大竹しのぶ、北村一輝らが、フィリップ・ブリーン演出のもと不朽の名作に挑む!『欲望という名の電車』製作発表
『欲望という名の電車』
大竹しのぶが、気鋭の英国人演出家とタッグを組み、名作『欲望という名の電車』に挑む。11月6日(月)には、本作の製作発表が行われ、演出を担当するフィリップ・ブリーン、大竹しのぶ、北村一輝、鈴木杏、藤岡正明が本作への思いを語った。
本作は、現代アメリカにおける最高の劇作家との呼び声も高い、テネシー・ウィリアムズの名をとどろかせた作品。大竹にとって本作は、2002年に蜷川幸雄演出の同作に同役で出演して以来2度目。演出家のブリーンとは、2015年上演の『地獄のオルフェウス』以来のタッグとなる。
ブリーンは、「この戯曲は表現的な言語に溢れていると感じました。家族の中の一つの悲劇にとどまらず、より大きな表現の世界にすることを目指しています」と説明。そして、本作のタイトルについて「この作品は、タイトルにある通り、欲望を扱っている作品です。心が発する欲望、そして肉体が求める欲望の両方が描かれています。また、欲望と両面のものとして死も描かれています。欲望が線路を走る電車と比喩されているのは、一度走り出したら止まらないものとして描かれているからです。電車は特別な人たちが乗るものではない。誰もが乗る乗り物だということも重要です。タイトルには、この戯曲が表現したいことが込められています」と、持論を展開した。
フィリップ・ブリーン
一方、「1年ぐらい稽古したいなって思うほど楽しい」と笑顔を見せた大竹は、「『地獄のオルフェウス』の時に、開幕してすぐにまたフィリップさんとやりたいとお願いしたのを覚えています。この作品は有名な作品ですが、『テネシー・ウィリアムズが描きたかったのはこういう世界だったんだ』っていうものを見せられるように頑張ります」と意気込んだ。また、同役を15年前に蜷川演出でも演じたことから、「蜷川さんともう一度やろうと約束していて、企画もあったんですが、それが実現できなくなりました。じゃあ、この作品を誰と一緒に作ろうと思った時、『フィリップならいいんじゃない?』って蜷川さんも言ってくれそうな気がしています」と蜷川との思い出も明かした。
大竹しのぶ
そして、「15年経って、15歳年をとって、女であることが終わっていく怖さや依存していかなければならない女性の気持ちももっとわかるようになっていると思います」と本公演への自信をのぞかせた。
大竹しのぶ
また、北村は「今までもこの作品は何度も上演されていますが、また違った、新しい舞台を見せられると思います。魅力あるスタンリー像を作っていけたら」とコメントし、鈴木は「27歳ぐらいの時に、蜷川さんから『今、ステラをやったらすごく良いと思う』と言われてから、意識し始めた役です。それが叶わなくなって、もう出会えないのかなと思っていたら、こんなところで出会えて、すごくラッキーだと思っています。日々を一瞬も逃すことなく、積み重ねていきたいと思います」と本作への思いを語った。
北村一輝
鈴木杏
ミック役の藤岡は、戯曲では187cm93kgという大柄の男として描かれていることから、自身との体重差を危惧しているようで、「今日から、本番に向けて太ります」と宣言。「どれくらい太ったのかという、影の楽しみも持っていただけたら」とアピールした。
藤岡正明
取材・文・撮影=嶋田真己
シアターコクーン・オンレパートリー2017
DISCOVER WORLD THEATRE vol.3『欲望という名の電車』
■作:テネシー・ウィリアムズ
■演出:フィリップ・ブリーン
■翻訳:小田島恒志
■出演:大竹しのぶ 北村一輝 鈴木杏 藤岡正明 他
【東京公演】2017年12月8日(金)~28日(木)Bunkamura シアターコクーン
【大阪公演】2018年1月6日(土)~8日(月)森ノ宮ピロティホール
■公式サイト:http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/17_desire/