全力失踪ブラックコメディ・ミュージカル『グーテンバーグ!ザ・ミュージカル!2018』の魅力とは
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2017年に日本初演された『グーテンバーグ!ザ・ミュージカル!』が、新たなメンバーを加えて2018年7月18日(水)~29日(日)新宿村LIVEで再演される。初演メンバーの福井晶一&原田優一から新たに加わったのは鯨井康介&上口耕平。この4人を率いるのは前回同様、演出に板垣恭一、音楽監督兼ピアノに桑原まこ だ。
上演を1週間後に控えた今、一言では説明しにくい本作の魅力をご紹介する。
■世界で大ヒットの小劇場ミュージカル
小規模なミュージカルコメディとしては異例のNY、ソウル、パリなど世界6各国で大ヒットした作品。今でも世界のどこかで上演され続けているのがこの『グーテンバーグ!ザ・ミュージカル!』だ。日本では、今作が昨年3月の日本初演に引き続きの再演となる。
■たった二人で20役
出演者はたった二人。この二人で歌って、踊って、演じてと20役以上を全力でやりきるので、その疾走感と爽快感がたまらない作品と言えるだろう。
■キャップの存在
「20役以上」をこなすために活躍するのがキャップ(帽子)。 キャップには役名が書いてあり、二人で目まぐるしく被り変えながら役を演じるのが大きな魅力の一つ。シンプルが故に俳優の力量も試されてしまう設定だが、今回の俳優たちはどんな演技を見せてくれるだろうか。
■ブラックコメディ
劇中劇のタイトルである『グーテンバーグ!』は活版印刷機を発明したとされるグーテンベルクの英語読みで、中世ドイツの発明家の話を現代の状況と重ねながら物語を進めていくという、日本ではあまり目にしない風刺コメディミュージカルである。しかし漫才を見ているような掛け合いとテンポの良さがブラックさを超えてしっかりと面白さに昇華されていく。
■ミュージカル読本
うっとりするほど美しいバラードから軽快なロックナンバーまであらゆるジャンルのミュージカルが楽曲として網羅されているだけでなく、ミュージカルというものがどういう構造で出来ているのかを解説しながら物語を進めていくのでミュージカルの勉強にもなる本作は、ミュージカル初心者にもお勧めできる。
■似て非なる2組2つの台本
今回が日本での再演となる『グーテンバーグ!ザ・ミュージカル!』だが、初演メンバーの福井晶一/原田優一ペアに加えて、新メンバーとして鯨井康介/上口耕平ペアが加わった。初演メンバーと新メンバーでは、台本にも変化を加えているため、それぞれの組で印象が変わる公演になっている。ぜひどちらのペア公演もご覧いただき比べてみてほしい。
福井晶一&原田優一 ペア
鯨井康介&上口耕平 ペア
■バッカーズオーディション
このミュージカルは『グーテンバーグ!』というミュージカルを作った劇作家と作曲家の物語 。しがないクリエーターであるダグ&バドは、自分たちが作った新作ミュージカル『グーテンバーグ!』をブロードウェイで上演したいものの、お金もコネもないことから自分たちで会場を借りてお客さんを集め、作品のプレゼンテーションをして出資して貰おうという作戦に出る。この資金集め公演をブロードウェイでは「バッカーズオーディション」と呼んでおり、『グーテンバーグ!ザ・ミュージカル!』そのものも、会場に来た観客がこの公演のスポンサーやプロデューサーになるという設定の話でもあるのだ。
(左から)原田優一、 福井晶一、 鯨井康介、 上口耕平
■登場人物
ダグ・サイモン:福井&鯨井
まっすぐで純粋な男でありながら、 どんなことでも、 やると決めたら全身全霊をかけて挑む精神力の持ち主でもある。 しかし、 何かと経験豊富な一方で、 何か一つ突出したものは持っていない。 それでも周りの人を元気付けるエネルギーと集中力は誰にも負けない。 バドと一緒に作ったこの作品にとてつもないプライドを持っており、 誰より大事な友人であるバドを天才だと思っている。
バド・ダヴェンポート:原田&上口
ダグの親友であり自称天才作曲家。 いつでも誰かを楽しませようと頑張る純粋な男。 自分が作った曲を歌うとき、 その天才振りに自ら酔いしれる「ナルシスト」だが、 一方でそれを人前でお披露目できるだけでも感激してしまうような純粋さも持ち合わせる。 情熱の塊であるダグとの共同作業はいつも楽しく、 ダグが与える「ビッグ・アイデア」をリスペクトして止まない。
公演情報
日時:2018年7月18日(水)~7月29日(日)
会場:新宿村LIVE
Twitter https://twitter.com/gutenberg_jp