片瀬那奈も『六本木アートナイト2018』をいち早く体験！　“一夜限りのアートの饗宴”、今年の見どころは？

2018年5月26日と27日の2日間、六本木ヒルズと東京ミッドタウン、国立新美術館を中心とした六本木各地で一夜限りのアートの饗宴『六本木アートナイト 2018』が開催される。9回目の開催となる今年のテーマは、「街はアートの夢を見る」。六本木の街全体が美術館となり、夜のコアタイムをメインに現代アートやインスタレーション、パフォーマンスなど、五感で芸術を楽しむ80以上のプログラムが展開される。5月25日には開催に先立ってプレスプレビューが行われ、一部のプログラムを先行公開。女優でモデルの片瀬那奈も来場したこの催しの様子をお伝えしよう。

右から南條史生、メインアーティストの宇治野宗輝、鬼頭健吾、金氏徹平、片瀬那奈

2018年のテーマは「街はアートの夢を見る」

毎年2日間の開催で60万人以上もの人々を集める、六本木アートナイト。2009年からほぼ毎年開催され、いまやアートの祭典として説明不要の催しに成長した。アート“ナイト”を銘打ったイベントだけに、最も盛り上がるのは26日午後6時から27日午前6時の日没から夜明けの時間帯。とはいえ、もちろん日中に開催されるプログラムも満載なので、深夜に出かけるのはちょっと……というファミリー層やシニアでも十分に楽しめるイベントだ。

六本木アートナイト実行委員長の南條史生（森美術館館長）

今年のテーマは「街はアートの夢を見る」。六本木ヒルズアリーナで行われたプレスプレビュー冒頭では、実行委員長の南條史生（森美術館館長）が、「六本木の街で大変多彩なアートの展開がある。それを皆さんと一緒に楽しみたい」と挨拶した。

今年は3名の作家がメインアーティストを担当！

六本木アートナイトでは例年1名の作家がメインアーティストを担っていたが、今年は金氏徹平、鬼頭健吾、宇治野宗輝が3名でメインアーティストを担当。この日は彼らも会場に登場し、それぞれ次のように語った。

「六本木アートナイト2018」メインアーティストの3名

金氏徹平は、六本木ヒルズアリーナで《タワー》という名の造形とパフォーマンスのコラボレーションを展開。ミュージシャン、女優、映像作家、劇作家など多彩な才能たちとともに、アートや歌、踊りで一夜限りの夢を描き出す。

金氏「もともとこの作品は彫刻やインスタレーションというよりは演劇の舞台芸術として考えた作品で、いろんなパフォーマンスを行うことを前提として作っています。ミュージシャンやダンサー、アーティストと作品を作り上げていきます。街を24時間演じ続けるというアイデアのもとに、大きな街や街の動きを一人ひとりの身体のアクションの積み重ねによって表現します」

《タワー》を発表する金氏徹平

鬼頭健吾は、国立新美術館で《hanging colors》と《broken flowers》を展開。《hanging colors》は国立新美術館の象徴的なガラスのファサードにカラフルな布の滝を作り上げ、《broken flowers》では無数に散りばめた鏡の上に花の映像を投影して幻想的な世界を作り出す。

鬼頭「僕の作品は日常的な物質を使って作品化することがほとんどなのですが、今回は布を大量に垂らすことで布ではなく“色”として認識させたり、鏡に花を投影することで花が反射によって分解されて色だけになるというような作品です。自分の中では“夢と色と幽霊”をテーマにしていて、色や物が変化する様子が儚いけれども幻になるというような形になっています」

《hanging colors》と《broken flowers》を発表する鬼頭健吾

宇治野宗輝は、東京ミッドタウン キャノピー・スクエアで《ドラゴンヘッド・ハウス》を展開。カラーコーンと車と建築が一体になった、音と光が連動して動く彫刻「DRAGON HEAD」シリーズの六本木バージョンを披露する。

宇治野「東京を代表する哀しい色のタクシーとクレーン車、カラーコーンと日本の昔ながらの建築を合体しています。クレーンで吊り上げたタクシーの車体が龍の頭で、歯は工事現場の鏡です。道で見かけるようなものを組み合わせたもので、ワイパーやドアミラーの動きが音を奏でる複合的なサウンドスカルプチャーになっています」

《ドラゴンヘッド・ハウス》を発表する宇治野宗輝

片瀬那奈「たくさんのアートに触れてほしい」

また、この日は女優でモデルの片瀬那奈がスペシャルゲストとして来場。ピンクで統一した華やかな装いで登場した片瀬は、これまでアートナイトにも何度か訪れているそうで「街じゅうにたくさんの素晴らしいアートが見られるということで毎年楽しみにしています」と挨拶した。

私生活でも芸術観賞に親しみ、都内や東京近郊にもお気に入りの美術館があるという片瀬。お気に入りのアーティストを聞かれると「ストリートアートが好きですね」と答え、キース・ヘリングやバスキアなど、アメリカンモダンアートの作家を挙げるとともに、「今回も本当に私の好きな日本人アーティストの方がいっぱいいらっしゃって、一同に会するということはなかなかないので皆さん全員に注目しています」とコメントした。

スペシャルゲストとして登場した片瀬那奈

その後、今回が初来日となるドイツの巨大パペット《DUNDU（ドゥンドゥ）～光の巨人～》が片瀬の前に登場。幻想的な音楽とともに会場に現れた5mのパペットは片瀬と手を繋いだり、ハグをするなどの共演を見せ、これには片瀬も「迫力ありますね～」と驚きの様子だった。

巨大なドゥンドゥが片瀬と共演！

この日はまだ空が明るい時間帯だったのでその本領を確認することができなかったが、ドゥンドゥはLEDによって全身が発光。26日の夜には六本木ヒルズ、東京ミッドタウン、国立新美術館の3拠点でパフォーマンスを披露する予定で、本番ではその光り輝く姿が見られることだろう。

ドゥンドゥにハグされて、片瀬もこの表情

最後に片瀬が「アートが普段から大好きな方も、そしてなかなか見る機会がない方も、このアートナイトに来たらたくさんいろんなものに触れられると思うので、難しいことを考えずにぜひたくさんたくさん触れていただきたいです」とPRしてイベントは終了した。

今年も想像を超えるアート体験が待っている！

イベント後には3つの拠点を回り、先行公開されている幾つかのプログラムを鑑賞。いずれもユニークな作品の数々は、開催当日への期待感を大いに抱かせてくれた。

鬼頭 健吾 《hanging colors》

マグダ・セイエグ まちと美術館のプログラム「六本木ヒルズ 15 周年記念インスタレーション」

80を超えるプログラムのさらなる詳細は公式ホームページをチェックしてほしい。これだけ多くの現代アートがほとんど無料で見られるという特別な機会。また、普段は美術館に飾られているアートが街に飛び出し、我々の元に来てくれる貴重な体験が楽しめることだろう。

JR 《インサイドアウト・プロジェクト IN JAPAN presented by Reborn-Art Festival》

生田目 礼一 《未来庭園》

ニコラ・ビュフ 《提灯ロケット》

26日の夜は東京シティビューの展望台がオールナイト営業、森アーツセンターギャラリーやサントリー美術館が延長開館、レストランやカフェが深夜まで延長営業していたりととにかくお祭り騒ぎの盛り上がりなので、アート好きならずともぜひ“一夜限りのアートの饗宴”に足を運んでみてほしい。