じっとして観ていられない! 観た者すべてを笑顔にする『ジャージー・ボーイズ』チームWHITE ゲネプロレポート

レポート
舞台
2018.9.7
ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより

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2018年9月6日(木)、東京・日比谷シアタークリエにて『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロ(総通し稽古)が行われた。この日はチームWHITE(中川晃教中河内雅貴海宝直人福井晶一)が登場し、本公演さながらの舞台を披露した。その模様をレポートしよう。

ステージ左右には大小さまざまなTVモニターが積み上げられ、これから始まるザ・フォーシーズンズの物語と彼らが生きた時代を映し出そうとしていた。

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより

ニュージャージーの片田舎で、天使の歌声を持つフランキー・ヴァリ(中川)が、成功を夢見る兄貴分のトニー・デヴィート(中河内)とニック・マッシ(福井)のバンドグループに迎えられる。鳴かず飛ばずの日々が続く中、作曲の才能あふれるボブ・ゴーディオ(海宝)が加わり、過酷な下積み生活を経て、ついにボブの楽曲と4人のハーモニーが認められ、彼らのバンド=ザ・フォーシーズンズはスターダムに。だが、輝かしい活動の裏には多額の借金、グループ内の不仲、フランキーとメアリー(綿引さやか)の夫婦生活の破綻など、様々な問題を抱えていた。積み重なった問題はやがて大きな亀裂となり、グループを引き裂いていく。

成功と挫折…その先で彼らが見たものとは―。

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより

『ジャージー・ボーイズ』の魅力は、劇中に使用される数多くの楽曲とそれを生バンドの演奏の中、歌い上げる4人のハイクオリティな歌唱力にあるだろう。低音を支える福井、中音域をイキイキと彩る中河内と海宝、そして神がかり的なハイトーンで楽曲に光を与える中川。それぞれが高い力量を持っているだけでなくこの4人が魅せる美しいハーモニーがさらに楽曲の力を倍にしていくのだ。それはまるで“耳供養”と言えるくらい、身体のどこかに残ってしまった様々な世俗の「雑音」が、この数時間ですべて浄化されるようでもあった。

4人は日本版初演時にも出演したメンバー。このゲネプロでも非常に安定感をみせていたが、その一方でさらに攻めていこう、もっともっと良い作品を作りたい、という姿勢も感じさせていた。

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより

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ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ゲネプロより

と、つい歌の話に終始してしまいがちな本作だが、そこにザ・フォーシーズンズの栄光と波乱の物語が描かれているからこそ、極上の音楽がさらに輝きを増すことを忘れてはいけない。作り込まれたストーリーと適切に配置された極上の音楽。この二つがバランスよく両立した稀有なミュージカルだからこそ、観る者の心を揺さぶり拍手を贈りたくなるのだ。

通常の芝居のゲネプロでは、上演中も終演後も取材陣などの「観客」は比較的静かで、冷静に芝居を観て、劇場を後にする。が『ジャージー・ボーイズ』は違った。上演中に拍手や歓声、指笛もなり響き、最後はスタンディングオベーションでキャストたちと共に盛り上がっていた姿が印象的だった。かくいう自分もカメラを構えている事が耐えられないくらい、興奮と感動を感じていたのだ。

劇場を後にする彼らの顔はこの上もなく笑顔にあふれており、今回の『ジャージー・ボーイズ』も、きっと多くの観客の心を掴んで離さない名作となる予感がした。

取材・文・撮影=こむらさき

公演情報

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』
 
■脚本:マーシャル・ブリックマン&リック・エリス
■音楽:ボブ・ゴーディオ
■詞:ボブ・クルー
■演出:藤田俊太郎
■出演:
フランキー・ヴァリ:中川晃教
トミー・デヴィート:中河内雅貴、伊礼彼方(Wキャスト)
ボブ・ゴーディオ:海宝直人、矢崎広(Wキャスト)
ニック・マッシ:福井晶一、spi(Wキャスト)
 
太田基裕、阿部裕、畠中洋 / 綿引さやか、小此木まり、まりゑ、遠藤瑠美子、大音智海、白石拓也、山野靖博、石川新太

 
<東京公演>
■日程:2018年9月7日(金)~10月3日(水)
■会場:シアタークリエ
 
<秋田公演>
■日程:2018年10月8日(月・祝)
■会場:大館市民文化会館
 
<岩手公演>
■日程:2018年10月11日(木)・12日(金)
■会場:岩手県民会館
 
<愛知公演>
■日程:2018年10月17日(水)・18日(木)
■会場:日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
 
<大阪公演>
■日程:2018年10月24日(水)~28日(日)
■会場:新歌舞伎座
 
<福岡公演>
■日程:2018年11月3日(土)・4日(日)
■会場:久留米シティプラザ ザ・グランドホール
 
<神奈川公演>
■日程:2018年11月10日(土)・11日(日)
■会場:神奈川県民ホール
 
■公式サイト:http://www.tohostage.com/jersey/
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