​新国立劇場が2018/2019シーズン 演劇 ラインアップを発表、天野天街、野木萌葱らが初登場

2018.1.12
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小川絵梨子 演劇 次期芸術監督


新国立劇場が2018年1月11日、2018/2019シーズン 演劇 ラインアップを次の通り発表した。

<2018/2019シーズン 演劇 ラインアップ>
『誤解』[新訳上演]
『誰もいない国』
『スカイライト』[新訳上演]
フルオーディション1『かもめ』 [新訳上演]
少年王者舘『1001』(イチゼロゼロイチ)(仮題) [新作]
『オレステイア』 [日本初演]
野木萌葱 新作 [新作]
こつこつプロジェクト ―ディベロップメント― リーディング公演
『スペインの芝居』
『マクベス』
『あーぶくたった、にぃたった』

 


演劇次期芸術監督 小川絵梨子からのメッセージ

2018/2019シーズンより、新国立劇場の演劇芸術監督を務めさせていただきます。頂きました大任に、感謝を持って真摯に臨んで参ります。どうか宜しくお願い申し上げます。

これからの四年間における大きな方針として、三つの柱を考えています。

一つ目は、幅広い観客層に演劇をお届けすること。

国立の劇場として、一人でも多くの方に舞台と出会って頂きたいと思っています。これは新国立劇場が誕生して以来、国立の劇場の責務として引き継がれていることでもあります。任期中、唯一無二の斬新な新作から古典作品まで幅広い作品の上演に加え、子供と大人が楽しめる企画作品や日本各地へのツアー公演なども旺盛に行っていきたいと思います。

二つ目は、演劇システムの実験と開拓。

これには、新シーズンから始まるフルオーディションやディベロップメントが含まれます。オーディション企画では、すべての配役をオーディションで行います。作り手が作品そのものと純粋に向き合い、そこに必要な俳優と出会うことは、舞台づくりに最も重要なことの一つだと考えます。毎シーズンに一本は、フルオーディションによる公演を予定しておりますが、第一回目となる今回は、鈴木裕美さんが演出として参加して下さいます。ディペロップメントは、「こつこつプロジェクト」と銘打ち、一年間を通して作品を育てていくプロジェクトです。通常の1、2ヶ月という稽古期間にとらわれず、長いスパンでの創造の過程を経て、作品が体力をつけ鑑賞と批評に耐えうる強度を持った時に上演を行います。作り手の作品への理解と想像力を培い、一人でも多くの観客の方に舞台の豊かさを伝えられる公演を目指します。第一回は、劇団を持たずフリーで活動されている、大澤遊さん、西悟志さん、西沢栄治さんの三人の演出家の方をお迎えしました。これらの実験と開拓が、地層が幾重にも重なっていくように、少しずつでも積み重なり発展していくことができれば本望です。

三つ目は、横の繋がり。

国内外を問わず、演劇の作り手の方々との交流や連携を積極的にしていきたいと思っています。具体的には、新国立劇場で行う一般の方々に向けてのワークショップや講演などにおいて豊かな経験と知識を持つ演劇団体のご協力を仰ぎ、共同での演劇活動を行いたいと思っています。また海外の国立劇場との交流や国内外の招聘公演を行う予定です。国や立場は違えど、同じ演劇という世界に住む方々と交流を通して共に学び合い、演劇の発展と社会における有用性を高めることを目指します。

私の芸術監督就任一年目となる2018/2019シーズンでは、稲葉賀恵さん、寺十吾さんのお二人の演出家に、新国立劇場に初めてご登場いただきます。上村聡史さんには、現代の劇作家が翻案するギリシャ悲劇作品をお願いいたしました。また、私自身は、野木萌葱さんにお願いした新作戯曲と、海外戯曲の演出を務めさせていただきます。また招聘作品として、名古屋で長年創作活動を行われている天野天街さん率いる少年王者舘にご登場いただけることになりました。

演劇は時代を映す鏡と言う一方、ある時間ある場所に俳優やスタッフがいて物語を語りそこに観客がいる、という形態そのものは有史以来、変わらずにあるものだと認識しております。演劇に携わる一人として、古いものを捨て去るのではなく、発展させながら、新しい創造に挑戦していきたいと思っております。

舞台という豊かな世界を、一人でも多くの皆様に楽しんでいただければ幸いです。


天野天街率いる少年王者舘、野木萌葱の新作をはじめ、史上最年少芸術監督らしい新鮮なラインアップが並ぶ。

天野天街

 

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