舞台『クローズZERO』松本大志×二葉勇×安井一真インタビュー 劇団番町ボーイズ☆第10回本公演に新たな決意
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(左から)二葉勇 松本大志 安井一真
2014年に結成して以来、様々なジャンルの舞台に挑戦し、成長し続けている個性派演劇集団「劇団番町ボーイズ☆」が2017年11月30日(木)より第10回本公演 舞台『クローズZERO』を、東京・CBGKシブゲキ!!にて上演する。
本作は、累計発行部数4600万部を誇る伝説のコミック「クローズ」の1年前のエピソードをオリジナルストーリーで製作した実写映画『クローズ ZERO』を舞台化した作品。映画版では、小栗旬が主演を務め、悪くてカッコいい男たち=悪メンブームを巻き起こし、興行収入25億円のビッグヒットを記録した。
今回は、劇団番町ボーイズ☆の記念すべき10回目となる本公演で、ビッグタイトルに挑戦する、主人公の滝谷源治役の松本大志と戸梶勇次役の二葉勇、三上豪役の安井一真に意気込みを聞いた。
(左から)二葉勇 松本大志 安井一真
「主演だから背負うのではなく、番町ボーイズ☆みんなで作る」(松本)
--映画化もされた大人気作品の舞台化作品になりますが、本作への出演が決まった時の、率直なお気持ちを聞かせてください。
二葉 驚きが大きかったです。まだ俳優になることを考えもいなかった学生時代に映画を観て、「ああいう映画に出てみたい」と思ったほどの作品だったので、驚きと喜びでいっぱいでしたね。
安井 僕が演じる三上豪は、映画でもインパクトが強く、印象に残るキャラなので、出演できることはすごく嬉しかったんですが、プレッシャーもありました。今回、映画で三上豪を演じていた伊﨑央登さんが参加してくださると聞いて、さらにプレッシャーを感じました(苦笑)。
松本 誰もが知っている作品ですので、背負うものが大きいなと感じました。でも、稽古が始まって、番町ボーイズ☆のみんなの姿を見ていたら、気負いすぎず、伸び伸びとお芝居をしていたので、主演だからって背負いすぎることもないんじゃないかなって思いました。なんでも言い合えて、支え合える仲間がいるということが、番町ボーイズ☆っていう劇団の強みだと思うんです。だから、僕が一人で引っ張っていくのではなく、みんなで作っていきたい。映画を知っている人も、初めて見る人でも楽しめる作品になればいいなと思います。
--今回は、全員が不良という役柄ですが、役作りはどのようにされているんですか?
松本 「台本だけを読んで役作りをするのは難しいし、台本にない部分の深みを出して欲しい」と、演出の山田能龍さんがおっしゃっていたので、影にどういうストーリーがあるかを意識して、どういう生き方をしてきたのか考えて自分に落とし込むようにしています。
安井 僕は、お兄ちゃん役の千綿勇平くんと、なるべく一緒にいるようにしています。それと、僕、性格がすごく優しいんですよ。なので、不良になりきることに苦労していて…「あ~ん?」とか、セリフではないけれど不良が使いそうな言葉を、いかに強く言えるかっていうことを意識してます。…(二葉を見て)何? 何で僕の方見てるの?(笑)
二葉 いや、だってこの間、見ちゃったんですよ(笑)。稽古場で一真が急に一人で外に出て行ったんで、どこに行くんだろって思って探しに行ったら、別室の小さい個室に入って行ったんです。それで、そこから「あ~ん?あ~ん?」って、「あ~ん?」だけをずっと練習している声が聞こえてきたんですよ(笑)。俺、知らない振りをしてそっと帰りました(笑)。その練習いる?って思って(笑)。
安井 見られてたの、めっちゃ恥ずかしい(笑)
(左から)二葉勇 松本大志 安井一真
--それは、見てみたいです(笑)。でも、不良っぽさを出すのは大変そうですね。
二葉 そうですね。映画では、タバコを吸うシーンがたくさん出てくるんですが、やっぱり学生服でタバコって不良感をわかりやすく見せられると思うんです。でも、舞台だとタバコを使うことはできないので、それを使わずにヤンキー感を出すのが難しくて悩んでいるところです。あと、立ち方や座り方は意識していますね。デカイ態度に見えるように。
松本 この作品に出てくる不良って、「ザ・不良」だからね。なかなか、いないタイプじゃない?(笑)
安井 今どき意外といないね(笑)。
松本 意外といないから、参考にできる人がいないんだよね(笑)。
安井 うん。そこが一番苦労したところだね。僕が不良っぽいなって思う歩き方をすると、逆に弱く見えてしまったり(笑)。番町ボーイズ☆って本当にみんな優しいので、時折その優しい一面が見えてしまう瞬間があるんですよ(笑)。
(左から)二葉勇 松本大志 安井一真
10回目の本公演を迎え役者としての意識も変化
--本作は、劇団番町ボーイズ☆にとっては、区切りともなる10回目の本公演です。
二葉 僕たちとしては、10回だからという特別感はあまりなくて、毎回毎回、特別な気持ちでやらせていただいています。ただ、たまたま10回目にビッグタイトルがきたことには、巡り合わせというか、運があるなと思います。今年最後の舞台ということもありますし、精一杯、気持ちを締めてやっていきたいなと思います。
安井 僕は3回公演のときに候補生として入ったんですが、今回、『クローズZERO』への出演が決まったときには、オーディションのときや劇団に入ったばかりの頃の思い出が頭に浮かんできて、感慨深かったですね。大切な公演だと思っていますので、みんなで一丸になってがんばりたいと思っていますが、それと同時に、20回目の本公演って何をやるんだろうって(笑)。どんなでっかいのがくるんだろうってワクワクもあります。
--公演を重ねてきたことで、芝居に対しての向き合い方は変わりましたか?
