エレキコミック『LEMON LIME 100% GIRL』開幕目前インタビュー 結成20年目に語る愛とは?
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エレキコミックの単独ライブ、第27回発表会『LEMON LIME 100% GIRL』が11月1日の東京・本多劇場にて初日を迎える。コンビ結成から20年。DJや俳優等、各々の活動でも存在感を放ち、片桐仁も加わったユニット「エレ片」は結成10年を迎え、深夜ラジオ『JUNKサタデー エレ片のコント太郎』(TBSラジオ、土曜25:00~)は放送600回を迎えた。節目の年を迎えたエレキコミックの二人(やついいちろう、今立進)に、単独ライブへの意気込みやコンビ円満の秘訣を伺った。
第27回発表会『LEMON LIME 100% GIRL』公演フライヤー 公式サイトより
単独ライブはコース料理
――結成20周年となる今年の公演タイトルの『LEMON LIME 100% GIRL』に込めた意味を教えてください。
やついいちろう(以下、やつい) このタイトル、ぐっときませんか? いい香りがしてきませんか?
今立進(以下、今立) 柑橘系のね。
やつい 20年もやってますと、臭みも出ますから。
今立 マトンみたいにね(笑)。
やつい レモンとライムで臭みゼロに。デビュー当時のような爽やかでフレッシュな気持ちで、という思いを込めました。
――意気込みをお聞かせください。
やつい 今回はことさら意気込んで頑張ってみたんです。ぎりぎりまで粘ってみたんですが時がきてしまいました。
――やついさんは、毎公演全作を書き下ろされています。毎年相当の頑張りを求められてきたと思いますが、今年と例年とでは、なにが違うのでしょうか?
やつい これまで他人のために作るような気持ちでネタを書いてきたんです。今回は「自分たちのために」と頑張ってみたら難しいんですよ。これじゃダメだ、俺にはこんなのじゃダメだ!って自分へのハードルを高くしすぎてしまい、なかなか進まない。結局いつもどおり人のために書くように……(笑)、今は瞬発力と手ぐせで作っています!
――稽古も始まったそうですね。
今立 僕はいつも本番2週間前くらいから稽古に入るんです。それでも毎回「やばいやばい!」となるのが、もはや2週間を切りましたからね。僕も瞬発力でのりきります(笑)。ただですね、ネタは本当に面白いですよ。
やつい 出来上がったネタは面白いんです。元は別々だったネタをグッと凝縮して1つにまとめたり。そうしたら予定していたネタの本数に足りなくなってしまったんですね。でもまあ大丈夫です! 香りづけみたいな、“雰囲気”のネタを1本入れちゃうんで!
今立 単独ライブだからこその、狡猾なやり方ですよね。
やつい 単独ライブってコース料理なんですよ。丼ぶり一品とかやっていなくて、うちはコースでしかお出ししていないんですよ。今回は濃い味が続くので1本は軽い方がいいんです。それこそレモンとライムのジュースみたいにスッといけるような。そんな雰囲気のをスッと入れておきますね!
今立 たしかに全体を考えると、そういうネタがあった方がいいよね。
やつい 別に面白くはないんですけどね。それ。
今立 それ言わなくていいだろ!(笑)
エレキコミック (左から)やつい いちろう、今立進。
お客さんの反応を見ながら変えていく
――台本には今立さんのツッコミもすべて書かれているのですか? 今もコントのようにツッコミがはいるので、全部アドリブなのかな?と思いまして。
やつい ネタでもアドリブに聞こえるということは、演技が上手いということです。台本の台詞をアドリブっぽく言うのがすっごい上手い。
――では基本的には台本どおりなのですね。
やつい アドリブっぽく見せるには、バレないようにアドリブを言っちゃう。これが一番早いです。
――それ、もはやアドリブですね。
今立 アドリブですよ。
やつい つまりものすごく演技が上手いからアドリブっぽくアドリブを言える。するとお客さんにも気付かれづらいんですね。台詞なのかなぁ? アドリブなのかなぁ?……って。
今立 だからそれアドリブですよね!
