【映画レビュー】『バーニング・スカイ』もしも海軍で同性愛に目覚めたら…BL版『トップ・ガン』
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ダン役のトレント・フォード。七三のイケメン 『バーニング・スカイ』 (C) 2013 BURNING BLUE THE FILM, LP. ALL RIGHTS RESERVED.
SPICE×ぷれシネ特集 第七回
SPICEをご覧のみなさま、いかがお過ごしでしょうか?10月も半分が終わり、ハロウィンが近づいてきました。そう、ハロウィンといえば映画!映画館にレンタルショップ、試写会など色々な方法で楽しめる季節ですね。そんな発想になる皆様にオススメしたいのが、日本初の映画試写アプリ「ぷれシネ」です。
同アプリでは、最新作やDVDの本編を新旧問わず丸々1本を無料で楽しめます。アプリ内の作品一覧から選んで応募すれば、その場で抽選結果も分かり、当選すればそのまま鑑賞可能です。この企画では、SPICE編集部の映画好きライター・フジモトが同アプリを体験し、ネタバレなしの作品レビューで皆さまにその魅力をお伝えしていきます。
○過去の記事はこちらから
第七回に取り上げる作品は、戦闘機乗りたちの愛と友情を描いたドラマ『バーニング・スカイ』です。今回は設定レベルではありますが、ネタバレしております。ご容赦を。
■あらすじ
ダンとウィルは、アメリカ海軍巡洋艦の戦闘機テストパイロット。ライバルとして切磋琢磨しあい、厳しくも充実した日々を過ごしていた。そんなある日、二人の同僚がF-18戦闘機のテスト中に墜落、死亡してしまう。すでに何件もの事故が発生していたため、事態を重く見た海軍は艦に捜査官を派遣する。一方、ダンは新たにチームに加わったマットと意気投合。余暇時間に街で盛り上がった二人は、酒の勢いに任せて激しい一夜を過ごすのだった。やがて二人の行動は、ウィルの生活や海軍組織全体に大きな波紋を拡げることになる。
■空軍を舞台したボーイズ・ラブ…同性愛版『トップ・ガン』
いっさいボーイズラブ臭の無い日本版パッケージ ※アクション大作ではありません『バーニング・スカイ』 (C) 2013 BURNING BLUE THE FILM, LP. ALL RIGHTS RESERVED.
舞台は1980年代のアメリカ海軍。あの名作『トップ・ガン』と同じく、戦闘機のテストパイロットたちが主役なんですね。いわば、ボーイズ・ラブ版『トップ・ガン』。キャラクターはややマイナーチェンジしてはいますが、同じく個性豊かです。主人公は海軍将校を父に持つ繊細なエリートパイロットで、相棒・ウィルは肉体派のよきライバルです。そこに一匹狼の凄腕候補生・マットが登場することで、二人の関係が徐々に歪んでいきます。
一匹狼のマットは『トップ・ガン』でヴァル・キルマーが演じた”アイスマン”同様、”アイアンマン”というあだ名を持っています。脇には、チームのムードメイカー的なおしゃべり野郎もいますよ。彼らがぶつかりあいながらも絆を深めあっていく展開は実に熱い。ただし、本作の男たちは多くが妻子もちでヒロインもいないため、男同士の愛と友情と嫉妬をめぐるドロドロしたドラマが繰り広げられます。
■ゲイ差別を経験した監督による、事実にもとづく物語
左から、肉体派、おしゃべり野郎、一匹狼『バーニング・スカイ』 (C) 2013 BURNING BLUE THE FILM, LP. ALL RIGHTS RESERVED.
