大地真央「再演はさらにパワーアップ! 信子の強くて深い愛を感じて」舞台『夫婦漫才』

インタビュー
舞台
2018.11.16
大地真央

大地真央

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昭和初期の大阪を舞台に、幼なじみから夫婦となった信子と伸郎が、日夜繰り広げる大喧嘩が掛け合い漫才のようでおもしろいと評判を呼び、いつしか芸能プロダクションがスカウトに!?  戦争、貧困、高度成長、テレビ黄金期、漫才ブーム……激動の昭和を、夫を支え、家族を支え、前向きかつ豪快に突き進む信子。伸郎と二人、夫婦で歩む笑いと涙の珍道中を描く舞台『夫婦漫才』は、2017年の初演では、上演された各地を笑いと涙で盛り上げてきた。そして2019年2月、待望の再演を迎える!

主人公・信子を演じるのは“日本最高のコメディエンヌ”大地真央。そして夫の伸郎は、幅広い役を硬軟自在に演じ分ける中村梅雀が演じる。史上最強のおもろい夫婦を再演ではどのように演じようとしているのか。大地に今の心境を聴いた。

ーーまずは『夫婦漫才』再演が決まった時のお気持ちは?

皆様からの再演希望のお声が後押しとなり、千秋楽に決定したのですが、多くの方がこの作品を愛してくださった結果だと思います。決まった時は本当に、嬉しかったです!

ーー初演の印象はいかがでしたか?

とにかく毎公演、お客様の笑い声と、泣いていらっしやる姿が印象的でしたね。劇場中がひとつになってお客様も盛り上がってくださるので、自然とアドリブも増えていきました。信子と伸郎のポンポンとしたかけあいも、ちょっとづつ違ったりして、毎回新鮮で楽しかったです。

舞台『夫婦漫才』(2017年)より

舞台『夫婦漫才』(2017年)より

ーーその信子と伸郎の夫婦漫才、お客様も相当笑ってくださったようですね。

そうですね。本当に有難たかったですね。夫婦の漫才で笑っていただき、その向こうにある、信子と伸郎夫婦や、その周りにいる様々な登場人物一人ひとりの人間ドラマを楽しんでいただけたようで、やり甲斐がありました。

ーー再演に向けて、パワーアップしようと考えている事はありますか?

初演で一度完成した作品ですから「どこか変えなきゃ」という意識はないですね。ただ、劇場が違いますので、いい意味で変わるところはあるかもしれません。それに、チームワークも良く、出演者全員がこの作品が好きですから、嫌でも(笑)パワーアップした「夫婦漫才」を観ていただけると思います。

舞台『夫婦漫才』(2017年)より

舞台『夫婦漫才』(2017年)より

ーー大地さんが演じる信子の魅力を改めてどのようにとらえていらっしゃいますか?

戦争で身体も心も病んだ夫と喧嘩しながらも支え、姑も子供も、何もかも全部自分がひっくるめて面倒を見ようとする、深い母性愛の持ち主だと思います。また何事にも全力投球で、一生懸命に生きる姿が見ていて気持ちいい人。強くて優しい昭和のお母さんですね。

ーー物語と共に舞台で信子が着る様々な衣裳も気になります。衣裳については大地さんも意見を出していらっしゃると聞きましたが。

戦後から2003年まで、その時代を彷彿とさせるものを意識しました。襟の大きさや形も時代によって変えたり、柄や色の組み合わせ、ソックスやカゴバッグ、エプロン一枚についてもこだわりました。「サザエさん」をヒントにした衣裳もあります。また、工夫して着まわしているようにしたり。羽織物やパジャマも入れると、20着くらいは着替えます。

舞台『夫婦漫才』(2017年)より

舞台『夫婦漫才』(2017年)より

ーー大地さんはこれまで様々なコメディ作品に出演されてきましたが、改めてコメディをやる上で大事に考えていらっしゃることは何ですか?

その人物と真摯に向き合い、取り組むだけです。お客様に楽しんでいただきたい、そのためには、この人物ならどうするかを研究して、大真面目にやることです。笑わしてやろうという思いだけではお客様は“引いて”しまうと思うんですね。この舞台についても相手との呼吸やテンポ、間を大事に、いかに「信子として」生きるかが大事だと思っています。

ーー最後になりますが、この舞台、特にどのような方に観ていただきたいですか?

ご夫婦、独身の方、女性、男性……とにかく老若男女問わず、たくさんの方に見て頂きたいです。人間が愛おしくなり、まわりの人に優しくしたくなると思います。そして、たくさん笑って、たくさん泣いて、デトックスしたら、明るい気持ちになって心も体も若返るはずです。皆さま、バスタオル持参で(笑)ぜひ劇場にお越しください。

大地真央

大地真央

取材・文・撮影=こむらさき

公演情報

『夫婦漫才』
 
■日時・会場:
【東京公演】2019年2月8日(金)~17日(日) 明治座
【大阪公演】2019年2月20日(水)~26日(火) 新歌舞伎座
【岩手公演】2019年3月3日(日) 一関文化センター
【宮城公演】2019年3月7日(木) 東京エレクトロンホール宮城

■原作:豊川悦司 
■演出:ラサール石井 
■脚本:池田テツヒロ 
■出演:大地真央/中村梅雀/川崎麻世/村上ショージ/竹内都子/上杉祥三/野添義弘/福本伸一/弘中麻紀/未沙のえる/南翔太/吉沢京子/正司花江/ほか

 
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