デボラ・コルカー・カンパニー『Belle(ベル)』
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気鋭の女性振付家が描く人間の二面性
南米ブラジルから注目の舞踊団がやってくる! ディレクターのデボラ・コルカーは「女傑」と呼ぶにふさわしい。早くからバレエを習うが、ピアノにも才能を示し、バレーボール選手としての経歴もある変わり種だ。加えて大学で心理学を学んだ知性派でもある。コルカーが振付家として歩み始めた当初は、ショー、映画、テレビ番組、サンバなどへの振付が中心だったという。1994年にデボラ・コルカー・ダンス・カンパニーを立ち上げ、力強くも洗練されたダンスとスペクタクル性に富む演出を融合させ、欧米でも絶大な人気を誇る。
初来日は2008年の『ROTA(ルート)』。鍛えられたダンサーたちの小気味よい動きや観覧車のように回る大きな装置を用いた迫力満点のパフォーマンスにおのずと引きこまれ、めくるめくような高揚感を覚えたのを忘れられない。近年は女性振付家として初めてシルク・ド・ソレイユの話題作『OVO(オーヴォ)』(09年初演)に携わるなど、卓越した構成力と多くの観客に訴える魅惑的な舞台創りを持ち味とし一層活躍の幅を広げている。
7年ぶりとなる待望の再来日で披露するのは最新作『Belle(ベル)』(14年初演)。フランス人作家ジョセフ・ケッセルの小説に基づくルイス・ブニュエル監督『昼顔』(1967年)で女優カトリーヌ・ドヌーヴが演じた売春婦セヴィリーヌ役に触発され創作したという。今回は、どんな仕掛けで我々を驚かせてくれるのだろうか。興奮を体験すべく、さあ劇場へ!
文:高橋森彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年10月号から)
10/31(土)17:00、11/1(日)15:00 KAAT神奈川芸術劇場 ホール
問:
http://www.kaat.jp/d/colker