ミュージカル『TOP HAT』製作発表~V6坂本昌行、フレッド・アステアの役に「100%の嬉しさと100%の怖さ」、重圧におののく多部未華子のフォローも

レポート
舞台
2018.10.3
左から)ビル・ディーマー、朝海ひかる、多部未華子、屋良朝幸、浅野和之、坂本昌行、益岡徹、マシュー・ホワイト

左から)ビル・ディーマー、朝海ひかる、多部未華子、屋良朝幸、浅野和之、坂本昌行、益岡徹、マシュー・ホワイト

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2018年11月5日(月)より東京・東急シアターオーブにて上演されるミュージカル『TOP HAT』の製作発表会見が2日、都内にて行われ、主演のV6坂本昌行、ヒロインの多部未華子、そして屋良朝幸、朝海ひかる益岡徹浅野和之と脚色・演出を務めるマシュー・ホワイト、振付のビル・ディーマーが登壇した。

本作は、1935年にフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースという映画史上最高のダンス・キング&クイーンが主演した映画『トップ・ハット』が原作。2011年に英国で舞台版が上演されると、英国で最も権威のある演劇賞・ローレンス・オリヴィエ賞でミュージカル作品賞、衣装デザイン賞、振付賞の3部門を受賞し大きな話題となった。日本では2015年に宝塚歌劇団宙組公演で日本初上陸を果たし、同年、英国のキャストによるロンドン版が日本でも上演されている。この時の演出を務めたのがマシュー・ホワイトである。

【あらすじ】
ブロードウェイで活躍する大人気のミュージカル・スター、ジェリー・トラヴァース(坂本)は、英国人プロデューサーのホレス(益岡)に招かれて、ロンドンの舞台に立つことになった。ホテルに到着し、部屋でひとりタップダンスに興じていると、階下の部屋に泊まる美しいモデル、デイル・トレモント(多部)が苦情を言いにジュリーの部屋に上がってきた!

ジェリーはデイルに一目惚れ。得意の歌とダンスで恋心を伝えるジェリーは徐々にデイルと心を通わせていくが、ひょんな行き違いから、デイルはジェリーのことを友人マッジ(朝海)の夫(=ホレス)と勘違い。恋に落ちた相手が、実は友人の夫だったと思い込んだデイルは、ジェリーへのあてつけに、以前から熱烈なアプローチを受けていた衣裳デザイナーのアルベルト(屋良)と結婚してしまう。ジェリーは慌ててデイルを追いかけていくが……。
 
益岡徹、朝海ひかる

益岡徹、朝海ひかる

浅野和之

浅野和之

製作発表では、キャストたちがそれぞれの役どころをイメージさせるかのように次々と登場。夫婦で手を取り踊るようにポーズを決める益岡と朝海。ナルシストで陽気なキャラクターを体現する屋良。ホレスに仕える執事役として謎の動きを見せる浅野。最後にステージの中央の扉が開き、坂本と多部が手を取り合って登場すると、ステージ上の光が何倍にも光り輝き、二人に降り注いでいるようだった。

マシュー・ホワイト

マシュー・ホワイト

ロマンティック・ラブコメディーである本作について、マシューは「こうしてまた大好きな街、東京に戻ってくることができて嬉しいです」と挨拶し、本作の魅力について「とってもコミカルでスタイリッシュ。チャーミングかつロマンティック。この4つの要素のコンビネーションが魅力だと思っています。素晴らしいダンス振付もたくさんありますが、劇中歌の作詞・作曲を務めたアーヴィング・バーリンの素晴らしいスコアも魅力の一つ。本作は今、日常で起きている悲しい出来事とはまったく別の世界です。明るく軽妙で楽しい世界を皆さんに観ていただき。少しの間だけでも日常を忘れていただけると思います」と語る。

また、今回の日本人キャストについて「世界でいちばんのキャストだと思います。1年半前からキャスティングを始めていましたが、この作品はキャスティングがすごく難しいんです。皆さんのように歌えて踊れて演技もできなければなりません。稽古は始まったばかりですが、これからが楽しみです。実は昨日、稽古にビルと共に立ち会って本読みと歌もつけてやってみましたが、それだけでもう素晴らしかった。これからよりいいものになっていくと信じています」と喜びを見せていた。

ビル・ディーマー

ビル・ディーマー

振付を担当するビルは「この素晴らしい作品を皆様に提供できることを光栄に思います」とご挨拶。そして華麗なダンスが盛りだくさんの本作で特に観て欲しい部分については「映画でもご覧になった方もいるかと思いますが、燕尾服を着た素敵な男性たちが一列になって登場するときの気品とエレガンスのある姿ですね」と答えていた。また坂本と多部の印象については「素晴らしいお二人です。この作品への献身度が素晴らしく、すでに二人の事を誇らしく思っています」と絶賛だった。

