芹澤優がオーディションで起用された理由は? アニメ『LOST SONG』のWEBラジオ収録に潜入レポート

レポート
アニメ/ゲーム
2018.2.2
収録風景。右からパーソナリティの鈴木このみ、久野美咲、左手前はゲストの芹澤優。

収録風景。右からパーソナリティの鈴木このみ、久野美咲、左手前はゲストの芹澤優。

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2018年放送開始、Netfrixでの先行配信がアナウンスされている完全オリジナルアニメ『LOST SONG』。放送に先がけて2017年12月25日から配信されているWEBラジオ『鈴木このみ久野美咲のLOST SONG RADIO』第6回(1月29日更新回)の収録がマスコミに公開され、パーソナリティを務めるシンガーで本作で声優初挑戦、しかも田村ゆかりとW主演でリン役の鈴木このみ、アル役の久野美咲のレギュラー陣に、ゲストとしてモニカ・ルックス役の芹澤優が加わって作品情報を織り交ぜつつ、関係ありそうでやはり關係のない爆笑トークを繰り広げた。

(C)MAGES./LOST SONG製作委員会

(C)MAGES./LOST SONG製作委員会

アニメ『LOST SONG』は、2017年に製作が発表された。MAGESが原作、アニメ『Occultic;Nine』シリーズ構成を務めた森田と純平が初監督、同時に脚本とシリーズ構成を兼任する。制作はDWANGOとLIDEN FILMS。背景美術は元スタジオジブリのスタッフが集結した、でほギャラリーという豪華布陣だ。

物語は奇跡を生む歌を歌うことができる二人の少女の運命が交錯する壮大な王道ファンタジーで、キーとなる歌のライティングは作詞を畑亜貴、音楽を欅坂 46のセカンドシングルを手がけた白戸佑輔が担当する。どんな歌が聞けるのかまだ明らかになっていないが、ラジオゲストの芹澤優をはじめ、たかはし智秋、茅野愛衣など歌えるキャストが揃っていることから、期待は膨らむばかりだ。

リン(CV:鈴木このみ)

リン(CV:鈴木このみ)

アル(CV:久野美咲)

アル(CV:久野美咲)

モニカ・ルックス(CV:芹澤優)

モニカ・ルックス(CV:芹澤優)

マスコミ公開収録されたWEBラジオ『鈴木このみ久野美咲のLOST SONG RADIO』は、響 HiBiKi Radio Station-(響ラジオステーション)で毎週月曜日の18時に更新され、リスナーは24時間好きな時に聞くことができる。

WEBラジオ「鈴木このみと久野美咲のLOST SONG RADIO」。WEBブラウザ、専用アプリで聞くことができる。

WEBラジオ「鈴木このみと久野美咲のLOST SONG RADIO」。WEBブラウザ、専用アプリで聞くことができる。

監督のオーディション秘話で明らかになる事実!

取材日は番組初のゲストとして芹澤優を迎えた第6回の収録が行われた。作品上でも一緒に育った關係のキャラクターを演じている鈴木このみ久野美咲は、これまでの放送と、話の内容からすでに始まっている作品のアフレコでも一緒にいることが多く、役と同じくアルを演じる久野美咲が前向きな元気少女で食いしん坊のリンのような鈴木このみをハラハラしながら見守る関係性が完全にできあがっている。

まだ作品の概要が少しずつ情報解禁されている状態の『LOST SONG』だが、同ラジオでは監督のコメント情報や最新情報、そしてこの日は芹澤優がゲストということで、彼女が演じるモニカ・ルックスについてや、アフレコの様子なども「今週のLAST SONG」のコーナーで明かされた。

このコーナーでは作品の裏話、こぼれ話を監督コメントなどから知らせてくれるのだが、この日はちょっと眠たそうなキャラであるモニカ・ルックスに芹澤優を起用した理由を明かしてくれた。ほかの声優がイメージどおりの演技をする中で、芹澤優だけ違う演技で、それが引っかかったのだという。ほかの声優の演技はもちろん正解なのだが、芹澤優の怒る演技が特に新鮮で起用を決めたそうだ。

