舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These』ビジュアル撮影現場より、ラインハルト役の永田聖一朗が新シリーズスタートへの決意を語る!
永田聖一朗
田中芳樹氏の大人気SF小説であり、世代を超えて愛され続けるベストセラー『銀河英雄伝説』を原作とした舞台シリーズが、この秋新たにその歴史をスタートさせる。主演を務めるのはミュージカル『テニスの王子様』3drシーズンで青学9代目菊丸英二を演じた永田聖一朗。「自身にとっても憧れの男」と語るラインハルトを生きるための挑戦が今、始まる。
ーーまずは出演が決まったときの気持ちをお聞かせください。
「おおっ」(笑)。
ーー感嘆。
元々タイトルは聞いたことがありましたし、なんというか……「こんなに大きな作品に参加できるんだなぁ」っていう現実に、ホントに言葉にすると「おおっ」という表現が一番ぴったりで。そして嬉しさと驚きと……でもプレッシャーはなかったです。それよりも「そうか、やってやるぞ。楽しみだなぁ」という気持ちでゾクゾクしました。
ーー作品の世界観に触れた感想は?
タイトルに“銀河”とついているのでSF作品なのかなって思ったんですけど、原作を読んでみるとSFというよりは人間ドラマに重点が置かれた内容だったので驚きました。舞台は宇宙だけど、起きていることはこの地上と変わらなくて、戦いを通じて人間のなんたるかを問いかけてくれたり、社会の状況についてすごく考えさせるような物語。僕は好きですね。「この奥深い世界に分け入っていきたい」、「こういう人間味を感じさせてくるお話はぜひ芝居でチャレンジしたい!」って、純粋に興味を魅かれました。
永田聖一朗
ーー永田さんが演じるラインハルトにはどんなイメージを持ちましたか?
ラインハルトは……憧れの人ですね。生き様がカッコいい。カリスマ性も高くて、強くて、そして、ずっと上を目指し続けるようなスタンスを持ってる。もちろんビジュアルも凄くカッコいいですけど(笑)。でも、時々子どもっぽい部分も見えて、そういうところは自分もシンパシー感じるなって思います。彼はまだ20歳で、そういう若いが故の自信だったり、若いからこそ持っている危なっかしいところなどは、等身大の自分にも大いに通じるところがありますね。怖いもの知らずなところにも危険な魅力を感じます。
ーービジュアル撮影で見せた精悍な軍人の姿はまさにラインハルトでした。
衣裳を着て、まず「カッケェ〜!」って思いました(笑)。強そうでしょ? あの軍服を着ることで世界観を身にまとったというか……。撮影中も『銀英伝』の音楽をかけていただいてたので、撮影しながら「ホントに物語の中に入ったらこういう気持ちなのかな」っていうイメージもわいてきて、すごく楽しかったです。早く10月にならないかなぁ(笑)。今、めちゃめちゃわくわくしてます!
ーーラインハルトと男の友情で結ばれているキルヒアイスを演じるのは加藤将さん。おふたりはミュージカル『テニスの王子様』で、2年間共に舞台に立った間柄です。
はい。将さんとはすごく仲が良いので、将さんと創るラインハルトとキルヒアイスの関係性というのも、僕らにしかできない濃密なモノにできるんじゃないかなって思っています。お互いにいいところもダメなところもわかってるし、言いたいこと言い合えるし……。関係の深い同士を演じるふたりが、すでに理解があるところからスタートできるのは大きな強みになると思います。
ーー加藤さんは「すでにラインハルトとキルヒアイスっぽい空気を感じるんですよね」(加藤将さんのインタビュー参照)とおっしゃってましたよ。
テニミュの楽屋でのエピソードですよね。それ……なんか将さんはずっと言って来るんですけど、キルヒアイスだったら言わずにスッと片付けておいてくれるんじゃないかなとも思うんです(笑)。将さんは「ほら、ほら、ホラ片付けや〜」って構ってくれて、それはそれで楽しいから全然いいんですけど(笑)。
永田聖一朗
ーー微笑ましいです(笑)。おふたりは5月に揃ってテニミュを“卒業”。2.5次元のパイオニア的舞台を経験したことは、舞台『銀英伝』に挑む上でも大きな武器になるのでは?
テニミュをやってきたお陰で“キャラクターを演じる”ということ、そのためにはどういうことをしていけばいいのかという過程を実体験して理解できるようになっていったので……それはもうホントに大きいことだと思います。今でも「ほらそこもうちょっとどうにかできるだろ」って、過去の自分に言ってやりたかったなってことがたくさんあります(笑)。でも、それは誰かに教えられるわけでもなく、なにが正解かどうかわからない状態から模索して、自分なりの考え方で約2年間かけてひたすら探して見つけて来たモノだと思うんです。それを知っている分だけ、この舞台『銀英伝』でも活かせるところは自分の中にいっぱいあると思うし、そうしていきたい、そうしていかなくちゃと思いますね。
ーー自負を持って新たな現場に入っていける。なにから実践しますか?
