史上最大の『フェルメール展』詳細が解禁 『牛乳を注ぐ女』ほか、日本初公開含む8点のフェルメール作品がやってくる!

2017.11.24
レポート
アート

記者発表会の様子

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日本初公開の『ぶどう酒のグラス』を含む、史上最多8点のフェルメール作品が来日する『フェルメール展』が、2018年10月~2019年5月に東京と大阪を巡回することが決定。11月20日には東京・日本橋で主催者による記者発表会が行われた。

寡作の画家として知られ、現存する作品はわずか35点ほどといわれるヨハネス・フェルメール。1点来日するだけでも50万人以上もの人々を集める超人気画家だけに、「史上最大」を謳って開かれるフェルメール展にはいやが上にも期待が高まる。今回の発表会では東京展が来年10月5日~2019年2月3日に上野の森美術館で、大阪展が2019年2月16日~5月12日に大阪市立美術館で開催されることに加え、東京展に展示が決定したフェルメール作品4点、そして「日時指定入場制」となる入場方法についても初めて発表された。ここでは発表会のレポートを交えつつ、本展の見どころを紹介していこう。

東京は来年10月5日~2019年2月3日に、
大阪は2019年2月16日~5月12日に開催が決定

17世紀オランダを代表する画家、ヨハネス・フェルメール。「光の魔術師」ともいわれ、光の粒子までを捉えたような独特の質感と静謐な空間に描かれたミステリアスな世界観を持つ風俗画は人々を魅了し、日本人にも根強いファンが多い。その知名度の高さに対して現存する作品数が希少であるがゆえに、1枚来日するだけでも毎度大きな話題となる。そうしたこともあって、史上最大を謳う本展の記者発表会にも会場が満席になるほどの報道関係者が集まった。

右から、本展の日本側監修者 千足伸行、産経新聞社社長 飯塚浩彦、フジテレビ社長 宮内正喜、関西テレビ社長 福井澄郎

出席者には主催者である産経新聞社の飯塚浩彦社長、フジテレビの宮内正喜社長、関西テレビの福井澄郎社長の三者が顔を揃え、本展の日本側監修者を担う千足伸行氏(成城大学名誉教授・広島県立美術館長)も登場。まずは産経新聞社の飯塚社長が挨拶に立ち、次のように述べた。

産経新聞社社長 飯塚浩彦

「みなさんご存知の通り、フェルメールは今世界で最も人気のある画家です。フェルメールの全作品を観て回ることを目的とした、フェルメール全点踏破の旅というのを楽しみにされている方もいると聴きます。来年、上野の森美術館に8作品が展示されますが、この8作品を足がかりにして、ここから全点踏破の旅をスタートされる方がたくさんいらっしゃれば我々も嬉しく思います」

続いてフジテレビの宮内正喜社長が、現在上野の森美術館で行われている『怖い絵展』の混雑状況を例に挙げつつ、混雑を避けるために東京展では「日時指定入場制」を新たに採用することを発表。その後、関西テレビの福井社長も登壇し、今回の会場にもなる大阪市立美術館が2000年に行った『フェルメールとその時代』展が現在の日本のフェルメール人気の火付け役となったことなどについて述べ、本展も盛況になるよう期待を込めた。

『牛乳を注ぐ女』はじめ来日決定作4点を発表
日本初公開の『ぶどう酒のグラス』も

この日は来日する8点のうち、すでに東京展での展示が決定している作品を先行発表。各作品をプロジェクターで映し出して千足氏が簡単な解説を行った。

記者発表会の様子

光差し込む静謐な空間の中にメイドの姿を彫刻のように映し出した『牛乳を注ぐ女』(1660年頃、アムステルダム国立美術館所蔵)、フェルメール最初期の作品で宗教画である『マルタとマリアの家のキリスト』(1654年から1656年頃、スコットランド・ナショナル・ギャラリー所蔵)、フェルメール後期の作品で厳粛でミステリアスな雰囲気が漂う『手紙を書く婦人と召使い』(1670年から1671年頃、アイルランド・ナショナル・ギャラリー所蔵)、ワインを飲む女性とそれを勧める男の姿に色恋沙汰の戒めを映し出した日本初公開の『ぶどう酒のグラス』(1661年から1662年頃、ベルリン国立美術館所蔵)。東京展への来日が決まったのは以上の4点。いずれもフェルメールらしい細かなモチーフを散りばめた作品ばかりで、絵を解釈する際の“謎解き”も大いに盛り上がるに違いない。

記者発表会の様子

記者発表会の様子

記者発表会の様子

現存するフェルメール作品の4分の1近くが日本に集結!

これまで最も多くのフェルメール作品が来日したのは2008年に東京都美術館で開催された『フェルメール展』の7点。本展ではそれを越える史上最多の8点が来日する、まさに史上最大のフェルメール展となる。8点ということは現存する作品全体の約4分の1近くを占める。それだけの作品が東西から日本に集まるということは、これはもう美術の世界を越えて日本のエンタメ界にとって「事件」といっても過言ではないだろう。

記者発表会の様子。現存する35点のうち8点が日本に集結する。

なお本展には、フェルメールのほか、ハブリエル・メツーやピーテル・デ・ホーホ、ヤン・ステーンなど、フェルメールと同時代に生きたオランダ人画家たちの作品も併せて約40点が来日予定。さらなる展示作品の続報、そして1年後の開幕を今から待ちきれない!

イベント情報
フェルメール展

会期:東京展 2018年10月5日(金)〜2019年2月3日(日)、大阪展 2019年2月16日(土)〜5月12日(日)
会場:東京展 上野の森美術館(東京都台東区上野公園1-2)、大阪展 大阪市立美術館(大阪市天王寺区茶臼山町1-82)
※観覧料、休館日、開館時間などは2018年4月以降に発表予定。
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