【SPICE対談】ラジオの中の人［特別編］FM802新DJ 片岡健太（sumika）×Rover（ベリーグッドマン）

SPICE編集部が不定期でお届けしている『ラジオの中の人』。今回はいつもの［関西編］ではなく、［特別編］でお届けする。先月から新DJに片岡健太（sumika）とRover（ベリーグッドマン）を迎えてスタートした『MUSIC FREAKS』。同番組は「これからブレイクが期待されるアーティスト」をコンセプトに1998年のスタート以来、2組のアーティストが1年間・隔週交代でDJを務めるFM802の人気番組となっている。今回の『ラジオの中の人』では新DJの2人に先輩DJ飯室大吾がインタビュー。途中、先輩DJに聞きたいことを質問し逆インタビューにもなったり！？　と終始笑いの絶えない1時間となった。この1年間、片岡健太とRoverがラジオを通して伝えたいこと、やってみたいことをたっぷりと語ってもらった。

――このたびは『MUSIC FREAKS』DJ就任おめでとうございます！！

片岡・Rover：ありがとうございます。

――実際に『MUSIC FREAKS』のDJに決まった時の心境は？

片岡：僕はFM802のいろんなイベントに出させていただくたびに、ステージの去り際に「ラジオのレギュラー待ってます」というのを言い続けて1年……。ようやく念願叶ってというか。ライブがない日でもFM802に遊びに行ってたので、このチームで1年間面白い事を作っていけるのが純粋に嬉しいなと思ったのが1番ですね。

Rover：僕は最初タクシーの移動中に聞いたんですが、まだ本決定じゃないんだけどみたいなことを言われて。でも、「もしかしたら決まるかもしれないよ」って言われて。決まってから言えよって思ったんですけど（笑）。めちゃくちゃ嬉しかったですね。やっぱ地元なんで。ZIP- FMでレギュラー番組を2年間やってたので、DJとしての自信もついて　MOCAと「またがんばろなー！」と話してたら、まさかの1人喋りっていう。今まで2人でやってきたので、「まじか！」って思ったのは覚えてますね。

――なるほどね。2人はこれまでもラジオに出て話す経験はあったと思うんですけど、改めてラジオに対するイメージってどんなイメージでしょう。

Rover：やっぱり僕は音楽が好きなんで、音楽を聴くためのツールだと思ってるんですけど、お笑い芸人さんばっかりのラジオも聞いて育ってきたので、噺家さんの考え方とかが分かって良いなと思ったり。でもラジオは振動だけで伝えてるわけですから、1番音楽が入ってきやすいツールのかなと思います。

――身近なものではありました？

Rover：タクシーとか車の移動中にラジオを聴くことが多いんですよ。サラリーマンをやってた時期もあって、その時の移動中とかに、ふと聴き入ってしまうことが多かったですね。そういう意味では身近だったかもしれないですね。

――健ちゃんはどう？　ラジオに対するイメージ。

片岡：僕は小学校や中学校の時に、自分の部屋にテレビがなくて。で、1人で部屋でいる時はだいたい夜寝る前にラジオを聴いてましたね。小、中と特に中学校時代なんですけど、わりと友達が少なくて暗黒時代というか……。今は音楽やってることをみんなに言える状況ではあるんですけど、中学の時はギターとかをやってたんですけど、部活動さぼって音楽をやっていたので、大っぴらに音楽やってるって言えなくて。友達が居ない中で部屋に閉じこもって、夜は誰とも会うわけでもなくラジオを聴くっていう生活をしてました。あとは本を読むことが好きで、本を読むのとラジオを聴くことが、その当時に部屋でしてたこと。あ、あとギターを弾くこと。1人で出来ることってそれくらいしかなくて。