最初はやっぱりキャラクターの“カタチ”。立ち居振る舞いとか目線とか……そもそも出て来たときにラインハルトとして見えなければお客様は「なんだ、違うじゃん」ってなってしまいますから。だからといって、ずっとカタチでやっていてもダメなんですよね。カタチでやるのはそのキャラクターとして認めてもらう最初の段階でやることですから。
ーーいわば名刺のようなモノですね。
そうですね。そこからスタートして、種を蒔いて、やがて芽を出し花を咲かせるように、ゆくゆくは「なにをやってもラインハルトにしか見えない」という領域にまで持っていけるよう演じたい。今作は“新シリーズ”と言われ、アニメがこの春から新しくなったところからの舞台化なので、衣裳も演出も今回のバージョンにチェンジしています。そういう“今の銀英伝”を実体化していくのはいち作品ファンとしても楽しみですし、ずっと作品のファンだった方にも“深化”を楽しんでいただけたら嬉しいですね。アニメとのシンクロも意識しつつ、変わるところ、変わらないところ両方を提示しながら「多くの方に愛されて来た舞台を再び」という気持ちで新たな伝説を創れるよう、まい進していきたいです。
ーー作品も、そして永田さん自身も“新たな領域”に入っていく。このタイミングで個人的に立てている目標などはありますか?
僕は台詞の裏に隠れた感情を表現できる役者になりたくて。例えば「ありがとう」ひとつにしても、淋しいのか嬉しいのか怒っているのか……その言葉を本当はどんな思いで発しているのか。文字には書かれていない部分が実はとても大事ですよね。笑顔でいることも、顔は笑っているけれどその胸の奥にはどんな感情を潜ませて笑っているんだろうって。ホントに細かい表現なんですけど、そういう繊細なところも大切に演じていきたいんです。テニミュをやっていてずっと思っていたのは「ウソのない芝居をしたい」ってこと。キャラクターらしさにこだわり過ぎて中身が薄れてしまうと、同じ台詞でもなんか……ウソを言っているようになっちゃうなって気づいたんです。だから、外見も中身も伴っている芝居、カタチだけじゃないウソのない芝居っていうのを常に追究していきたい。それが役者としての目標ですね。
ーーもちろん、ラインハルトとしても。
はい。テニミュは同世代でキャリアも近しい同士、みんな一斉にスタートして成長していけた現場ですけど、これからはそうじゃない。もっともっと先輩方がたくさんいらっしゃるところに自分は放り込まれ、揉まれていくことになるでしょう。そこにあるいろんな出会い、いろんな芝居、いろんな経験、全てが楽しみでしかありません。ラインハルトは「誰にも負けない」って気持ちがすごく強いので、僕も「誰にも負けない」という気持ちで、彼の考え方、生き方を頼りにしながら、まずは自分自身がラインハルトそのものになれるよう、人間的にも成長していきたいです。多くの方に愛されている作品に出られることを誇りに思い、カッコいい男として生き抜きたい……今、自分で相当ハードルを上げています(笑)。いや、もっともっと上げていってもいいはず。新しくなる舞台『銀英伝』、前作を超えたいっていう気持ちで頑張ります! みなさんぜひ期待して劇場にお越し下さい。
永田聖一朗
取材・文=横澤由香 撮影=荒川潤
(c)舞台「銀河英雄伝説」制作実行委員会
(c)舞台「銀河英雄伝説」制作実行委員会
公演情報
【演出】大岩美智子
【構成・監修】高木登
【脚本】米内山陽子
【出演】
<銀河帝国>永田聖一朗/加藤将/畠山遼 釣本南(Candy Boy)
<自由惑星同盟>小早川俊輔/米原幸佑 伊勢大貴 小西成弥/碕理人 汐月しゅう ほか
※10月26日(金)14:00 帝国軍アフタートークイベント
※10月26日(金)19:00 同盟軍アフタートークイベント
※10月27日(土)17:30 帝国軍+同盟軍+スペシャルゲスト
【会場】 Zeppダイバーシティ東京
【料金】
全席指定 8,640円(税込)
全席指定2回通し券(非売品生写真1種+非売品グッズ付き)16,000円(税込)
※未就学児童入場不可
※2回通し券とは《例:金曜日の昼・夜両公演観劇》です。
※2回通し券の非売品生写真・非売品グッズは各日ごとに異なります。
【公式HP】 http://www.gineiden.jp/
【公式twitter】@gineiden_stage
【主催・企画・制作】 舞台「銀河英雄伝説」制作実行委員会