃え、作品の魅力をアピールした。

「大人が観てももう一度頑張ろう!と思える。夢に突き進む少年の姿が感動的です」(吉田)

ーーーまずは自己紹介を兼ねて、年齢と大阪公演への意気込みをお聞かせください。

加藤航世(以下、加藤) かとう・こうせい13歳です。残りが少ないので1回1回を大切に丁寧にやっていきたいです。

木村咲哉(以下、木村) きむら・さくや11歳です。大阪公演でも観に来てくれるお客さんや応援してくれるお客さんに、たくさんの感動を与えられるように頑張りたいです。

前田晴翔(以下、前田) まえだ・はると12歳です。東京公演と同じように大阪公演も頑張ります。

未来和樹(以下、未来) みらい・かずき15歳です。大阪公演は東京公演に比べて回数が少ないんですけど、その分熱く濃い舞台にしていきたいなと思います。東京の時よりももっとたくさんの感動をお届けしたいなと思います。

山城力(以下、山城) やましろ・りき11歳です。東京公演より大阪公演の方が劇場が広いので、東京の2倍ぐらい頑張らないと皆様にお届けできないかなと思いますので、東京の2倍頑張ります!

吉田鋼太郎(以下、吉田) よしだ・こうたろう58歳です(ビリーたち爆笑)。東京で約100ステージほどやらせていただきました。馴れ合いになるとか、芝居を掴めたとかいうことはなく、まだまだ発展途上であります。もっと良いものを作っていこうと彼らはもちろん、周りで支える僕らも思っております。目の肥えた大阪のお客様に素晴らしい感動をお届けすべく、頑張ろうと思っております。

左から加藤航世、木村咲哉、前田晴翔、未来和樹、山城力

左から加藤航世、木村咲哉、前田晴翔、未来和樹、山城力

ーービリーの皆さんは東京公演を経験してみて、本番のステージはやっぱり違うなと感じたり、本番になったら「できた!」ことなど、なにか印象的に残っていることはありますか?

山城 はい! 僕は「Electricity」の場面でピルエットの4回転がごくたまにしかできなかったんですけど、初めて本番のステージできれいに4回転ができて、しかも止まることができたので、良かったなと思いました。

山城 力(中央)

山城 力(中央)

未来 大きなナンバーが終わった後もそうですけど、最後のシーンで「フィニッシュ!」と両手を広げて言い切った時に、すごい大きな歓声と拍手をもらえたことが、ただただ嬉しかったです。もちろん、何回やっても大変で辛いんですけど、終わった時にすごい歓声と拍手が聞こえるので、「やっぱり今日もやって良かったな」と思えることが、僕にとっての幸せでした。大阪公演でも同じようにお客さんから拍手を頂けるように、頑張っていきたいなと思います。

前田 稽古ではみんな台詞を知っているからウケないんですけど、本番でやるとお客さんがすっごい笑ってくれて、色んな台詞で笑ってくれるから自分もすっごい楽しくなりました。そこが想像と違っていて、気持ち良かったです。

木村 稽古はフラットなところでやっていたんですけど、本番の舞台には傾斜がついているので、感覚とかも全然違うから。それで初めてやってみて、まぁ…できたんですけど(笑)。その時はすごい嬉しいし、楽しかったです。

加藤 本番を経験したからかは分かりませんが、他のキャストの皆さんから演技と歌が「上手くなった」と言われて嬉しかったです。

吉田 本当に、はじめた頃とは全然みんな違っていて、ビックリします。ダンスと歌に関してはすごくフィジカルなもの。ある程度レッスンを積んでいけば、具体的に成果が見えるものですが、お芝居に関してはやっぱりコミュニケーションなので、気持ちと気持ちの渡し合い、それは練習してできるものではないので。そこを彼らもだんだんとコツを掴んできたり、あるいは舞台上でちゃんと心を通わせるということが分かってきた。本当にお芝居が上手になってきました。こうなると怖いものはないですよね、踊れて歌えて、そこにお芝居ができるとなれば、今(彼らは)すごい状態になっていると思います。

ーーちなみに皆さん、怖いものはないですか?

