ミュージカル『生きる』お披露目イベントにて、新納慎也、小西遼生、May'n、唯月ふうか、川口竜也らが熱唱!
ミュージカル『生きる』お披露目イベント
2018年10月8日(月・祝)から東京・TBS赤坂ACTシアターにて、ミュージカル『生きる』が上演される。本作は日本を代表する映画監督・黒澤明が1952年に発表した代表作をミュージカル化したもの。初日まで残すところ1か月強となった8月16日(木)、本作のお披露目イベントが都内稽古場にて催され、本作に出演する新納慎也、小西遼生、May'n、唯月ふうか、川口竜也ほかキャストが登壇、抽選で選ばれた一般オーディエンスの前で初めて本作の劇中歌を披露した。
宮本亜門
気になる楽曲披露の前に、本作の演出を務める宮本亜門が、ホリプロ・梶山裕三プロデューサーと共に登場し、作品を解説した。宮本は映画『生きる』について、「映画は非常に静かな作品。それ故に音楽が入る余地が十分あると感じた。特に有名な『ゴンドラの唄』はミュージカルとの相性もいいんです」と語る。だがミュージカル化されるにあたり、約3年の準備期間が必要だったことにも触れ、「今、台本が第七稿です。本番までに八稿か九稿までいきそうですね」と、今もなお、細部に渡り修正を重ね、進化を続けている旨を口にした。この飽くなきこだわりは宮本だけでなく、脚本と歌詞を担当する高橋知伽江も同様で、作曲&編曲のジェイソン・ハウランドが韓国で別の舞台の準備をしているところに二人で押しかけ、ジェイソンの部屋で『生きる』の打ち合わせを続けたという話が飛び出すと、会場からは驚きが混じったため息が零れていた。
二人のトークが一区切りすると、小西、新納、May'n、唯月、川口が会場に登場。楽曲披露に先駆けて、この日の昼に行われていた、鹿賀丈史チームのワークショップの感想も交えて今の心境などを語った。
新納慎也と小西遼生
小説家役を演じる新納は、直前に行われたワークショップについて「鹿賀(丈史)さんが主人公・渡辺勘治を演じる姿を初めて見たんですが、信じられないくらい素敵で失禁しそうになって(笑)、鹿賀さんを抱きしめたい衝動を抑えるのに必死でした」と自身の演技云々より鹿賀の姿に心打たれたことを告白。
小西は市村正親チームで小説家役を演じる。「今日、鹿賀さんチームのワークショップを見て、『生きる』という作品が(市村チームとは)別物になるなと感じました。市村さんも鹿賀さんもレジェンドのような方。その二人が一から作品を作っていく姿を見てうずうずしていました」と今から本番が待ちきれない様子。
本作が初ミュージカル出演となるMay'nは小田切とよ役(市村チーム)と渡辺一枝役(鹿賀チーム)の二役を演じる。「初めてのことだらけで緊張でいっぱいでした。二つの役の違いを改めて感じています。この作品は親子の関係が描かれる話。一枝の旦那さん(光男)を演じる市原隼人さんがすごく素敵な方で、普段から熱い方であり、気さくな方。市原さんとどうすればより楽しく芝居を作っていけるかを考えています」とコメント。
唯月ふうか
唯月も鹿賀チームで小田切とよ役を、市村チームで渡辺一枝役を演じる。「とよは太陽のような役柄。いつも明るい存在ですが、今日鹿賀さんとワークショップをやってみて本当に楽しくて、私がとよの曲を歌っている時に鹿賀さんが『フフッ』と笑ってくださり、役の上ではありますがそういう掛け合いが出来るのが本当に楽しく、どんどんテンションが上がってしまいました」と微笑んだ。
川口はヤクザの組長役ほか複数役を演じる。「これまで何度も台本が変わりましたが、今日のワークショップを受けてさらに変わると思います。そのスタッフの熱意を感じます。役者も頑張っていますがそれ以上にスタッフに頭が下がる思いです」と感謝を口にした。
May'n、唯月ふうかと女性キャストチーム(強力です!)
その後、小西は本作の冒頭を飾る楽曲「ある男の話」、続いて新納が「仕事を休んだことはない」を男性キャストと共に歌い、May'nと唯月は「公園のある町」を女性キャストと共に歌い上げ、最後は川口が「金の匂い」を、今にも踊り出しそうなリズムとメロディーに乗せて歌い、喝采を浴びていた。
「渡辺勘治が“生きた”瞬間を感じてほしい。無心になって生き、自分自身を見つめることができるのかという本作のテーマを感じてほしい」と熱く語る宮本。これから本番に向け、稽古がさらに熱を帯びていくこととなるが、市村と鹿賀という「命をかけて舞台をやってきた二人」が、どのように舞台上で“生きる”のか、その姿が明らかとなる日を楽しみに待ちたい。
取材・文=こむらさき 撮影=オフィシャル提供
公演情報
■会場:TBS赤坂ACTシアター
■脚本&歌詞:高橋知伽江
■演出:宮本亜門
■出演:
【市村正親出演回】
渡辺勘治:市村正親
渡辺光男:市原隼人
小説家:小西遼生
小田切とよ:May'n
渡辺一枝:唯月ふうか
助役:山西惇
渡辺勘治:鹿賀丈史
渡辺光男:市原隼人
小説家:新納慎也
小田切とよ:唯月ふうか
渡辺一枝:May'n
助役:山西惇
【あらすじ】
役所の市民課に30年勤める課長の渡辺勘治(市村・鹿賀/Wキャスト)は、まもなく定年を迎えようとする矢先に、当時は不治の病とされていた胃がんになり、余命わずかと知る。時間が残されていないことを知った渡辺は、これまでの人生を考えて苦悩し、一時はやけ気味で夜の街を歩き、知り合った小説家(新納・小西/Wキャスト)と遊びまわるが、心はむなしいばかり。そんな折に偶然街で出会った同僚女性(May'n、唯月/Wキャスト)から刺激を受け、自分の本来の仕事を見つめなおし、「生きる」ことの真の意味を考え、新しい人生を始める―。