――確かにそうだね。

本が好きな理由とラジオが好きな理由って結構似てるところがある気がしていて。本はやっぱり文字の情報だけなんで、自分で想像するじゃないですか。この人はどういう表情で喋ってるのかなとか、どういう空気感でしゃべってるのかなとかっていうのを想像しながら読んでいって。自分なりの解釈で読み進めていくものが好きで、ラジオも同じで音楽を聴いて、この人はどういう人なんだろうとか、DJさんなら声を聴いて表情、笑った時にどういうシワができるんだろうなって想像しながら、夜に1人でこっそり聴くラジオがすごく好きで。それを聴いてる間だけは自分は1人じゃないかもしれないなって気持ちになれたから、そういう小、中学校時代で自分が救われたという経緯があるので、今度はどこかで誰かが1人で聴いていても、1人じゃない気持ちにさせてあげたいですね。ラジオにはきっとそういう力みたいなものがあると思うので。そういうものを自分も発信していけたらいいなと思ってます。

――これからはラジオにゲスト出演ではなく、DJ側ですからね。そういう意味で不安ってあります？

Rover：あります！！

――即答やな（笑）。

Rover：不安しかないですね。

片岡：バンドで活動してるので、基本ラジオに出させていただく場合はメインのDJさんがいて、進行してくれるじゃないですか。質問うけて答えるスタンスが多かったので、1人しゃべりで2時間もしゃべる……っていう経験がないので、そこが不安です。いろんな先輩DJさんに相談したり。大吾さんにも聞きたいのですが、2時間もちますかね？

――これがね、もつんですよ。不思議なもんで。音楽もあるし。

片岡：何か秘訣とかあるんですか？　1人で2時間話すコツというか。

――え、しゃべり続けること……（笑）

Rover：家でも1人の時にしゃべり続けたりするんですか？

――どうだろ？！　独り言は多いかもしれないですね。

Rover：僕たちで言ったら、家で1人の時に引き語りしたりとか。翌日がライブの日は風呂場で結構な音量で歌ったりとかするんですけど、練習みたいなのはするんですか？

――あんまり練習しようと思ってやってるわけではないんですけど、なんとなくブツブツ言ってると思います（笑）。自転車のってる時とか。本当にラジオで喋ってるふうを練習してるわけじゃないんですけど、「あれを言いたいけど、何て言おうかな」って時に、頭の中で整理してるのが、頭の中だけじゃなく口から出てる時がありますね、僕だけかもしれないですけど。これ目撃されたら怪しい人に思われる（笑）。

片岡：確かに！（笑）大吾さんが街でブツブツ言いながら歩いてたみたいな！（笑）

――そう、わりと言ってるね（笑）。あとは他の802DJさんもこれはそうじゃないかなって思うんですけど、よくライブを観に行かせていただいて、それを後日リスナーに伝えたりするじゃないですか。ライブを観ながら「これ何て言おうかな」って頭の中で言葉を組み立てたりしてる時はありますね。

片岡：映像で観せれないですもんね。それを言葉で伝えるために、どう形容したら良いのかってことですよね……。

Rover：めちゃくちゃ難しいじゃないですか。余計に不安になっちゃいました。それ出来るかな……みたいな。

――頭の中でいろいろ言葉は探してるかもしれないですけど、そこは本来ミュージシャンの2人だからこその言葉のチョイスというか、我々DJとは違う言葉があると思うので、リスナーはそこを楽しみにしてると思うんですよね。

Rover：プレッシャーが……（笑）。

――いやいや！（笑）あと2人はメインDJでもあるので、いろんな人をゲストに呼んだりとかも出来るんですよ。どんな人を呼びたいですか？

Rover：地元の友達を呼びたいですね。

――ははは！（笑）　家でやれば良い！（笑）。

片岡：それをあえてラジオでやるのも面白いかも！（笑）。

Rover：というのも、僕が大阪で1番おもろい同級生と思ってる友達がいて。ほんまにしゃべりがおもしろいんです。エピソードトークとかさせたらすごいんですよ。その友達を呼びたいです。

――そこまで言うなら、地元の友達出ていただきたいですよね。

Rover：興味あるでしょ？

――むちゃくちゃあるし、それによってそのRoverさんのパーソナルな部分も出て、「あ、いつもこういう友達と一緒に過ごしてんねんなー」っていうのが伝わるような気がします。健ちゃんは？

