ジェイコブ・コリアー、若き天才が語るオーケストラ公演への意欲
ジェイコブ・コリアー
マルチ奏者で多重録音の奇才ジェイコブ・コリアーは、いまオーケストラとの共演を通してさらなる進化を遂げている! 初披露となるブルーノート東京シンフォニック・ジャズ・オーケストラとの演奏、日本公演への意欲を語ってくれた。
――音楽家一家で育ったあなたにとって、クラシック音楽はどのような存在ですか?
幼い頃から母が自宅で演奏するバイオリンやレコードを聴き、クラシックを歌うようになりました。母は王立音楽アカデミーで指揮者をしているので、彼女が指揮するオーケストラもよく聴きに行きました。そこで聴いたバッハの『ブランデンブルク協奏曲第3番』は、僕が初めて心を強く揺さぶられた楽曲で、生演奏を体験することの大切さを学びました。クラシック音楽は、僕が初めて覚えた音楽という言語。オーケストラと共演することは、まるで家族と演奏するような感覚です。今回母もバイオリン奏者として来日するので、こうして家族で実際に演奏できることを嬉しく思っています。
――すべて一人で演奏するスタイルを得意とされていますが、オーケストラとの共演の際に意識していることはなんですか?
ソロの時はピアノからベース、ギター、ドラム、そして歌と、いろんな楽器を演奏しますが、オーケストラとの共演は一つの楽器に集中できるので、実はリラックスできるんです。コンサートはオーディエンスと一緒に作るものですから、指揮者とのコミュニケーションも重要です。指揮者はオーケストラを、僕はオーディエンスをまとめあげ、両者が会話をしながら会場を一体化するわけです。リハーサルが必須ですから、今まで演奏してきた楽曲でも常に新しい発見があります。オーケストラ公演は回を重ねるたびに、どんどん面白く感じているので、東京公演も今からとても楽しみです。
――演奏する楽器はどのように選ぶのですか?
ピアノが主役の時もあれば、ギターが主役の時もあるので、楽曲によって演奏する楽器を変えたり、歌にシフトしたりしています。そして主役は僕ではなく、オーケストラであるべき時もありますから、そんな時、僕は彼らの演奏に耳を傾けたり、オーディエンスのみなさんを盛り上げたりしています。それは、とても有意義な時間だと思っています。
――ブルーノート東京シンフォニック・ジャズ・オーケストラとの共演にあたりどのような準備をしていますか?
このコンサートのお話を頂いた際に、彼らの音源をチェックしたのですが、どれも素晴らしい演奏で間違いなく面白いコンサートになると確信しました。僕はステージに様々な楽器を置き、いつも音楽制作をしている自分の部屋のような設定をするので、今回初めて演奏する会場で、初共演となるオーケストラと共に、どんな空間作りができるのかも楽しみです。また、日本のファンのみなさんが喜んでくださる曲を、この公演のためだけに演奏できたらと考えています! どの楽曲にするのかは、オーケストラのみなさんと直接電話で話して決めたいと思っています。
取材・文=mari* Kimura
ライブ情報
JACOB COLLIER with BLUE NOTE TOKYO SYMPHONIC JAZZ ORCHESTRA
https://www.triphony.com/access/
S席:¥8,800-(税込)
A席:¥7,800-(税込)
共催:すみだトリフォニーホール
後援:J-WAVE、ブリティッシュ・カウンシル、英国政府観光庁
協賛:JCB
企画・制作:ブルーノート・ジャパン、クインシー・ジョーンズ・プロダクション
協力・お問い合わせ:ディスクガレージ TEL 050-5533-0888(平日12:00~19:00)