インドの児童労働がテーマ 少年の失踪から発見まで追う千賀健史の写真展

2018.1.22
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アート

『第16回写真「1_WALL」グランプリ受賞者個展 千賀健史展「Suppressed Voice」』が、1月30日から東京・銀座のガーディアン・ガーデンで開催される。

1982年に滋賀で生まれた写真家の千賀健史。ドキュメンタリーの手法による作品作りに取り組んでいる。インドの学歴社会やカースト問題に直面する少年たちをモチーフにした作品『Bird, Night, and then』で『第16回写真「1_WALL」』グランプリを受賞。

今回の展覧会では、グランプリ受賞後に千賀がインドで撮影した新たなシリーズを展示。同シリーズはインドの児童労働をテーマに据え、進学を諦めて働くことを余儀なくされたある少年の失踪から発見までを追った作品となる。

初日の1月30日にはオープニングパーティー、2月7日には千賀健史と菊地敦己によるトークイベント『構造とコンセプト』を実施。詳細はガーディアン・ガーデンのオフィシャルサイトで確認しよう。

千賀健史のコメント

2016年10月、一人の少年が学校からいなくなった。

児童労働従事者が400万人ともその倍以上とも言われるインドでは、2016年7月に児童労働法が改正され14歳未満の労働を原則禁止する事となっていた。しかし、現在16歳の僕の友人はその規制の外にいる為、出稼ぎに出されたのだ。結局彼は南インドのある街で服屋の店員として働いていた。

彼は1500kmも離れた土地に働きに行くのに何を持って行くか考えた結果、1冊の英語の教科書を選んでいた。自分の境遇について話す彼の表情、不満を言わず働く姿、それらから僕は一人で頑張る彼の中で、ひっそりと消えていこうとしているもう一人の彼を見た気がした。