一同 (笑)
今立 実際台本には僕の台詞も書いてあります。でも稽古の時からどんどん変わっていき、本番でも毎回違うものになるんです。
やつい 作家やお客さんの反応を見て入れ替えていくので、どこまでが台詞だったか分からなくなるんですよ。過去の公演DVDを観かえしても毎回「あれ? なんだこれ。ネタができあがる前のじゃないか?」って。
今立 担当は、毎回収録の時期を間違えていますね。
やつい そう思います(笑)。
エレキコミック(左から)やつい いちろう、今立進。
エレキコミック20年で変わったこと、変わらないこと
――20周年ということですが、コンビ円満の秘訣はありますか?
やつい 仲が良いアピールをしていたグループが解散していった気がしますね。
今立 歴史を紐解いてみればね(笑)。
やつい クールにいくのが長続きの秘訣なんじゃないでしょうか。お互いにやれることが違うので、やれることに関してはお互いを認めあう。あとはとにかく稼ぐこと! お金がないと、お笑いを続けたくても続けていけなくなりますからね。これはコンビに限らずご夫婦も同じですよ。稼ぎが悪くなればご夫婦も解散するじゃないですか。コンビも同じじゃないですかね。
今立 僕もストレスなくやらせてもらってきましたからね。
――公演を支えるスタッフの方々もほとんど変わらない顔ぶれだそうですね。
やつい 特に不満がないので、変える必要がないんです。
――初期メンバーに相当こだわったのでしょうか? フライヤーひとつをとってみてもこだわりとセンスを感じます。
やつい 来るもの拒まずでしたよ。初回公演から映像は同じやつが作っていますし、チラシデザインは僕の高校の同級生です。最初の頃に抜けた人もいますが、衣装や作家も加わってほとんど同じメンツですね。なんでもいえるのが、いいのかな。「良くない」「こうしたい」と思った時は、とやかく言います。自分の中の「これがいい」の基準に合わせて満足できるよう変えていきます。でもメンバーは基本的にずっと一緒です。
公演フライヤー。モデルは「バチェラージャパン」 で注目を浴びた蒼川愛。撮影は気鋭のカメラマン川島小鳥。 公式サイトより
――映像や音楽、フライヤー等からはおしゃれな印象を受けます。その一方、コントでは下ネタ満載です。順番として、下ネタをフォローするためのおしゃれ要素なのでしょうか? それとも、おしゃれすぎる照れ隠しの下ネタですか?
やつい 作為的なところはなくて、くだらない下ネタも好きだし、どうせならチラシはかっこいいデザインの方が好き。お笑いをする方の中にはその辺りを“気にしない格好良さ”を美学にされる方もいるかもしれませんが、僕にはそういうポリシーがない。ただ好きなものを並べている。それに、ダサいの嫌じゃないですか?
――ダサいよりはダサくない方がいいです! 今立さんからご覧になって、やついさんは昔からこのスタイルでしょうか?
今立 大学の落研で先輩後輩として出会った頃から、こうやって引っぱってきてくれましたね。今も落研の延長線上にいる感じがします。部員が二人だけ残った、小さくなった落研がエレキコミックですね。
「今でも落研のやつい先輩がやっていることだな、という感覚です」今立進
――変わらない部分がある一方で、お互いに変わったと感じる点もありますか?
やつい 20年あれば全部変わりますよ。老けましたし、結婚もしました。変わらないのは、コントをやっていることだけですかね。
今立 お笑いとしてのスタンスは変わりません。コントをやり、間に映像を流すという発表会の形態も同じです。「変わった」と言えば、相方が犬を飼ったことですね。
やつい この世で一番犬が好きです!
今立 溺愛ですよ。しかももう何年もどんなに忙しくても、毎日自分で散歩に連れていくんです。本当にすごいことです。偉いですよ!
――毎日ご自分で!?