そしてキャストからの挨拶へ。坂本は「どうも。坂本昌行です。……以上です!」とものすごく短い挨拶をし笑いを誘う。「もう少し(長く)お願いします」と司会に促された坂本は「本場の皆さんと一緒に仕事ができる事、たくさんの衣裳を着ることができる事も楽しみで、何よりキャストの皆さんと一緒に舞台が出来ることを楽しみにしています」と続けた。

多部未華子

多部未華子

続けて多部は「こんなに華やかでゴージャスで素敵な舞台のキャストの一人として参加できる事を光栄に思っています」と緊張の面持ち。

屋良朝幸

屋良朝幸

屋良は「ハロー、エブリワン!」と軽く笑いをとった上で「今までこんな役をやった事がないので、新しい引き出しを自分で模索しつつ、新しい自分に出会いたいと思います」と軽やかに挨拶。屋良はアルベルト役について「情熱的でとてもナルシストで自分を一番愛しているキャラクターです。この仕事をしていく上で……僕もジャニーズ事務所に所属していますが、やっぱりナルシストな部分は多少なりともあるんです(笑)。役者さんなら多少は持っていると思うので、僕は今回自分の中の小さなナルシストな部分を存分に大きくして、役を作っていけたらと思います」と笑顔を見せた。

朝海ひかる

朝海ひかる

朝海は「2015年の来日公演を観た時、手が真っ赤になりジンジンするくらい拍手をした記憶が今でも残っています。そんな作品に携われることになったので皆さまに喜んでいただきたい」「本読みをした時。この作品はテンポが何より大事なんだろうな、と感じています。でも台詞が一つ一つ面白くてだんだん興奮してきますね」と演じる喜びを表していた。

益岡徹

益岡徹

益岡は「こんな晴れがましい作品に携わることができて嬉しいです。あっという間に初日が来て、あっという間に千秋楽が来るのかな、と、取り越し苦労で考えていますが、自分のエネルギーと情熱を注ぎたいと思います」。なお、自身が演じるホレスについては「夫婦間の主導権はマッジ(朝海)が握っています」と苦笑い。

浅野和之

浅野和之

浅野の番となると、「子どもの頃に観ていた……フレッド・アステアの映画の舞台版に出ることができて嬉しいです」と一番大事なアステアの名前を失念しかけ、他キャストたちが大受けする一幕となった。

マシューとビルが絶賛する主演の坂本は「来日公演を観に行った時、コミカルだけどオシャレな作品だと感じました。こういう作品に出れたらいいなと思っていた矢先に、このお話を頂いて、100%の嬉しさと100%の怖さを感じました。なぜかと言うとフレッド・アステアのステップ、あの軽やかなステップはおそらく彼にしかできないと思っています。それを自分がやるとなった時、さてどこからスタートしていいのか、どう練習すればいいのかと。とりあえずタップをまた1から練習してみようと思いました」と今の心境を口にする。

そのアステアのタップについて坂本は「一言でいうと大変です。フレッド・アステアの映像を観た方はお分かりになると思うのですが、何をどう踏んで音を出しているのか多分理解不可能だと思うんです。高速の軽やかなステップの中に実は激しいステップが踏み込まれているんですが、その激しさを表に出さずに華麗にやるのが難しいですね」と目標の高さとこれからの練習の激しさを感じさせていた。

多部はオーディションを経て本作への出演が決まったと紹介された。「もちろん本作に参加できたらいいな、と思ってオーディションを受けたものの、決まってからは不安で自信がなくて怖いとか、ネガティブな感情しか生まれていません……今も(笑)。まだまだ時間がかかりそうです」と正直に語ると、思わず坂本がマイクなしで笑い出す。デイルの役作りについて「この作品の中でいちばん感情が揺れ動くのがデイルだと思っているので、その表現がもっとうまくできたらいいなと。そのなかに踊りとか歌の中にもデイルの感情の流れに沿って振りや歌詞がついていたりするので、すべてトータルで、感情の流れが出るようにうまく表現していけたらいいなと思っています」と伏し目がちに一言一言、考えながら思いを口にしていた。

坂本と多部にお互いの印象について質問が飛ぶと、坂本は「多部ちゃんは映像で観る印象が強かったのでミュージカルのイメージがあまりなかったんですが、実際お会いしてみたら僕の想像を簡単に超えていて、びっくりするほどのミュージカルスターがここにもいたんだなって思いました。踊りもそうですし僕よりタップも音が出ているときもありますし、皆さんの印象を180度変える多部ちゃんがそこにいましたね」と驚いたことを振り返る。

