『アテネのタイモン』開幕を前に吉田鋼太郎&藤原竜也よりコメント到着

2017.12.15
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『アテネのタイモン』タイモン役:吉田鋼太郎 アペマンタス役:藤原竜也 (撮影 渡部孝弘)

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彩の国シェイクスピア・シリーズの第33弾、吉田鋼太郎 演出&主演 藤原竜也 出演の舞台『アテネのタイモン』が2017年12月15日より彩の国さいたま芸術劇場 大ホールで開幕する(同月29日まで。2018年1月5日~8日には兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールでも上演)。

彩の国シェイクスピア・シリーズは、故・蜷川幸雄が、シェイクスピア全37作品の上演を目指して1998年から始めたプロジェクト。蜷川がやり残した作品は『アテネのタイモン』『ジョン王』『ヘンリー五世』『ヘンリー八世』『終わりよければすべてよし』の5作品だが、同シリーズの2代目芸術監督に就任した吉田鋼太郎が、残りの5作を演出することとなり、今回の『アテネのタイモン』は、その第一作となる。

『アテネのタイモン』タイモン役:吉田鋼太郎、 アペマンタス役:藤原竜也 (撮影:渡部孝弘)

吉田鋼太郎は、上智大学在学中、シェイクスピア研究会に所属。以後、40年以上にわたりシェイクスピア作品に関わってきた。『アテネのタイモン』はシェイクスピア作品のなかでも、上演される機会が非常に少ない作品だが、吉田は30代の頃、同作品に出演し(出演のみ)今回と同じくタイモン役を演じたことがある。また、吉田鋼太郎は、俳優業だけでなく、自身の「劇団AUN」ではしばしば演出も手がけており、今回の上演には何かと注目が集まっている。

『アテネのタイモン』のストーリーは次のとおり。アテネの貴族タイモン(吉田鋼太郎)は執事フレヴィアス(横田栄司)の助言、哲学者アペマンタス(藤原竜也)の皮肉を無視し、誰にも気前よく金品を与え、ついに破産。友人たちが自分の金目当てだったことが分かり、すっかり人間不信に陥る。森に引きこもるタイモンは、復讐のためにアテネを滅ぼそうと蜂起した武将アルシバイアティーズ(柿澤勇人)に掘り当てた金を与えるが……。

『アテネのタイモン』タイモン役(右):吉田鋼太郎、 アペマンタス役(左):藤原竜也 (撮影:渡部孝弘)

初日に先立つ12月14日(木)には、最終通し稽古が行われた。休憩込みで2時間50分の舞台のうち、吉田鋼太郎はほぼ舞台に出ずっぱり。前半はアテネで豪華絢爛な暮らしをする大富豪を演じ、後半は打って変わって、森の洞窟で暮らす世捨て人を演じる。

前半の見どころは終盤、友人に裏切られたタイモン(吉田鋼太郎)が、復讐のために友人たちを食事に招き、テーブルをひっくり返すなどの大暴れをするシーン。半狂乱のタイモンに友人たちは恐れおののき、逃げ回る。

後半の見どころは、タイモン(吉田鋼太郎)とアペマンタス(藤原竜也)が15分間にわたり、舞台上に2人きりで互いに罵り合うシーン。日本を代表する二人のシェイクスピア俳優が真っ向から対決する。

『アテネのタイモン』タイモン役:吉田鋼太郎 (撮影:渡部孝弘)

開幕を目前に控える中、吉田と藤原よりコメントが届いたので紹介する。

吉田 鋼太郎

「蜷川さんのライフワークだった彩の国シェイクスピア・シリーズの芸術監督を引き継ぐことは責任重大で、大きなプレッシャーはありますが、藤原竜也横田栄司など、蜷川さんの意思を継ぐ俳優と共に、全身全霊で稽古をしてきました。素晴らしい作品になっていますので、ぜひ劇場に足を運んでください。

蜷川さんの晩年、稽古場で蜷川さんが酸素ボンベをつけながら、最後の力を振り絞って稽古をつけてくださった姿が、今も頭から離れません。晩年、蜷川さんは「言葉」をもっとも大切にしていらしたので、それを引き継いでいきたいです。蜷川さんは、自分にとって恩師でもありますが、最終的にはお父さんだと思っています。亡くなられて、本当に残念です。

シェイクスピア作品の主役をつとめることは、数ある芝居のなかでももっとも大変なことです。主役を演じるだけでも十分大変なのですが、今回は演出もやらなければいけない。

泣き言は言わずに頑張らねばなりませんが、本当に大変は大変です(笑)。

藤原竜也と演出家として相対するのは今回が初めてです。稽古初日から、彼が稽古場に持ってくるやる気とパワーに圧倒されました。改めて、彼は本当に素晴らしい俳優だと感じています。」

『アテネのタイモン』タイモン役:吉田鋼太郎 (撮影 渡部孝弘)

藤原 竜也

吉田鋼太郎さんの演出は、蜷川さんの意思を見事に継いでいて本当に素晴らしいです。蜷川さんはきっと「鋼太郎、ありがとう」って言ってくれると思います。僕は今回、鋼太郎さん演じるタイモンに噛み付いていく役ですが、普段から多くの先輩方に失礼なことばかりしているので、僕の性格に合っている役かもしれません(笑)鋼太郎さんとの間に、深いものを醸し出せればいいと思います。蜷川さんのためにも、とにかく吉田鋼太郎さんを支えて、一生懸命やるだけです。感動的な舞台になっていますので、多くのお客様に観ていただければと思います」

『アテネのタイモン』タイモン役:吉田鋼太郎、アペマンタス役:藤原竜也、アルシバイディーズ役:柿澤勇人 (撮影 渡部孝弘)


 

 
公演情報
彩の国シェイクスピア・シリーズ第33弾
『アテネのタイモン』
 
■作:W.シェイクスピア
■翻訳:松岡和子
■演出:吉田鋼太郎[彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督]
■出演:吉田鋼太郎、藤原竜也、柿澤勇人、横田栄司 ほか
 
<埼玉公演>
2017年12月15日(金)~29日(金)
■会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
 
<兵庫公演>
2018年1月5日(金)~8日(月・祝)
■会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

■公式サイト:http://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/4151