ミュージカル「ミー&マイガール」公開稽古&剣幸にインタビュー
「ミー&マイガール」
地方発のミュージカルを次に繋げていきたい
富山から創造発信する「オーバード・ホール名作ミュージカル上演シリーズ」の第6弾となる「ミー&マイガール」が11月12日(木)から上演される。2年ぶりの再演となる本作は、「マイ・フェア・レディ」の男性版とも言われ、1937年に英ウエストエンドで初演後、実に1646回のロングランを記録した大ヒット作品だ。先日、東京都内で公開稽古が行われ、主人公ビル役を演じる剣幸(つるぎ・みゆき)が会見に臨んだ。
剣幸「ミー&マイガール」
剣の地元でもある富山で上演されるこのシリーズ、2011年からスタートし過去4作品を上演しているが、最初に企画が持ち込まれたときには本当に嬉しかったという。「富山の方はミュージカルを純粋に楽しんでくださるし、あたたかく、一緒に何かを楽しもうという気持ちをもっています。東京でやるとどうしても「これはどんな作品なのかしら?」と構えてご覧になる方も多いのですが、富山ではそんな感じではないんです。そんな場所でものすごく贅沢に時間と場所を使わせていただけるので、我々も安心してやっていけました」
今回再演となることについて、「2年前の初演では『これが最後』と思って精魂込めてやっていました。その公演が終わって一つの区切りがついたな、と思っていたら今回の再演の話が。『ええええ!?もう一回演じてもいいんですか!?』ということになり(笑)こんなにありがたいことはないです。還暦を過ぎてまでやらせていただけるとは思わなかったです。ただ体力がつづくかどうかだけが心配です(笑)」あえて新作と再演の違いについて問われると、「再演はかなりのプレッシャーなんですよ」と語る剣。「新作はドキドキですが、誰も何も手を付けていないので、一から作り出すワクワク感があります。再演はベースメントがあるとはいえ、一度やったものをもう一度くずして組み立てるわけで、前回よりもっとよくならなければならない。前回を超えるにはどうしたらいいか、そこにプレッシャーがありますね」と正直な思いを口にし、実際今回の公演については「台本は2年前とは変わらないが、シェイプアップさせようかな。なるべく整理してそぎ落とす。ストレートに心を吹き込めたら、と思います」
剣幸「ミー&マイガール」
今回もプロアマ問わず公募で選ばれた出演者、そして富山ゆかりの方に多数出演していただいているという。
「富山県人はものすごくまじめなんです。まじめすぎるかなと思うくらい。私が、私が、的な自身のアピール力はそんなにないんです。ただ、みんな、ワークショップとかでもそうなんですが、こつこつと積み重ねて地道に努力する人が多い。純粋で一つのこと必死にやるのが富山県人だなって思います。5年前にこの事業が始まって以来、常に出演している方もいてくださるんですが、最初はタップとか踊りが大丈夫かな…と思っていた人も年々スキルがあがって、目に見えてうまくなっているんです。モチベーションもどんどん高くなってますし。そんな姿がうれしく思いますね」
とはいえ、この名作シリーズの上演は今回で一区切りとなる。「もったいないですね。富山の方々にもミュージカルっておもしろいんだ、と知っていただけたし、この数年で積み上げてきたものがあるのに。これを何らかの形で続けていく、次につなげていくのが我々の使命だと思ってます」
剣幸「ミー&マイガール」
インタビューのあとに行われた稽古では、本作の中でも人気の高い「ランベス・ウォーク」の歌とダンスを公開。稽古場の空気が薄く感じるほどの熱さ!そしてマジメにやりつつも、いつも誰かが笑っている楽しい現場だった。
「ミー&マイガール」
「ミー&マイガール」
「ミー&マイガール」
「ミー&マイガール」
「ミー&マイガール」
なお、稽古の休憩時間にはこの方にもご挨拶。剣演じる下町出身の青年ビルを、財産目当てで誘惑するジャッキー役の秋山エリサだ。自身も1998年に富山オーバードホールで上演された「アンネの日記」で主演を務めており、富山への思い入れは深い。「今はほんわかした稽古場の雰囲気ですが、このあと富山に移動してオーケストラが入るとキュッと引き締まりますよ!ぜひオーバードホールに観に来てくださいね!」とコメントしていた。ジャッキーにもご注目!
秋山エリサ「ミー&マイガール」
■日時:2015年11月12日(木)~15日(日)
■会場:富山オーバード・ホール
■出演:剣幸、野田久美子、宝田明、中尾ミエ、秋山エリサ、高山光乗 ほか
■公式サイト:http://www.aubade.or.jp/static/special/mamg2