青年座劇場の最終公演「砂塵のニケ」、綱島郷太郎「劇場に感謝を込めて」
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劇団青年座 第231回公演「砂塵のニケ」より。(撮影:坂本正郁)
劇団青年座「砂塵のニケ」が、本日3月23日に東京・青年座劇場で開幕する。
てがみ座の長田育恵が青年座に初めて脚本を書き下ろし、宮田慶子が演出を手がける本作。1枚の絵が過去と現代を結び、親と子をつなぐ物語が展開する。天才画家・加賀谷直人の作品の修復を手がけることになった美術修復家の緒川理沙。絵を通じて加賀谷の痕跡をたどるうち、彼女はパリを訪れることになり……。
老朽化に伴う建て替え工事の影響で、3月をもって劇場としての役割を終える青年座劇場。同劇場の最終公演となる「砂塵のニケ」の開幕に際し、加賀谷直人役の綱島郷太郎は「初日前夜、夜舞台稽古を終え、楽屋でビール。この当たり前の習慣が、終わる。今夜は劇場に感謝を込めて。乾杯。キャスト・スタッフと共に。乾杯。美味ッ!」とステージナタリーにコメントを寄せた。
さらに津村拓郎役の久留飛雄己は「舞台稽古を終え、僕が持ち得る限りのものは出して来たつもりです。でもまだ完成じゃない。お芝居を積み上げることに終わりはないので、初日を迎えてからも一日一日を真摯に役と、相手と向き合ってこの『砂塵のニケ』という作品を押し上げていければと思います。この作品で最後を迎える青年座劇場に敬意を表して」と思いを述べる。
そして緒川理沙役の那須凜は「ニケという名の勝利の女神。彼女が生まれたのは、壮大な自然に囲まれた島です。時を越える彼女と同じように、青年座劇場は、49年間の歴史、人々、芝居がしみついています。そして、『砂塵のニケ』という芝居が終われば、青年座劇場は砂になり、新しい広い場所へ飛び立っていきます。是非。是非」と作品と劇場を重ね合わせて語った。公演は3月31日まで。なお26日には長田と宮田によるアフタートークが実施される。
劇団青年座 第231回公演「砂塵のニケ」
2018年3月23日(金)~31日(土)
東京都 青年座劇場
作:長田育恵
演出:宮田慶子
出演:那須凜、増子倭文江、横堀悦夫、久留飛雄己、野々村のん、清瀬ひかり、綱島郷太郎、松川真也、山野史人