さらには芹澤優も参加しての劇中の歌収録では、鈴木このみ演じるリンの歌にハモリを加えるエピソードも披露された。

作品に関する情報はそこそこに、ここから先はキャラクターや作品に引っかけたお題コーナー。モニカが極度の人見知りということにちなんで、「こんな時どう声をかけるか?」を考えて克服しようという内容だ。

その第一問は「飲み会でぽつんと一人でいる女子、どんな声をかけるべき?」。このお題にいち早く噛み付いたのは芹澤優。「絶対に許さない」とばかりにdisる様はツボを明確に突いていた。これは作戦なのだ。気をつけよう、男子諸君! 特にぼっちなのにミニスカの女子は要注意とのこと。

設問はさらに続くが、ラジオで残りの答えを楽しんでいただきたい。

囲み取材でさらに「LOST SONG」に迫る

放送収録後は、囲み取材。その際のやりとりをお届けしたい。SPICE記者がまず聞いたのは、芹澤の飲み会ぼっち女子disについてだ。素晴らしい観察眼とあけすけなガールズトークはさすがの冴え。そこで、ぼっち男子をどうするか訊いてみた。

芹澤:もし自分がその人に好意があったらチャンスになると思います。でも現場で一緒になった方がひとりでいたら、"え、フォローしたほうがいいですか?"的な雰囲気になると思いますが、私は放置しちゃいますかね。だって、もうしゃべらない自分に浸ってらっしゃるから(笑)。私が壊すのもどうかと。もし声をかけるとしたら"どうなさいました?"か"今日何時までいます? もしお疲れだったら全然……"

と、さすがの塩対応。芹澤曰く「私のファンなら大丈夫!」とのこと。ただ「このみちゃんのピュアな心に墨を落としたかも」と心配していたことも付け加えておく。

もうひとつ、アフレコの収録スタイルを訊いてみたところ、「監督の気持ちとしてはプレスコ」とのことで、ガイドラインの絵やタイミングの支持はあるものの、演技に応じてアニメを仕上げていくという試みがあるようだ。

また、王道ファンタジーということもあって戦いのシーンも多く、騎士役の男性陣も多い現場だという。そして歌の収録はアフレコ終わりでブースに入って録ることが多いとか。曲はアレンジが代わったり、ハーモニーが加わったりと様々な要素で歌われるようだ。

そして気になるのは現段階では分からない、田村ゆかり演じるフィーニスと、鈴木このみ演じるリンのそれぞれの歌の違いだ。

鈴木:リンは歌う時にかなり体を大きく動かすと言われたので、フィーニスとの対比も含めてレコーディングでは意識しました。リンは草原とか丘とか伸び伸びした場所で、伸び伸び育っている子なので。

――現場での田村さんはどんな感じですか?

鈴木:W主演ということですが、大先輩なのでかなりプレッシャーというか緊張もあるんですけれど、アドバイスもいただきました。私は大阪弁が出やすいのですが、台本にこう書くと出にくいよ、とか教えていただきました。あとは田村さんの演技を後ろから見ていると本当に感動します。背中を見ながら吸収している感じです。

3人それぞれの力をくれる歌は?

『LOST SONG』では人を癒やし、水を作り、火を灯す力を持った歌がキーになるが、3人にとってリアルでそんな力を与えてくれる歌はあるのかを訊いてみた。

芹澤:私は『満月(フルムーン)を探して』というアニメに出てくる「New Future」という曲が私のバイブルです。小学六年生のころそのアニメをやっていて、それがきっかけでこの仕事を夢見て聴き続けてきた曲です。主人公が歌手になりたいというストーリーなんですけど、私もそうなりたいと思っていました。それで声優に出会って夢を現実的に追い始めたので……。今でもダメになりそうな時は「New Future」を聴きますね。歌詞もステージに立つ側なので、すごく今の自分にリンクさせやすいです。気合い入りますね!

