平成最後の冬、笑える小劇場演劇・5選

冷え込みが身にしみる今日このごろ、笑いで寒さをしのげれば気分は最高だ。そこでSPICE「舞台」編集部は【特別企画】として、この冬オススメの、“笑いに特化した小劇場演劇”の舞台を紹介する。それも、テレビなどでは味わえない、ディープでトンガった笑いの舞台を！ 今回は、“笑い”に一家言ある舞台関係者として、渋谷ユーロライブの名物イベント「テアトロコント」のキュレーター・小西朝子氏をお招きし、SPICE「舞台」編集長の安藤光夫と共に、この平成最後の冬に最注目の5団体を選出してみた。It's 笑タイム！（※本記事は「hayally」とタイアップしています）

◆選1　テニスコート

＜オススメ理由＞
小西「コントが面白くて素晴らしいのは勿論のことながら、チラシから舞台美術、衣装、音響、映像など、隅々にまで目が行き届いており、総合的な演出のセンスが溢れています。渋谷で洒落たコント体験を！」
安藤「実はものすごくバカな内容なのに、メンバー全員が美大出身のせいか、不思議なセンスを見せられて、どこか最先端アートっぽい何かを観たような錯覚に陥る。なお、メンバーの一人、神谷圭介は最近テレビCMなどで見かける機会が多くなってきた」

＜この冬に観ることのできる公演＞
テアトロコントspecialテニスコートのコント『パリドライビングスクール』
■作・演出・出演：テニスコート
■ゲスト出演：山口ともこ
■構成・演出：ポテンシャル聡
■日程 :2019年1月24日（木）～1月27日（日）
■会場：ユーロライブ
■公式サイト：http://tenusugawa.com/paris
■SPICE過去関連記事：
テニスコートが新作コント公演『浮遊牛』を語る 

◆選2　劇団「地蔵中毒」

＜オススメ理由＞
小西「こってりしたパンチのある食材だけを厳選して大量に投入しぐつぐつ煮込んだ闇鍋のような劇団。それは一見無秩序なようですが、研鑽されたセンスが礎にあります」
安藤「多彩な個性的キャラが混在する奇天烈集団。下ネタあふれるエログロ・ナンセンスな劇世界が刺戟的。セリフの一つ一つがすべてネタになっている過剰さで、観てるほうは文字通り“中毒”に陥る」

＜この冬に観ることのできる公演＞
劇団「地蔵中毒」&トリコロールケーキ、ダブル本公演『懺悔室、充実の4LDK』
■日程 :2019年2月2日（土）～2月3日（日）
■作・演出：大谷皿屋敷／今田健太郎
■会場：浅草九劇
■公式サイト：https://g-chudoku.jimdo.com/
■SPICE過去関連記事：
劇団「地蔵中毒」主宰・大谷皿屋敷、初インタビュー
劇団「地蔵中毒」『つちふまず返却観音』稽古場潜入レポート

◆選3　THE ROB CARLTON

＜オススメ理由＞
小西「笑いに対して透徹で真摯なスタイル、そして観客をこれでもかともてなす心づかいの数々。徹底した高級な雰囲気作りと落差のあるバカバカしさが癖になる。京都の紳士的なコメディ集団です」
安藤「“お公家さん”顔の主宰者が書く貴族趣味のコメディが極上の風雅を醸す。京都出身の劇団というのも大いに頷ける。次の公演も“古今和歌集の謎に迫る”っていうのが実に心憎い。12月の渋谷テアトロコントにも登場するそうだ」

＜この冬に観ることのできる公演＞
THE ROB CARLTON 16F『SINGER-SONGWRITERS』
■大阪：2018年12月13日(木)～12月17日(月) HEP HALL
■東京：2019年1月11日(金)～1月14日(月) 赤坂RED/THEATER
■作・演出：村角太洋
■出演：THE ROB CARLTON（村角ダイチ／満腹満／ボブ・マーサム）、高阪勝之（男肉 du Soleil／kitt）、諸岡航平、中川晴樹（ヨーロッパ企画）
■公式サイト：http://www.rob-carlton.jp/
■SPICE過去関連記事：
THE ROB CARLTON、新作『SINGER-SONGWRITERS』と「テアトロコント」出演を語る 
THE ROB CARLTON✕川下大洋、東京初進出作品『マダム』を語る 

◆選4　東葛スポーツ

＜オススメ理由＞
小西「臆病さとは無縁のタブーのなさ。東葛スポーツを観て、逆説的に演劇やコントの不自由さに気づく。力強く、ひたすらに爽快」
安藤「演劇界の“東スポ”だけに、悪ふざけの切れ味が鋭い。パロディと諷刺精神が旺盛で、毒気の利いたラップが随所で聴けるのも心躍らされる」

＜この冬に観ることのできる公演＞
東葛スポーツ公演『平成のいちばん長い日』
■日程：2018年12月20日（木）～12月24日（月）
■会場：3331アーツ千代田 ギャラリーB
■構成：金山寿甲
■出演：菊池明明（ナイロン100℃）、稲継美保、神谷圭介（テニスコート）、木田（ガクヅケ）、篠原正明（ナカゴー）
■公式サイト：http://www.tokatsusports.com/
■過去関連記事：
大注目のラップ演劇カンパニー、演劇界の“東スポ”こと、東葛スポーツの主宰・金山寿甲にインタビュー

 

◆選5　トリコロールケーキ

＜オススメ理由＞
小西「構成員は女性が多く、ファンシーな雰囲気をまとった作風ですが、どこか不気味。その不気味なナンセンスこそが比類なき魅力です」
安藤「ナンセンスの底なし沼にズブズブとハマったような気分が味わえる。また、脚本・演出・出演の今田健太郎の顔と声の大きさも恐るべきインパクトだ」

＜この冬に観ることのできる公演＞
トリコロールケーキの出会い『金の犬』
■日程：2018年12月21日（金）～12月25日（火）
■会場：新宿眼科画廊 1F・スペースO
■企画・監修：鳥原弓里江
■脚本・演出：今田健太郎
■出演：石田哲也（劇衆オの組）、亀田明希望、しじみ、田川太一、橘享、モリサキミキ、塩原俊之（アガリスクエンターテイメント）、今田健太郎、香西佳耶 
■公式サイト：http://www.toricoro.com/
■過去関連記事：
隠れファン増殖中の新進劇団「トリコロールケーキ」
トリコロールケーキが「コーヒーブレイク」音源を公開

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※選者・小西朝子プロフィール：2015年より有限会社ユーロスペースに所属し、渋谷コントセンターを担当、「テアトロコントキューレーター」として活躍する。
※選者・安藤光夫プロフィール：2015年より株式会社イープラスのSPICE編集部にて「舞台」「クラシック」部門の編集長。好きな劇作家・脚本家は、ジョルジュ・フェドー、レイ・クーニー、リチャード・ビーン、ダン・シュナイダー、他多数。