一方の多部は「坂本さんが出たミュージカルを以前拝見したのですが、ミュージカルの大舞台に立つ事に慣れていらっしゃる大先輩で、今回ペアで踊る事がとても多いので、これから本番まで頼りまくって、たまに坂本さんのせいにしたりして(笑)。全部身を任せる気持ちでいます」と坂本に目線を送る。そんな多部と呼吸を合わせていくことについて、坂本は「多部ちゃんはマイペースといいますか、何事にも動じず、常にニュートラルでいてくれる方なので、こっちもリラックスできています。この自然な空気の中でお芝居ができたらいいな」と言うと、多部は「(二人の呼吸を)まだ感じていないんですが」と正直に語り、一同大笑い。「『今日はちょっと疲れている』とか、ちょっとしたことでも言い合えるような関係性になれたら、もっとよりよいものが生まれるんじゃないかなと思っています。これから、もっと自然に話し掛けられたらいいなと思っています」と、少しずつ取り組んでいきたいという姿勢を見せていた。

製作発表の後に行われたフォトセッションでは、坂本と多部に「腕を組んでほしい」「もっと寄り添って」などポーズのリクエストが飛ぶが、遠慮しているのか多部がなかなか坂本に身を寄せられず。「まだ(二人の間に)距離があるんです(笑)」と坂本がカメラマンに声をかけ、笑わせる。また「(坂本の方に)小首を傾けてみてください」と多部に声がかかると、同時に坂本も多部の方に首を傾けてボケてみせるなど、不慣れな多部を坂本が終始フォローする姿が印象的だった。

その後の囲み会見でも「まだなかなか自信が持てないので前向きな言葉が出てこないんですが」と語る多部。「あとどのくらい経ったらポジティブになれそう?」と問われると「千秋楽までにはなんとか」と答え、一同大笑い。そんな多部に坂本が「何かあったら僕が責任をとりますから」とすべて受けとめる頼もしさをみせていた。

屋良は今回、珍しく踊らない役を演じることとなったが「ダンスを封印した自分を見せたい」と強調する。「以前、アーヴィング・バーリンさんの曲を題材にした作品(『I LOVE A PIANO』)で、僕もアステアみたいに踊ってくれ、と言われたんですが、全然無理だったんですよ!でも今回それを坂本くんがやってくださるというので、ガッツポーズだったんです(笑)。僕は坂本くんは日本のフレッド・アステアだと思っているんで、楽しみにしたいです」と先輩にプレッシャーをかける話の流れになっていたが、坂本は「褒めていただいてありがとうございます」と後輩にニッコリ笑顔を向けていた。

そんな坂本は「僕は『座長』と思ったことが一度もないんです。V6でもそうなんですけど、周りを引っ張っていくのがなかなかできないタイプなので、本作でも皆さんと歩調を合わせて進んでいけたら」と自分なりの「リーダー像」を語る。が、マシューから「このカンパニーを引っ張っていってほしい」と言われていることを突っ込まれると「僕も多部ちゃんと一緒で不安になりました」と肩をすくめ苦笑していた。

多部未華子、坂本昌行

多部未華子、坂本昌行

取材・文・撮影=こむらさき

公演情報

ミュージカル『TOP HAT』 
 
■作詞・作曲:アーヴィング・バーリン 
■原作:映画『トップ・ハット』(RKO 製作) 
■演出・脚色:マシュー・ホワイト 
■振付:ビル・ディーマー
■出演:
坂本昌行  多部未華子  屋良朝幸  朝海ひかる  益岡徹  浅野和之 
加賀谷一肇  加賀谷真聡  工藤広夢  斎藤准一郎  高瀬育海  堀江慎也  萬谷法英  三井聡  武藤寛  吉井一肇 
岡本華奈  小島亜莉沙  彩月つくし  笘篠ひとみ  花岡麻里名  松田未莉亜  吉田理恵  脇坂美帆 
 
料金:S席13,000円/A席9,000円(全席指定・税込) 
※未就学児のご入場はお断りいたします。 
 
■公式サイト:https://www.tophat-musical.jp/​
■協力:Kenneth H. Wax 
■企画・制作:梅田芸術劇場  シーエイティプロデュース 
 
【東京公演】 
■日程:2018年11月5日(月)~11月25日(日)全25回公演 
■会場:東急シアターオーブ(渋谷ヒカリエ11階) 
■問合せ:スペース  03-3234-9999 
■主催:フジテレビジョン  シーエイティプロデュース  梅田芸術劇場 

【大阪公演】   
■日程:12月1日(土)~5日(水)全7回公演 
■会場:梅田芸術劇場  メインホール 
■問合せ:梅田芸術劇場  06-6377-3800 
■主催:関西テレビ放送  シーエイティプロデュース  梅田芸術劇場 
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