二葉・安井 だいぶ変わりましたね。
安井 僕は、音楽もやっているので、最初は本気で役者をやりたかったわけではないんです。でも、公演に出演したり、劇団以外の仕事もこなしていくうちに、役者ってすごいなって思うようになりました。奥が深いし、自分を成長させてくれるものだと思うようになって、今は音楽と同じくらいの比重があります。
二葉 最初に役者の仕事をやったときは、自分をどれだけかっこよく見せられるかが大事だと思っていたんです。それが正解だと思っていたんですが、やればやるほど、自分の恥ずかしい部分やかっこ悪い部分、情けない部分を見せられるのが役者なのかなって思えるようになりました。そういう部分を見せられたときに、琴線に触れる何かを見せられるんじゃないかって思うので、自分がどれだけ情けない姿を舞台上で見せられるかを意識しながら芝居をしています。
--今後の、さらなる成長も楽しみです。最後に、公演を楽しみにしている方たちへメッセージを。
二葉 映画を観ていない方でも、楽しさや魅力が十分に伝わる舞台になると思います。全力で不良をやって、熱い気持ちを見せたいと思いますので、楽しみにしていてください。
安井 今までの番町ボーイズ☆の公演では、ここまで男らしさを見せる作品はなかったと思います。今回は、「ザ・男」というものを見せて、番町ボーイズ☆ってかっこいいな、男前だなって思ってもらえる舞台にしていきたいと思います。
松本 番町ボーイズ☆のお客さんは女性の方が多いのですが、作品のファンが多い男性の方にもぜひ見て頂きたいです。そして劇団を知って頂くキッカケにもなれたら嬉しいです。今回は、派手なアクションや殺陣もありますので、生でしか味わえない迫力を楽しんでいただけたらと思います。
(左から)二葉勇 松本大志 安井一真
取材・文=嶋田真己
■公演日程:2017年11月30日(木)~12月3日(日)(追加含め全5公演)
■会場:CBGKシブゲキ!!
(C)2007髙橋ヒロシ/「クローズZERO」製作委員会
■脚本・演出:山田能龍(山田ジャパン)
■主催:株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント
■出演:
滝谷源治 役:松本大志(劇団番町ボーイズ☆)
芹沢多摩雄 役:堂本翔平(劇団番町ボーイズ☆)
伊崎 瞬 役:坂田隆一郎(10神ACTOR)
牧瀬隆史 役:三岳慎之助(10神ACTOR)
辰川時生 役:藤岡信昭(ハルク・エンタテイメント)
戸梶勇次 役:二葉 勇(劇団番町ボーイズ☆)
田村忠太 役:コーシロー(ハルク・エンタテイメント)
三上 学 役:千綿勇平(劇団番町ボーイズ☆)
三上 豪 役:安井一真(劇団番町ボーイズ☆)
筒本将治 役:菊池修司(劇団番町ボーイズ☆)
阪東秀人 役:鶴田亮介(劇団ヘラクレスの掟)
千田ナオキ 役:砂原健佑(劇団番町ボーイズ☆)
山崎タツヤ 役:西村涼太郎(ステッカー)
桐島ヒロミ 役:籾木芳仁(劇団番町ボーイズ☆)
本城俊明 役:木原瑠生(劇団番町ボーイズ☆)
杉原 誠 役:織部典成(劇団番町ボーイズ☆候補生)
林田 恵 役:松島勇之介(10神ACTOR)
田村 保 役:西原健太(劇団番町ボーイズ☆)
真中トオル 役:矢代卓也(劇団番町ボーイズ☆)
黒岩義信 役:ただのあさのぶ(山田ジャパン)
矢崎丈治 役:伊﨑央登
片桐 拳 役:いとう大樹(TEAM-ODAC)
滝谷英雄 役:モロ師岡
二葉要(劇団番町ボーイズ☆)
大隅勇太(劇団番町ボーイズ☆)
【前売券】S席:7,500円 A席:5,000円 B席:3,000円(全席指定・税込)