鈴木:私は『マクロスF』の「ノーザンクロス」ですね。もちろん自分の楽曲とかも大好きで元気をもらえる曲ばかりですけど、他の方の楽曲を選ぶならこれです。小さいときからずっと歌手をめざして来たんですが、アニソンシンガーとかアニメって触れてこなかったので未知の世界で知らなかったんです。友だちに『マクロスF』を勧められて、観たのがきっかけで"曲も歌もカッコイイ!" "アニソンシンガーってあるんだ"と知って、そこからアニソンシンガーを目指し始めたんです。「ノーザンクロス」は曲もいいですが、デビューするきっかけになったコンテストの決勝で歌った曲なんです。今だにその頃ダンスの先生と考えた振りとかを思い出せるほど、毎日歌って踊っていたので、いま聴いても頑張ってた自分を思い出すし、今もやんなくちゃと思えるすごく特別な曲です。

久野:初心に戻るっていう意味で思いついたのは、ベートベンの「月光」なんです。私が10歳のときに初めて声のお仕事をやらせていただいた作品が『ボイス』という韓国映画でした。その作中で「月光」がすごく大事な役割を担っていて、私が吹き替えたヨンジュという5歳の女の子が「月光」をピアノで弾くシーンもありました。たまにお店とかで「月光」が流れているのを聴くと、その時のことをすごく思い出すんです。初めてのお仕事だったのでマイクの前の立ち方も台本の持ち方も声の出し方も…なにもかも分からなかったけど、一生懸命やったという記憶は蘇ってきて。当時は声のお仕事をずっと続けられるとは思ってなかったけど、今こうして声優を続けていて毎日お芝居ができることがどれだけ幸せなことか……。今まで周りの方が支えてくださったから、という感謝の気持ちも湧きますし、初心に帰れる曲です。

そんな3人が『LOST SONG』について語る共通項は「観ている人は田村ゆかり演じるフィーニスが絶対好きになる!」ということ。フィーニスは王都で奇跡の力を持つ歌姫として女神のように崇められる17歳の少女だ、その力を利用しようとする輩がストーリーに絡んでくる気配だが、どうなるのか。そして、リンとの接点は?

『LOST SONG』PV

これから明かされる情報も期待したいが、3月に開催される『AnimeJapan 2018』で『LOST SONG』ブースの出展が決まり、鈴木このみと田村ゆかりの歌声を収録したオリジナルCDを数量限定で無料配布されることが発表されている。

放送に向けてラジオもゲストをパワーアップしていくようで、スタッフからのこぼれ話も含めて、作品の内容が少しずつ明かされていくはずなので、気になるファンはしっかりチェックしてほしい。

(c)MAGES./LOST SONG製作委員会

 

取材・文・写真:梅田勝司

オンエア情報
「鈴木このみと久野美咲のLOST SONG RADIO

パーソナリティ:鈴木このみ(リン役)、久野美咲(アル役)
「響 -HiBiKi Radio Station-」(響ラジオステーション)
毎週月曜日18:00更新

 

作品情報
LOST SONG

2018年放送開始 Netfrix先行配信
 
<STAFF>
原作・監督・脚本:森田と純平(MAGES.)
キャラクター原案:福田知則(MAGES.)
アニメーションファシリテーター:櫻井親良
メインキャラクターデザイン:金子志津枝
サブキャラクターデザイン:原修一・藤澤俊幸
デザインワークス:バーンストーム・デザインラボ
美術監督:大久保錦一
背景美術:でほぎゃらりー
色彩設計:大西峰代
撮影監督:山本弥芳
作詞:畑 亜貴
音楽:白戸佑輔
音楽制作:5pb.Records
制作:LIDENFILMS×ドワンゴ(共同制作)
 
OP情報:オープニング主題歌『歌えばそこに君がいるから』
作詞:鈴木このみ・畑 亜貴
作曲・編曲:白戸佑輔
歌唱:鈴木このみ
 
<CAST>
リン:鈴木このみ
フィーニス:田村ゆかり
アル:久野美咲
ポニー・グッドライト:たかはし智秋
ヘンリー・レオボルト:山下誠一郎
アリュー・ルックス:瀬戸麻沙美
モニカ・ルックス:芹澤優
コルテ/メル:茅野愛衣
バズラ・ベアモルス:小山剛志
ルード・ベルンシュタイン4世:鈴木裕斗
ドクター・ヴァイゼン:小形満
タルジア・ホークレイ:糸博
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