アヴィニョン演劇祭の宮城聰演出『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』をBSスカパー!でテレビ初放送
-
ポスト -
シェア - 送る
撮影:日置真光
かつて上演されたステージの中から、記憶に残る「伝説的な名舞台」「懐かしの公演」(LEGEND作品)をピックアップし、当時の映像のまま皆様へ届けるBSスカパー!(CS放送)の舞台中継番組「STAGE LEGEND」。来たる2018年4月18日(水) 23:00には、2014年にフランスのアヴィニョン演劇祭で上演された宮城聰演出 SPAC-静岡県舞台芸術センター『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』が放送される。
王家の熾烈な争いを軸とした古代インドの国民的大叙事詩の中で、最も美しいロマンスと言われる挿話『ナラ王物語』。争いの絶えない俗界に咲く花のような物語を、宮城聰は「平安時代に伝わっていたら……」という大胆な着想のもと、絢爛豪華な舞台絵巻に昇華させた。
このSPAC版『マハーバーラタ』は、2014年に世界最高峰の演劇の祭典「アヴィニョン演劇祭」から招聘され、いまなお「演劇史上の大事件」として語り継がれるピーター・ブルック演出の『マハーバーラタ』と同じ「ブルボン石切場」で2週間に渡り上演された。約1,000の客席を連日満席にし、スタンディング・オベーションの嵐を巻き起こした。
撮影:新良太
圧巻は神々と人間が駆け巡る客席の360度を取り囲むリング状舞台。白を基調とした平安貴族風の美しい衣裳や舞台美術、出演俳優によるパーカッションの生演奏から生まれる圧倒的な臨場感、「語り」「動き」「リズム」が三位一体となって織りなすグルーヴが、観客をまたたく間に幻想的な劇世界へと引き込んだ。
2017年、『アンティゴネ』でアジア圏の劇団として史上初めてアヴィニョン演劇祭のオープニングをメイン会場「法王庁中庭」で飾り、再び世界の観客を魅了した宮城。その創意に富んだダイナミックかつ繊細な演出がふんだんに盛り込まれたSPAC祝祭音楽劇の頂点『マハーバーラタ』アヴィニョン公演の模様を、今秋パリで開催される日本博「ジャポニスム2018」での上演に先駆け、TVで初放送される。
撮影:新良太
■Story
その美しさで神々をも虜にするダマヤンティ姫が、夫に選んだのは、人間の子・ナラ王だった。その結婚を妬んだ悪魔カリの呪いによって、ナラ王は弟との賭博に負け国を手放すことになる。落ちのびていく夫に連れ添おうとしたダマヤンティ。だが疲れて眠っている間に、彼女の衣の切れ端を持ってナラは去る。夫を捜して森をさまようダマヤンティを様々な困難が襲う。行く先々で危機を乗り越えた彼女はやがて父親の治める国へ。一方ナラも数奇な運命を経てその国にたどり着く。果たして夫婦は再会し、国を取り戻すことができるのか……。
■宮城聰(みやぎ・さとし)プロフィール
1959年東京生まれ。演出家。SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督。東京大学で小田島雄志・渡辺守章・日高八郎各師から演劇論を学び、90年ク・ナウカ旗揚げ。国際的な公演活動を展開し、同時代的テキスト解釈とアジア演劇の身体技法や様式性を融合させた演出は国内外から高い評価を得ている。07年4月SPAC芸術総監督に就任。自作の上演と並行して世界各地から現代社会を鋭く切り取った作品を次々と招聘、「世界を見る窓」としての劇場づくりに力を注いでいる。14年7月アヴィニョン演劇祭から招聘された『マハーバーラタ』の成功を受け、17年『アンティゴネ』を同演劇祭のオープニング作品として法王庁中庭で上演、アジアの演劇がオープニングに選ばれたのは同演劇祭史上初めてのことであり、その作品世界は大きな反響を呼んだ。18年秋に開催される「東京芸術祭」の総合ディレクターに就任。他の代表作に『王女メデイア』『ペール・ギュント』など。04年第3回朝日舞台芸術賞受賞、05年第2回アサヒビール芸術賞受賞、18年平成29年度(第68回)文化庁芸術選奨文部科学大臣賞(演劇部門)受賞。
放送情報
■放送日時:2018年4月18日(水) 23:00
■放送局:BSスカパー!
■公式サイト:https://www.bs-sptv.com/program/3906/
SPAC-静岡県舞台芸術センター『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』
(2014年 アヴィニョン)
■演出:宮城聰
■台本:久保田梓美
■音楽:棚川寛子
■空間構成:木津潤平
■出演:SPAC/赤松直美、阿部一徳、石井萠水、大内米治、大高浩一、片岡佐知子、加藤幸夫、木内琴子、榊原有美、桜内結う、佐藤ゆず、鈴木麻里、大道無門優也、舘野百代、寺内亜矢子、仲村悠希、本多麻紀、牧野隆二、牧山祐大、美加理、森山冬子、山本実幸、横山央、吉見亮、若宮羊市、渡辺敬彦 [五十音順]
■照明デザイン:大迫浩二
■衣裳デザイン:高橋佳代
■小道具デザイン:深沢襟
■製作:SPAC−静岡県舞台芸術センター
■共同製作:KAAT神奈川芸術劇