片岡：sumikaはスタンスとして、いろんな芸術家の方とコラボしていくというのを掲げていて。やっぱり音楽以外のジャンルの方と話すのが面白いなっていうのを考えたりして、高校の同級生も面白いんですけど、僕の姉の旦那がお笑い芸人をやっていて。ダーリンハニーというコンビの吉川さんという人なんですけど、バチバチの鉄道芸人なんですよ。僕らツアーでいろんなところに行くことが多くて、電車で移動することが多いんですけど、移動日があったりすると、あえてそこの地域のローカル鉄道乗って移動してみたりしているんです。なので、「おすすめの鉄道とオススメの駅弁、どこの電車に乗っていくと楽しいのか」を聞きたいですね。親戚というか、義理の兄なんで。身内にはなるので、「家でせえ」って話になるんですけど（笑）

――それめっちゃ気になる！　俺も知りたい！　あと『MUSIC FREAKS』はかなり自由な番組なんですよ。本当にその年々で、それぞれのDJが好きなことをやってるので。やってみたいことは結構なんでも出来るんですけど、自分の『MUSIC FREAKS』でやってみたいことってありますか？

片岡：歴代の『MUSIC FREAKS』DJさんに知り合いが多くて、その中でもBLUE ENCOUNTの田邊くんと話してたんですけど、彼めちゃくちゃ喋るじゃないですか。『MUSIC FREAKS』でも全然音楽流さないで喋り続けるスタンスをとって1年間やってたという話を聞いたんで、それを超えるべく2時間ずっと生電話をやってみたい。

Rover：放送事故の連続じゃないですか！（笑）

――ずるいなー、俺もそれやりたいわ！

片岡：「もっと話すことないの？」とか。「続いての電話は～」とかやってみたいです。

――電話も回線繋ごうと思えば3、4本繋げれるので、電話で3人と同時に喋るのができますよ。

片岡：すごい！　ちょっとSkype的な。電話で議論ができます？

――できるできる！　朝まで生電話できますよ！（笑）

Rover：めちゃめちゃ面白いですね。

片岡：実現できれば良いですね。

――Roverさんのやってみたいことは？

Rover：僕はこの1年間を通して片岡さんと曲作りたいなと思ってます。

――すごーい！　それめっちゃ良い。

片岡：今までにありました？

――一緒に曲を作ったってのはなかったんはないかな。是非、新しいコラボレーション実現させて欲しい。で、FM802独占オンエア！　歌詞の一部はリスナーから募ったり？！

Rover：そうです！　2008年のFM802春のキャンペーン＜ACCESS!＞のキャンペーンソング「僕の今いる夜は」を槇原敬之さんが作られたじゃないですか。この年から、いろんなアーティストが参加して歌ってというのがスタートしたりして。そういうのに憧れています。なので僕自身、この番組で片岡さんと一緒に曲を作って歌いたいですね。

片岡：普段、なかなか交わらないであろう2組ですもんね。

Rover：すっごい良い曲ができる自信があります。自信しかない。ほとんど9割は任せますけど（笑）。

片岡：ハハハ！（笑）。　他力本願感やばい。

――それ本当にやって欲しいですね。この言葉をご本人から「やりたい！」って言っていただいて発信するのが、やっぱり1番良いと思うので。では、最後にこの1年間の豊富を教えて下さい。

Rover：1番は体調管理には気をつけたいと思ってます。この番組を通して「音楽が身近なものなんだぜ」ってことをアピール出来たら良いなと思うんですよね。タイトルも『MUSIC FREAKS』で音楽大好きな人たちってことですし。で、作った曲を著作権とかとらずにプレゼントしちゃうくらいのぶっ飛んだことをしたら面白いなと思います。

片岡：やっぱり1年後、ラジオでしか出来ないコミュニュケーションを通してリスナーの方だったり、802チーム、ベリーグッドマンチームと関係性が気付けるようにしたいですね。あとは僕も健康には気をつけたいですね。

――これでDJ仲間ということで我々802としても、ここから長く濃いお付き合いになると思いますので、是非、宜しくお願いします！

インタビュー＝飯室大吾　文＝高野有珠　写真＝森好弘