監督のG.M.W・グリアはリアルゲイだそうです。本作はフィクションではありますが、彼の経験にもとづいて多くの事実を取り入れているんですね。グリア監督は海軍将校の父に厳しく育てられ、1980年代には自際に巡洋艦・ペンコーラでテストパイロットを務めていたそうです。
それだけに、本作に登場するキャラクターたちは服装から細かな日常まで極めて現実的。兵士たちはほぼ全員が「ネルシャツをスラックスにIN」といった地味な格好ですし、ナイトクラブのお姉さんたちからもイイ具合の80年代臭が。また、屈強なテストパイロットたちがキャッキャッウフフとじゃれ合う関係から、恋愛モードが変わる瞬間など…絶妙な心理描写は経験者ならではのものでしょう。また、同性愛に目覚めた男性たちの立場もそれぞれ違い、ステレオタイプでないのも素晴らしい。
厳格な家庭に育った男がどうやって本当の自分に目覚めていくのか?周りはそれをどう受け止めるのか。異性愛者と同性愛者で観かたが分かれるところかもしれませんが、生々しくもメロドラマ的に展開するストーリーには、なかなかに惹きつけられました。
■あと10年はやく公開されていれば…
『バーニング・スカイ』 (C) 2013 BURNING BLUE THE FILM, LP. ALL RIGHTS RESERVED.
最後にやや厳しいことを言えば…本作を見終わった後に衝撃的な何かが心に残るかといえば、個人的にはやや疑問でした。前述したように物語の舞台は1980年代。現在までに同性愛を主題としたたくさんの作品が作られています。たとえば、亡くなったヒース・レジャー主演の『ブロークバック・マウンテン』(2006年)は、ゲイ差別を主題にしながらも強烈な人間ドラマとして心に残った方も多いはず。それらと比べるのは酷ですが、本作には、終盤の尋問シーンやテロップなど、性差別体験の悲劇性を訴えすぎている演出がいくつか見受けられるんですね。端的に言えば、お説教くさい。1980年代、それこそ『トップ・ガン』と同じ時代に作られていたならば、本作は社会的にも大きな役割を持った作品になっていたかもしれません。
さて、本作に興味を持った方はさっそくぷれシネで試写会に応募して見てください。応募の方法は簡単!
①itunesまたはApp storeでアプリをダウンロード
②会員登録(メールアドレスと希望するパスワードを入力)
③ログイン
これだけで応募が完了し、その場で当選の結果もわかります。当選決定から24時間の間は、いつでも同じ作品を観ることができるので、通勤や通学、ちょっとした待ち時間をつぶしながら気軽に鑑賞するのもいいですね。
現在公開されている作品の定員は50~100名。ただし、抽選ではなく先着で当選が確定するものも多いので、人気作は早めに応募したほうが良さそうです。
また、鑑賞後は「シェア」ボタンをタップして、TwitterやFacebookに感想を投稿することもできます。感想を投稿すると、次回からの試写会の当選確率が上がるそうです!フジモトもさっそく投稿してみました。
なお、ぷれシネでの『バーニング・スカイ』配信は11月11日まで。期間中でも、先着100名に達すると申し込めなくなるのでご注意を。
現在配信中の作品と応募期間はこちら。
バーニング・スカイ
(2013年/アメリカ/96分)
監督・脚本:G.M.W・グリア
出演:トレント・フォード、モーガン・スペンサー、ボブ・メイズ、ウィリアム・リー・スコット
予告編
心霊調査室 鬼やば! 投稿された赤鬼映像の真実
『心霊調査室 鬼やば! 投稿された赤鬼映像の真実』 (C)「鬼やば!」製作委員会/(有)十影堂エンターテイメント
(2015年/日本/43分)
監督:渡邊和哉
構成:本橋幸弦
出演:浜田由梨、白石直也、勝俣英明、小方夏姫(ナレーション)
試写期間:11月21日まで
募集定員:先着100名
○レビューはこちら
Androidアプリへの対応は現在調整中。SPICEは毎週オススメの作品とともに進捗をお伝えしていくので、お待ちください!
価格:無料
カテゴリ: 写真/ビデオ
言語: 日本語、英語
販売元: HIROFUMI SOYAMA
(C) simpleplus / (C) precine
App store: https://appsto.re/jp/d4uL6.i ※iPhoneからアクセス可能
iTunes: https://itunes.apple.com/jp/app/pureshine/id982863363?mt=8
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