10/1開幕!新国立劇場『ラインの黄金』稽古初日キックオフ会見&インタビュー動画
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新国立劇場2015-2016シーズンの幕開けを華々しく飾るワーグナー作曲『ラインの黄金』。2015年10月1日にいよいよ初日を迎える。国際的に活躍するベスト・キャストを集め、日本人歌手にも充実した顔ぶれを揃えたこの壮大なプロダクションの稽古初日に、記者を集めてのキックオフ会見が行われた。
【指揮・飯守泰次郎氏インタビュー】
世界的なヘルデン・テノールであるステファン・グールドや、ベテラン歌手のユッカ・ラジライネンも登壇し、祝祭的なムードが漂うこの場で、SPICE編集部は指揮を務める芸術監督の飯守泰次郎氏に コメントをいただいた。
――『ラインの黄金』の上演にあたり、今回は国際的なワーグナー歌手たちが集結しました。
飯守「このキャスティングには二年以上かかりました。全員が素晴らしい歌手たちなので、スケジュールが忙しく、調整に大変時間がかかりましたが、ついに実現しました。本当に嬉しいです」
――歌手の方から「このゲッツ・フリードリヒの演出は体力的にも大変」というお話が出ましたが、過酷な内容なのでしょうか?
飯守「フリードリヒは天才的な演出家で、芸術家として大変厳しい人です。しかし苦労があっても、必ずその甲斐がある。妥協のない演出だと思います」
――『ニーベルングの指環』の4部作の中で、『ラインの黄金』にはどのような特徴がありますか?
飯守「ラインの黄金のライトモティーフは長い変ホ音で、これがすべての始原を表しています。(ラインの黄金は、四部作の第一作ですので)世界はまだ若く、動機もシンプルで、すべての種が撒かれて大宇宙へと発展していくのです。その後の『ワルキューレ』や『ジークフリート』では音楽もかなり変わっていきます」
――最高の歌手たちを集めての稽古が今日から始まりますね。高い水準からのスタートになるのではないでしょうか?
飯守「彼らは大変な経験者ですから、出発点のレベルは高いです。最高の歌手たちで作り上げていきます」
――稽古はどのシーンから始められますか?
飯守「最初からです!」
――飯守先生はバイロイト音楽祭でのご経験も長く、ワーグナーへのご理解も深いですが、今回の上演にあたって譜面から新たに発見されることはありましたか?
飯守「よい作品ほど、つねに新しい発見があります。名作ほど必ず、さらなる解釈の余地が広がっているのです。ワーグナーの視野の深さに毎回驚き、さらにまた新しい解釈が生まれてくる…それを観客の皆さんにお届け出来ると思います」
【ドンナー役・バリトン 黒田博氏インタビュー】
個性的な神々が登場する『ラインの黄金』で雷神ドンナーを演じるのは、バリトンの黒田博さん。ワーグナー作品では東京二期会が2012年に主催公演した『パルジファル』のアムフォルタスの熱演が記憶に新しい。
――ドンナー役を歌われるのは初めてですか?
黒田「20年以上前に歌ったことがあります。役どころとしてはずっと受けの芝居をして、黙っている時間が長いのですが、最後に雲を集めて歌う派手な歌があるので、そこまでに声を冷やしたりテンションが下がらないようにしなればならない苦労があります」
――先日の新国立劇場での『沈黙』のフェレイラ神父の役も感動的でした。歌手として大きな充実期を迎えられているのではないですか?
黒田「スポーツ選手でいうなら年齢的には引退して監督をやっている年ですが、歌手にとっては無駄な力が抜けて、大事な部分だけで歌い表現できる年なので、楽になってきていると思います。とはいえ、無駄な力はまだ入っていると思いますが。体力的にはスポーツ選手同様、落ちて来ているので、鍛えなければならないですね」
――雷の神様の役が楽しみです。
黒田「コスチュームを見る限り、スポーティな部分もあるので、夏痩せもせず第8次成長期のように成長を続けてきましたが(!)、公演に向けて鍛えておきたいと思っています」
[取材・文=小田島久恵]
キックオフ会見当日の動画も是非ご覧ください↓。
(インタビュアー:小田島久恵)
日時:2015/10/1(木)~2015/10/17(土)
会場:新国立劇場 オペラパレス
指揮:飯守泰次郎
演出:ゲッツ・フリードリヒ
出演:黒田 博/片寄純也/ステファン・グールド/妻屋秀和/クリスティアン・ヒュープナー/トーマス・ガゼリ/アンドレアス・コンラッド/シモーネ・シュレーダー/安藤赴美子/クリスタ・マイヤー/増田のり子/池田香織/清水華澄
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
※やむを得ぬ事情により内容に変更が生じる場合がございますが、出演者・曲目変更などのために払い戻しはいたしませんのであらかじめご了承願います
演目:オペラ「ラインの黄金」/リヒャルト・ワーグナー 全1幕〈ドイツ語上演/字幕付〉
公式サイト:http://www.nntt.jac.go.jp/opera/dasrheingold/