絵と漫画による「変な世界」 綾野本汰『ラッキーオレンジメモリーズ』展

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2018.6.9

綾野本汰の個展『第17回グラフィック「1_WALL」グランプリ受賞者個展 綾野本汰展「ラッキーオレンジメモリーズ」』が6月22日まで東京・銀座のガーディアン・ガーデンで開催されている。

綾野本汰は1985年生まれのアーティスト。京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了後、イラストの一部分を漫画の1コマとしてクローズアップし、登場するキャラクターの状況から連想される短編漫画を制作している。2016年に『第200回ザ・チョイス』に入選。2017年に『2017 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展』に入選し、『第19回アックスマンガ新人賞』で準佳作を受賞した。

同展は、個展開催の権利をかけた公募展『第17回グラフィック「1_WALL」』グランプリ受賞に伴って行なわれるもの。綾野は同公募展で「変な世界」をテーマにした展示『こんにちは!! ザ・ワールド』を発表。近未来の砂漠に住む雪男などのイラストと、それぞれのキャラクターから連想した短編漫画を展開し、審査員に「イラストと漫画、どちらか一方では成立しないところがこの作品のオリジナリティー」と評された。

『ラッキーオレンジメモリーズ』では、色鉛筆の手書きイラスト約70点と短編漫画を紹介。グランプリ受賞時に続き、近未来の砂漠が舞台となり、展示品を鑑賞しながら会場内を一周することでストーリーが展開されるという。また、会期中6月11日にはトークイベントを実施。『1_WALL』の審査員を務めたイラストレーターの都築潤をゲストに迎える。

綾野本汰のコメント

思いつきを集めて、絵と漫画を描きます。
登場するキャラクターたちが、砂漠をうろうろする不思議な世界を楽しんで頂けたら嬉しいです。

都築潤のコメント

プロアイレシス(選択)による痕跡の一時的な定着とその反復は、綾野本汰のこれまでの活動にも貫かれています。活動全体を見渡しても意志は一切不在であり、それはいわゆる創作とは程遠い在り方といえます。綾野は自閉しながらも自然から影響を受け、今度は種々のメディウムに綾野が影響を与えることで作品がそこに現れますが、それは意志ではなくプロアイレシスによって、偶然の出来事としてそこに「在る」だけです。

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