銀座の「観世能楽堂」と「王子ホール」の連携企画第1弾! 能とバロック音楽で描く『日仏宮廷恋愛模様』
-
ポスト -
シェア - 送る
歌舞伎、能楽、演劇、ミュージカル、映画、ギャラリー、ライブハウス……文化・芸術が集積する日本屈指の街「日比谷・銀座・築地」周辺。多彩な文化が集まるこのエリアならではの体験ができる特別プログラムが、「東京アート&ライブシティプロジェクト」の提供企画として生まれている。今回紹介するのは、11月1日(木)GINZA SIX内に位置する観世能楽堂で行われる、能とバロック音楽で描く『日仏宮廷恋愛模様』だ。
銀座の「観世能楽堂」と「王子ホール」がコラボして、日本の伝統芸能「能楽」と、フランスのバロック音楽が、同じ「宮廷の女たちのドラマ」を題材に、この秋、一度限りの出逢いを遂げる。
パート1はバロック音楽「語りとチェンバロ&ハープ演奏」
元宝塚歌劇団宙組トップ娘役で退団後も幅広く活躍する女優・野々すみ花の生語りとともに、1700年代フランス宮廷での、王の寵愛を巡る女たちの駆け引きが繰り広げられる。演奏は、チェンバロとヒストリカル・ハープの2種類の古楽器と自在に操る世界的に知られる奏者・西山まりえ。世界各国で海外公演を重ねるシテ方観世流 能楽師・武田宗和が出演する。
野々すみ花
西山まりえ
奏者・西山まりえによる曲目紹介
ヨーロッパ諸国の中で最も早く絶対王政を確立したフランスでは、代表的なバロック建築であるヴェルサイユ宮殿を舞台に王侯貴族を中心とした豪華絢爛な文化が花開きました。太陽王と呼ばれたルイ14世やイケメンのルイ15世など、王のお気に入りの音楽家の作品、またマリー・アントワネットの鍵盤教師として知られるバルバトルなど、バロック時代の優美で華やかな音楽をお楽しみいただきます。(西山まりえ)
パート2は「能『葵上』梓之出 空之祈」
平安宮中のプリンス“光源氏”を巡り恋慕と嫉妬のあまり生霊と化した六条御息所に取り憑かれてしまうドラマが描かれる。出演は、シテ:武田宗和、ツレ:武田宗典、ワキ:宝生欣哉、大鼓:亀井忠雄(人間国宝)ほか 豪華出演陣。日本とフランス、いにしえの時代。宮廷で繰り広げられた恋愛模様。時と国を越えた競演を、洗練された空間で存分に楽しみたい。
武田宗和
『葵上』あらすじ
光源氏の正妻・葵上は、物の怪(もののけ)に悩まされて病床に伏していた。臣下は、照日巫女に命じて、物の怪の正体を梓の弓で占わす。すると、弓の音に惹かれて高貴な女性の霊が現れ、輪廻転生の定めを離れられない苦しみを述べて六条御息所の生霊であると名乗る。御息所は源氏の寵愛を失った恨みを語り、病床の葵上の枕元に立つと、葵上を打ちすえて幽界に連れ去ろうとする。臣下はただならぬ事態に、比叡山の横川小聖を呼び寄せ、加持祈祷を行わせる。やがて悪鬼の姿で現れた御息所は、葵上の病床に襲いかかろうとするが、不動明王の真言を唱える横川小聖の前に祈り伏せられ、経の功徳によって、心和らげ成仏を遂げるのであった。