未来 まんじゅうが怖いです。

吉田 落語かよ!

未来 ジョークです(笑)。

左から未来和樹、山城力、吉田鋼太郎

左から未来和樹、山城力、吉田鋼太郎

 

吉田 (共演の)女子とか怖くないの? 対立とかないの?

ビリー達 ないよね。

吉田 あ、そう。上手くやってるんだ。恋は生まれないの、晴翔?

左から前田晴翔、未来和樹、山城力

左から前田晴翔、未来和樹、山城力

未来 (前田に)指名されたよ(笑)。

前田 ……いや。

山城 「いや」って、間があったよ(笑)。

吉田 日々こんな感じてやっております(笑)。

左から前田晴翔、未来和樹、山城力

左から前田晴翔、未来和樹、山城力

ーー吉田鋼太郎さんの第一印象は?

加藤 怖かったです(笑)。だけど本当は優しい人だと、今は分かっています。

木村 僕も話しかけてみたいんですけど、最初は怖くてどう話しかけていいか分かりませんでした。東京公演では吉田さんが「イキイキしていこうな!」とか言ってくれるから、劇中もすごく楽しくできるから嬉しかったです。

吉田 ははは(笑)。

前田 僕も外見が怖かったというか、なかなか稽古場でも話しかけられなかったのですごい寂しかったんですけど。本番前とかすごいしゃべってくれて、劇中でも荷造りのシーンでたくさん話しかけてくれるので、フレンドリーな方だなと思いました。

5人のビリー&吉田鋼太郎お父さん

5人のビリー&吉田鋼太郎お父さん

未来 僕も怖そうだなという思い込みがあったので、初めて製作発表の場でお会いした時はすごく優しかったのでビックリしました(笑)。今は優しいイメージしかないです。

山城 僕は怖かったというより、怖いの2倍ぐらい緊張していました。テレビとかでもよくお見かけする方ですし、めっちゃ緊張しちゃってガッチガチで話しかけることが全然できませんでした。本番ではビリーが出る直前に「よし行こう!」と吉田さんが言ってくれるんですけど、その一声で(舞台が)「始まったな」と感じることができます。そこで完全にスイッチが切り替えられるので、楽しんで演じることができます。

ーー吉田さんも、お父さんのような心境でしょうか。

吉田 最初の製作発表から比べると、今も本当に自分たちからよくしゃべっている。前へ前へ出ているので、もう保護者はいらないんじゃないかと。ずっとお父さんという気持ちはありますが、今は温かく見守るというよりは、戦友という感じです。むしろ彼らから教わることがたくさんあるような気がしていて、勉強させてもらっています。このぐらいの年代の子供ですか? 面倒くさいっちゃ面倒くさいですが、かわいいですね。欲しいです。

ーービリー役の5人は、公演期間中にも身長が伸びているそうですね。

加藤 リハーサルで145センチぐらいだったのが、今は150センチです。

木村 オーディションに応募したときは132センチぐらいで、今は145センチぐらい。

未来 僕はずっと航世と追いかけっこをしています。僕の方が高かったのに、1週間ぐらい前に少し抜かされて、数日後に僕が追い越して、今日比べたらまた追い越されていました。だから、もう一回追い越さなきゃ!

山城 僕も応募する前は133センチぐらいで、今は141.5センチぐらい。でも晴翔に負けたな。最初は勝ってたのにな~。

前田 僕は133センチぐらいだったのが、今は143センチぐらいです。

吉田 僕は173センチぐらいです。昨日測ったら171.5センチぐらいでした(ビリーたち爆笑)。

未来 縮みましたか!

