Gero、聖地・日比谷野音に立つ――熱狂のツアーファイナルをレポート

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Gero Live Tour 2015 -Re:load- 日比谷野外大音楽堂

「原点」をテーマとしたGeroの3rdアルバム『ZERO』。インディーズ時代の楽曲を再録したこの作品は、単なる楽曲の焼き直しではなく、メジャーデビュー以後に様々な経験を経た今のGeroが自身のスタート地点に立ち返ったからこそ生まれた、瑞々しくも高い技術と経験値が注がれている。その『ZERO』のリリース後に全国23カ所をを巡ったツアーの追加公演として、日比谷野外大音楽堂に満員のオーディエンスを集めた『Gero Live Tour 2015 -Re:load-』で、原点に立ち返ったGeroはどんな姿を見せてくれるだろうか。

SEに合わせ緑色の光が客席を照らす中、バンドメンバー一人一人を紹介する映像が流れ、まずSHiN(Dr)、パスタ(Key)、海賊王(G)、HIROKI169(B)、鈴木ぷよ(G)とお馴染みの「Geroバンドメンバー」が登場。いまやテーマ曲といっても良い「The Bandits」のイントロを奏で出すと、あとから悠然と登場したGeroを大歓声が出迎える。彼の初野音は華々しく幕を開けた。

曲間で「ファイナルーー!!」と一発シャウトしたGero。この日の野音に火をつけるのは、その一言で十分であった。サビの決めポーズや手拍子、拳を突き上げたりを一斉に行うオーディエンスは壮観だ。そのまま盛り上がり必至の「名古屋のデブ」を投下、<日比谷のデブ / ファイナルのデブ>と歌詞を変えて歌ったり<デブ!デブ!>という鉄板のコール&レスポンスで大いに沸き立つ。

Geroは圧倒的な高音のシャウトを惜しみなく繰り出し、全身で歌う。バンドもそれぞれの見せ場になると中央のお立ち台でパフォーマンスし煽る。この日はドラムセットがかなり高めの位置に鎮座しているため、SHiNの表情豊かで激しいドラミングもしっかり見える。「アンチェインゲイザー」まで終えたところでTシャツ姿のGeroが「上着を着てこなくて正解」と話したほど、10月後半の野外をアツくしていった。

一転、ピアノの美しい音色で始まった「Love-Letter」ではゲストとしてヴァイオリンのsetsatが登場し、頭上を光の粒が旋回するような照明に包まれ、美しい音色を響かせる。そこから3曲をコラボしたあとは、後半戦に向けてさらにギアを上げるGeroバンド。「you」の曲中ではメンバー紹介に続き、それぞれがソロを披露、これまでGeroを支え続けるその高い技術と華のあるパフォーマンスで大いに盛り上げる。それだけではなく、もちろんMCではいつもの脱線トークと、書けるかどうかギリギリ(アウト)のネタも連発。Geroのボケや変顔に対する169のツッコミも、鈴木ぷよのフワフワしたトークもすべて「Geroのライブ」に欠かすことのできないピースであることを改めて実感する。

デビュー前の楽曲と再度向き合った『ZERO』についてのMCに続いてはデビュー曲となったアニメ『BROTHERS CONFLICT』の主題歌を披露――と思いきや、奏でられたのはエンディングテーマ「14to1」(Geroの曲ではない)。「……これ、エンディングの方や!」というボケもしっかり決めてから、<YOU’RE MY SPECIAL>の大合唱で「BELOVED×SURVIVAL」をドロップ。場内には巨大なバルーンも登場し、強烈な一体感とハッピーな空間を作り出す。

歌唱力の高さを見せつけるエモーショナルなロックバラード「Ivory」で一旦ペースダウンしたかと思いきや、ライブはクライマックスへ。「うどん」から「うどん2」という鉄壁の流れで、ギラギラと場内を照らす照明の中、数え切れないほどのタオルが振り回される。この終盤にきてGeroの超高音シャウトもますます冴えを見せ、ハードコアなナンバー「しゃよう」で、本編は怒涛のフィニッシュをキメた。

アンコールではバンドメンバーのみが登場し、しばしフリートーク。169のお母さんが初めてライブを観に来ている話、蛾が飛んできたり「アンチェインゲイザー」演奏中にSHiNのハイハット上に蟻がいて、叩くたびに飛び上がっていた話などを取り留めなく話したあと、初の野音への感慨が語られる。ロックやメタルといったジャンルへの愛とリスペクトを前面に出してきたGeroとそのバンドだけに、数多くの伝説を生んできた野音のステージに対する想いも一際大きいに違いない。

が、感傷に浸る間はない。ここでステージに戻ってきたGeroは「いけ好かない」白い衣装に身を包み、ゲスト・SLHの面々引き連れて新曲「DREAMER」を披露。もちろんアイドルグループばりのダンスもしっかり完遂し、続いては猫の被り物を着用して「我輩はオス猫である」へ。底抜けにアッパーな楽曲に乗せ下ネタも連発し、そのエンタメ力の高さをも存分に見せてくれた。

正真正銘のラストナンバーとなったのは「空の青さと思い上がり」。どこかセンチメンタルながらスケールの大きなこの楽曲をオーディエンスとともに大合唱し、いつもの緑色ではなく青一色に染められた会場の中、Geroの2015年のツアー、そして初の野音は幕を下ろした。

「原点」に立ち返ったGeroがこの日みせたもの。それは徹底的に激しいロックを叩きつけ、徹底的に来た人を笑顔にするエンターテインメントを繰り広げること、そしてバンドであることだったと思う。2時間半のステージを終えたGeroはこう言った。「ありがとうございました、Geroバンドでした!」と。それはシンガーとバックバンドという関係性ではなく、自分はGeroバンドとしてステージに立ってるんだ、という認識が集約された一言だったと思う。だからこそ鈴木ぷよは演奏中にマイクを通さずGeroに「ありがとう」と告げたのだろうし、終演後パスタは感極まって涙したのだろう。

Geroはともに歩んできたメンバー、スタッフ、そしてこの日会場を埋め尽くしたファン一人一人と一緒に、ついに野音にたどり着いた。どんなに会場が大きくなっても変わらないこの姿勢こそ、彼の「原点」であり、アイデンティティに違いない。そのことを再確認したGeroバンドは、これからもどこまでも「変わらずに」進化を続けていくだろう。

 

文=風間大洋

セットリスト
Gero Live Tour 2015 -Re:load-


2015.10.24 日比谷野外大音楽堂
1. The Bandits 2. 名古屋のデブ 3. OIRAN UTOPIA 4. アンチェインゲイザー 5. へたらぶ 6. 楽ニナレマスカ 7. Love-Letter 8. モノクローム 9. Unlocked 10. you 11. Circle 12. 道名津 13. BELOVED×SURVIVAL 14. Ivory 15. うどん 16. うどん2 17. しゃよう [ENCORE] 18. DREAMER 19. 我輩はオス猫である 20. 空の青さと思い上がり

 

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