やつい 約束したんです。こぶし(愛犬。白パグ)に「何があっても俺はお前を毎日散歩に連れていく。約束だ!」って。忙しさを理由にしていたら1日も連れていけませんよ。それに1回でもサボったら嫌になっちゃうって分かっているので。
――やついさんの性格的に?
やつい 白い服が少しでも汚れてしまったら嫌になってしまうんです。ジムも1回サボってしまうと行かなくなるからサボらない。1回もサボらないことで自分を縛っているんです。それに僕の都合はこぶしには関係ありませんからね。犬の寿命は人間より短いですよ。僕より先に死ぬことが分かっていますから完璧に最後まで面倒をみて、「ありがとう!」という気持ちで見送りたいんです。あー!本当に好きなんです!「好きだよこぶしー」って可愛がるんですよ。無償の愛。犬愛。
「こぶしと約束したんです!」やつい いちろう
今立 こういうイメージ、なかったでしょう? びっくりしますよ。パグから力をもらって、愛を語るようになりましたからね。そこが変わったと感じるところです。
やつい あと、インスタ系女子も大好きです! いつだって自撮りをあげてほしい。叩かれてもめげないでほしい。可愛いパグと可愛い女子が大っ好きです。かわいいから大好きです!
一同 (笑)
――お忙しい中ありがとうございました。最後にSPICE読者の方へお誘いのメッセージをいただけますか?
今立 僕らのライブを観たことがある方にも、劇場が初めてという方にもおすすめできる公演です。
やつい つまらないものを観させられる時に、一番つまらないのは劇場だと思うんです。つまらない舞台は苦痛でしかありませんから。でも面白いものを観る時に、一番面白いのも劇場です。他に代わるものがないくらい面白い。『LEMON LIME 100% GIRL』がどちらに転ぶか、皆さんに劇場で観ていただきたいです。
今立 ライブですからね(笑)。何も考えずに、ただただ笑える舞台ですよ。
やつい 笑えます。ぜひ劇場へお越しください!
愛犬こぶしへの惜しみない愛を語る。
エレキコミック第27回発表会『LEMON LIME 100% GIRL』は、2017年11月1日の本多劇場を皮切りに、大阪、愛知を巡演する予定。
取材・文=塚田史香
【東京公演】
下北沢・本多劇場
2017年11月1日(水)19:00開演
2017年11月2日(木)19:00開演
2017年11月3日(金・祝)18:00開演
2017年11月4日(土)14:00開演/18:00開演
2017年11月5日(日)14:00開演
※開場は開演の30分前
【愛知公演】
中川文化小劇場
2017年11月10日(金)19:00開演
※開場は開演の30分前
【大阪公演】
ABCホール
2017年11月11日(土)18:00開演
※開場は開演の30分前
■公式サイト:http://elecomi.com/
エレ片 コントの人・傑作選 スペシャル・ビューイング
(10/7(土)東京・日経ホールで行われたコントライブ『エレ片 コントの人・傑作選』の収録上映会)
新宿バルト9、大阪ステーションシティシネマ、ミッドランドスクエア シネマ(愛知)、T・ジョイ博多で上演。
詳細は下記HPでご確認ください。
http://liveviewing.jp/contents/elekata/
2017/12/14(木)18:30開演 スクエア荏原 ひらつかホール
出演:エレキコミック(MC)
出場予定:ゴールドラッシュ、おくまん、Yes-man、シロたろし、爆烈Q、南大介、カラフルトランプ、藤子、安本精肉、レッスン祐輝、かにゃ、綾瀬マルタ、街裏ぴんく、石川カズキ、エキストラ、月見峠、はしこばし、ブーメラン学園、森井照人
ゲスト:片桐仁(審査員長)
http://www.twinkle-co.co.jp/live/twinkle1gp.html
2018/1/10(水)~1/14(日) 東京グローブ座
プレオーダー受付:11/1(水)12:00~11/6(月)23:59
先着先行受付:11/12(日)12:00~11/13(月)18:00
一般発売:11/19(日)12:00~
https://www.tbsradio.jp/event/188784