吉田 これから(歳重ねると)縮むんだよ。

ーー(笑)。最後に吉田さんから大阪のお客様へメッセージを。

吉田 この物語は、バレエをやりたくてもやれない環境にいた少年がまわりの反対を押しきって夢に向かって突き進んでいく、その姿が大変感動的です。それは大人が観ていても、何か忘れてしまったことはないか、何かやり残したことはないか、でももう一度それを頑張ってみることが出来るんじゃないか、とそういう気持ちにさせてくれる。ショーとしても素晴らしい。誇張ではなく、本当に全シーンが見所です。歌、踊りすべてにおいてレベルが高いので、色んなものをお持ち帰り頂ける作品だと思います。この作品を観ずに、他に観る作品はありません。ぜひお見逃しなきよう、口を酸っぱくしておすすめしたいと思います。だよな?

ビリー達:はい!

最後はテレビカメラに向かって「劇場でお待ちしておりますー!」

最後はテレビカメラに向かって「劇場でお待ちしておりますー!」

取材・文・撮影=石橋法子

公演情報
ダイワハウスpresents ミュージカル 『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』
 
<大阪公演>
■公演期間:2017年10月15日(日)~11月4日(土) 全26回
■会場:梅田芸術劇場 メインホール
■料金(全席指定、消費税込):S席13,500円、A席9,500円、B席5,500円
 
の問い合わせ>
ホリプロセンター   03-3490-4949(平日10am~6pm/土10am~1pm/日祝・休)
 
<キャスト>
加藤航世 木村咲哉 前田晴翔 未来和樹 山城 力/吉田鋼太郎 益岡徹/柚希礼音 島田歌穂
久野綾希子 根岸季衣/藤岡正明 中河内雅貴/小林正寛/栗山廉(Kバレエ カンパニー) 大貫勇輔
 
森山大輔 家塚敦子 大塚たかし 加賀谷真聡 北村 毅 佐々木誠 高橋卓士 辰巳智秋 橋本好弘 羽鳥翔太 原慎一郎 丸山泰右 横沢健司 木村晶子 小島亜莉沙 竹内晶美 三木麻衣子 秋山綾香 井上花菜 出口稚子
 
古賀 瑠 城野立樹 持田唯颯 山口れん 香好 佐々木琴花 夏川あさひ
遠藤美緒 大久保妃織 小野梓 久保井まい子 佐々木佳音 高畠美野 近貞月乃 並木月渚 新里藍那 堀越友里愛 小溝 凪 笹川幹太 岡野凜音 菊井凜人 桜井 宙
 
<ロンドンオリジナルスタッフ>
■脚本・歌詞:リー・ホール
■演出:スティーヴン・ダルドリー
■音楽:エルトン・ジョン
■振付:ピーター・ダーリング
■美術:イアン・マックニール
■演出助手:ジュリアン・ウェバー
■衣裳:ニッキー・ジリブランド
■照明:リック・フィッシャー
■音響:ポール・アルディッティ
■オーケストレーション:マーティン・コック
 
<日本公演スタッフ>
翻訳:常田景子
訳詞:高橋亜子
振付補:前田清実
音楽監督補:鎮守めぐみ
歌唱指導:山川高風
照明補:大島祐夫
音響補:山本浩一
衣裳補:阿部朱美
ヘアメイク:前田節子
擬闘:栗原直樹
演出助手:西祐子、伴・眞里子、坪井彰宏
舞台監督:徳永泰子
技術監督:小林清隆
プロダクション・マネージャー:金井勇一郎
 
<コーチ協力>
バレエコーチ:K-BALLET SCHOOL
タップコーチ:Higuchi Dance Studio
アクロバットコーチ:コナミスポーツクラブ
 
■主催:TBS / ホリプロ/ 梅田芸術劇場 /WOWOW/MBS(大阪公演のみ)
■Billy Elliot the Musical worldwide is produced worldwide by Universal Stage Productions, Working Title Films and Old Vic Productions and is based on the Universal Pictures/Studio Canal film.
■特別協賛:大和ハウス工業株式会社
■協賛:Obagiイープラス 極東証券 こだま印刷 ジェイワールドトラベル
 
■日本公演公式サイト:http://www.billyjapan.com/
■日本公演公式ツイッター https://twitter.com/Billy_Japan
■日本公演公式フェイスブック https://www.facebook.com/BillyJapan
 
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